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NVIDIA AI DAYS 2022出展レポート
~Omniverseが利用できるVDIクラウド for デジタルツインを新リリース!~

2022.10.06

サービスクリエーション本部 サービス開発企画 奥野 聡

サービスクリエーション本部
サービス開発企画
奥野 聡

当社は、2022年6月に開催された「NVIDIA AI DAYS 2022」にゴールドスポンサーとして出展しました。本イベントにおいて、デジタルツインコラボレーションツール”NVIDIA Omniverse Enterprise”の動作環境として使えるVDIクラウドサービス「VDIクラウド for デジタルツイン」を新たに発表しました!
本記事では、講演内容を一部抜粋して紹介します。

参考:プレスリリース 日本初!「Omniverse Enterprise」の実行環境をクラウドで提供する新サービス「VDIクラウド」(仮称)の提供開始

サービスリリースの背景・経緯

これまで当社では、ネットワーク・サーバ・セキュリティなどのITインフラにおける基盤提供を主力としたサービスを提供してきました。

しかし昨今、これらのお客さまより「デジタルツイン」「仮想空間」「3Dシミュレーション」に関するお問い合わせを多くいただくようになり、ビジネストレンドの移り変わりを実感しています。あわせてお客さまからは「やりたいとは思っているが、具体的に何から始めたらいいかわからない」「一度試してみたいが環境を整えるのが大変」という声もお聞きします。

そこで当社では、今まで培ってきたITインフラ基盤の提供実績やGPU販売をベースに、3Dデザインやアプリケーションを活用できるvGPUリソースを搭載したVDI環境をクラウドで利用できる新サービスをリリースするに至りました。

本サービスを活用することで、デジタルツインや3Dシミュレーションでのビジネスへのきっかけを創出し、本格的な利用環境として利用可能と考えています。

サービスイメージ

働く場所を自由に選択できるようになった現代、IT企業だけでなく様々な業界でリモート業務環境への転換が進んでいます。3Dクリエイトをはじめ、高スペックなマシンリソースを必要とする環境構築では、今回リリースするVDIクラウドサービスが有用であると確信しています。

本サービスでは、クラウド上で3Dモデルのリアルタイムコラボレーションを可能にします。NVIDIA Omniverse™の実行環境を提供し、Connectorを通して、Autodesk🄬 3ds Max🄬やMaya🄬、Unreal Engine、Blenderといった各種3rd Partyアプリケーションとも相互に連携できます。
お客様は、ネットワーク経由で、クラウド上のVDIリソースに自由にリモートアクセスできます。

本サービスでは

  • 機密性の高い作業でも活用できる閉域ネットワーク環境
  • モバイル・5G回線も活用できるインフラ基盤
  • IaaS環境との併用によるシステム基盤の集中管理

など、作業環境における制約を排除した構成を実現します。

今回提供するサービス

お客さまへは、vGPUを搭載したOS環境をそのままVDIで提供します。クラウドサービスのため、お客さまにとって必要なリソースを必要な分だけ申し込めば、カスタマイズした環境を用意いたします。

まずはPoCからスモールスタートし、ビジネス規模が大きくなった際にも、環境を変えずリソースだけを増やすといった使い方も可能です。

ネットワーク環境・3Dコラボ空間(Omniverse)を一元で提供するサービスのため、必要なリソースをお申し込みすれば、お客さま側での事前準備は不要です。
※ Omniverse以外のアプリケーションが必要な場合は、お客さま自身でセットアップする必要があります。

〇機能

VDI方式による利用環境となるため、お客さま一人ひとりが個別に作業環境を整備する事が可能となります。自分が使いやすいようデスクトップをカスタマイズしたり、アプリケーションをインストールして利用ください。他のユーザーの環境と混在することがないため、セキュリティ面でも優れています。

一般的にVDI環境は利用する上で自由度が高い反面、各環境が異なる事もあり管理者からは手間がかかり、環境構築にコストがかかります。維持コストもかかることから、クラウドサービスでもVDI方式はあまり普及していません。

しかし、デジタルツインや3Dシミュレーションを行う作業環境においては自由度が求められることも重要であるという点から、当社はVDI方式での提供を行うことに決めました。

〇提供形態

自由度の高いVDI方式でOS環境を提供します。

価格構成としては
基本料金+利用OS数+共有ストレージ量 での利用料金となります。
基本料金:ネットワーク料金含め定額
利用OS数:リソース毎に料金は従量
共有ストレージ量:契約数に応じて従量
必要なリソースに応じた価格設定となっている為、スモールスタートからの利用も可能です。

今後目指す事

当社では、本サービスのリリースを皮切りに、お客さまとともに仮想空間・3Dコラボレーション上のビジネスを推進してまいります。
今後は、3Dコラボレーション分野に秀でた技術を持つパートナー企業さまとのコラボレーションや、3D,デジタルツインの実現のために必要な機能追加やサービス化を検討しています。

本サービスを利用いただくお客さまや、共創プログラム「Innovation LAB」に参画中の企業とともに、本分野における技術や可能性を見出し、デジタルツインの開発者となる皆さまのビジネスパートナーとして共に邁進していきたいと考えています。

また、市場に先駆けてサービスの開発・提供を行うことで、本分野におけるアドバイザーとなる先駆者の育成も行ってまいります。

仮想空間の利用・発展は、あらゆる職種にて活用する事が出来ると考えます。良いものを作るには企画・技術のバランスが必ず必要となります。技術者だけでなく、業界の知見を持ちビジネス企画が行える人材も不足しているといった声も挙げられています。

また、仮想空間を一般に普及させていくためのガイドラインの整備、VRデバイスの普及、キラーコンテンツの発表などを並行して進めていくことも必須です。今後日常での使用シーンも増えていくと思われるVRデバイス普及に関する技術動向にも注目が必要です。当社はこういった市場トレンドも注視し、メーカーや各種団体との連携も取っています。

仮想空間上では自然発生的にコミュニティが出来上がりますが、ツールを開発する技術者たちの現実空間におけるコミュニティは企業間で壁を作ってしまいます。当社は、多くの技術者の方が本サービスを利用して、情報交換を行うための橋渡しの役割を担えることを望んでいます。

企業間の橋渡しの取り組みの一環として「Innovation LAB」という取り組みがあります。これはAI・デジタルツイン技術に関わる企業・団体が集うオープンイノベーションエコシステムで、技術革新に必要な基盤環境を提供するなどして、参加企業同士のコラボレーションを促すものです。

ぜひ本サービスを利用し、志を同じくする他社との交流のきっかけを創り出してくださればと思います。我々も知見を高めつつ、お客さまやパートナーのみなさまとの共創に力を注いでまいります。