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Supermicro台湾工場見学レポート ~超巨大工場の内部に潜入!~

2019.11.**

営業本部 GPUセールスエンジニア 傘 理沙未

営業本部
GPUセールスエンジニア
傘 理沙未

NTTPCでは、10年ほど前からいち早くSupermicro製品の国内展開を開始し、大容量ストレージやGPUサーバーなどを中心に、これまでに約2,000台を超えるサーバーを取り扱ってきました。その実績が評価され、このたび、Supermicro社アジア唯一の生産拠点である台湾工場の見学ツアー、およびプライベートカンファレンスに特別招待されました!今回はそのレポートをお届けしたいと思います。

Supermicro台湾工場について

Supermicroはアメリカ、台湾、オランダに工場を持っています。今回訪問した台湾工場では、日本を含むアジア市場向け製品を製造・出荷しています。Supermicroでは製品開発、製造、組み立て、出荷をすべて自社工場で行っているため、低コストかつ安定した製品の出荷、長期にわたる製品の供給が可能となっています。

工場は台北市から車で約45分、高速道路を降りて直ぐの桃園市にあります。桃園市は桃園空港、近隣の台北港とともに、アジアの空便・船便など運輸交通の中心です。世界に繋がる玄関口という役割だけではなく、台湾トップ500社の製造業のうち200以上の工場がある工業地帯でもあり、市民の平均年齢がわずか37歳(!)という世界トップクラスの若い都市でもあります。
工場は、625,000平方フィートの大きさを誇るビルで、遠くからでもひときわ目を引くスケールです。工場には大きく「RESOURCE-SAVING」の看板。

Supermicroでは、「グリーンコンピューティング」を目指しており、サーバーソリューションの電力効率化、データセンターのエネルギー消費削減、回収したパーツの電子廃棄物の削減など、リソース・コスト・エネルギーの削減に取り組んでいます。グリーンITについては、プライベートカンファレンスでも紹介されていました。

現在台湾工場は、写真のビルディング1で毎月約12,000台(!)の機器を生産しています。しかしながら、それでも製品の生産量が需要に追いついていないため、今後さらに生産体制を拡大する予定です。2021年には、敷地内にビルディング2を建設予定とのこと。Supermicroの好調ぶりが垣間見えますね。

製造工程

工場内部は一切の写真・動画の撮影が禁止されていますが、特別に工場長から製造工程についての解説を受けることができました。 Supermicroでは、製造工程のすべての段階でテストを実施しています。各工程でそれぞれX線スキャン、自動光学検査、目視での検査、電気テスト、機能テストなどを実施し、その結果をデータベースで管理することで、工場内で生産される全ての製品の完全性を担保しています。

もちろん、製造過程で許可されていないコンポーネントが混入したり、マザーボードの意図しない挙動や設計上の逸脱が発見されれば、即座に検知・排除する仕組みが整備されています。
なお、OEM製品の場合は、上記に加えてユーザの要望に合わせた個別試験を実施することも可能とのこと。研究開発・HPC用途に耐えうる高クオリティな製品をリリースするため、厳しい品質検査を行っています。

さらに今回は、工場見学だけでなく、プライベートカンファレンスにも招待されましたので、その様子もお届けします!

Supermicro Innovate! In ASIA

2019年5月28日(火)~29日(水)、台湾のマンダリン オリエンタル台北でSupermicroのプライベートカンファレンスが開催されました。この期間中、アジア最大のITイベント「COMPUTEX」が開催されるため、同じタイミングでプライベートイベントを開催する企業も多いんだとか。
SupermicroはもちろんCOMPUTEXにも出展していますが、近年は紹介を受けた顧客だけが入場できるプライベートカンファレンスにも力を入れているそう。セミナーと展示ブースの模様についてレポートします!


Supermicro Innovate! ASIA

CEOであるCharles Liang氏によるキーノートでは、まずSupermicroの歴史と進化について紹介がありました。Supermicro は1993年に創業し、当初はディストリビュータ向けのサブシステム製造・販売、その後、OEM向けにサーバーシステムの展開を行うようになりました。現在では、Enterprise向けに豊富なサーバーソリューションを提供しており、改めてその規模と勢いを実感しました。

また、2020年に向けた今後のビジネスプランとして、グリーンコンピューティングパーク、アジアサイエンス&テックセンターの開設が発表され、業界においても世界のリーディングカンパニーであると感じました。
印象的だったのは、「Resource-Saving」に大変力をいれて取り組んでいることです。電力消費量の低いサーバーは、データセンターの消費電力を削減し、ファシリティコストを低減できるだけでなく、地球温暖化防止にも効果的です。大量のストリーミング配信やAI、5Gなど最先端技術の革新が進む中、情報通信技術のCO2排出量増加は上昇傾向にあります。技術革新だけでなく、環境対策にも前向きに率先して対応している姿勢を感じました。


キーノートに登壇したLiang CEO

続いて、シニアバイスプレジデントを務めるVik氏から、各国におけるSupermicro製品の導入事例の紹介がありました。詳しい説明はオープンにできませんが、様々な業界、用途における事例の紹介があり、日本市場ではディープラーニングやプロバイダーにおけるサービス基盤、コンテンツ基盤の需要が多かったようです。


Vikシニアバイスプレジデントによるキーノート

キーノートの後は、Resource Saving / GPU / 5G / AI Framework / Edge solutionなど、さまざまなテーマで個別セッションが開催されました。プレゼンターはSupermicroにとどまらず、IntelやNVIDIA、AMDなどのパートナー企業も登壇。パートナーと共同で取り組んでいるソリューションや、エンドユーザーへの導入事例を紹介しており、ユーザードリヴンの傾向が強かったのが印象的でした。
Intelからは、Supermicro製品を利用して、同じ価格帯の異なるCPUではどちらがハイパフォーマンスを発揮できるのか といったベンチマーク結果を発表されていました。Supermicroは Intelのリファレンス・ハードウェアにも指定されているため、高いCPU性能を発揮できる基盤として定評があることを実感しました。
また、財団法人工業技術研究所(台湾最大の産業技術研究開発機構)は、ディープラーニングにかかる所要時間やリソースの削減に成功したといった発表や、GPUサーバーラボの紹介がありました。

製品展示ブース

製品展示ブースでは、ローエンドモデル(IoT向けエッジサーバー)からハイエンドモデル(BigTwin / 4Uエンクロージャーサーバー)まで、幅広い製品が展示されていました。

ちなみに、会場ではスタンプラリーが行われており、各ブースを回ってスタンプを集めると、記念品(Supermicroロゴいりミニ空気清浄機)がもらえちゃいました。


スタイリッシュな空気清浄機

展示ブースの様子


IoT向けエッジサーバー SYS-E300-9A-8CN10P

汎用1Uサーバー SYS-1029P-N32R

推論用GPUサーバー 6049GP-TRT (TeslaT4最大20枚搭載可能)

10U 16 GPU NVIDIA HGX-2対応モデル SYS-9029GP-TNVRT

Intel社もServer Building Blosk ソリューションを多数展示していました。

セミナー終了後には豪華なレセプションパーティーが開催され、参加者のみなさんと交流を深めることができました


1日目のレセプションパーティーの様子

2日目のディナーパーティーの様子

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
今後も、市場のグローバルリーダーであるSupermicroの最新動向をウォッチしていきたいと思います!