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イベントレポート

『2019 Taipei 5G Summit』に行ってきました! ~世界の5Gトレンドとは?~

2019.10.02

営業本部 GPUセールスエンジニア 毛利 貴也

営業本部
GPUセールスエンジニア
毛利 貴也

2019年5月30日に、台湾のTICC ( Taipei International Convention Center )で『2019 Taipei 5G Summit』が開催されました。
このサミットでは、ドイツ、イギリス、日本、米国など世界各国から政府機関、業界団体、学術分野を代表し、総勢20名の著名なスピーカーが登壇。最新の5Gのテクノロジーやトレンドに関する知識・経験を聞くことができ、大変貴重な経験となりました。

『オープニングセレモニー』


スピーカーの皆さん

5Gについては、もはや説明不要かと思いますが、ご存知の通り通信技術の第5世代(Generation)の略称です。
まだまだ、家庭用の固定電話が全盛だった1970年代~1980年代に、どこでも電話ができる技術として携帯電話が実用化されます、これが1Gです。

(各世代と特徴的なニーズ/機能)

1G 音声
2G メール
3G インターネット
4G 動画、スマホゲーム
5G 高速大容量通信、超信頼低遅延、多数同時接続

生じるニーズの変化に並行して技術の進歩が加わり、概ね10年単位で新しい世代が開発、実用化され続けていますよね。
そして、次の世代として、実用化に向けて注目を浴びているのが5Gです。

まずは、各国の5G普及状況の講演内容から簡単に紹介していきたいと思います。

『インド』


大手携帯通信事業者 Reliance Jio InfocommのPankaj Sharma氏の講演

インドでは5Gネットワークについて「製造」・「教育」・「ヘルスケア」・「金融」の分野に対して特に期待しています。
2020年までに、60万の村々(特に農村部など)と政府センター間のインフラを整備することで、デジタルヘルスケア、オンライン農業サポートの新しい機会を探求するとのこと。まずはRuralエリアからの普及を目指していく模様です。

『ヨーロッパ』


英国情報通信庁 Ofcom のMansoor Hanif氏の講演

ヨーロッパでは5G通信は既に現実のものとなり、スイス、エストニア、フィンランドで開始しているほか、既にEU28か国でトライアルに突入しています。日本はかなり差をつけられていますね・・・。
また、イギリスにおいては以下の4区分、それぞれに5G普及のための支援プロジェクトを進めているそうです。
① 都市部 / 郊外部 ( MNO各社への投資 )
② 工業 / 商業地域 ( 新規参加企業の奨励、産業部門向けワークショップ )
③ 農村部 ( 技術アドバイス、農村コミュニティの支援 )
④ 英国全体 ( セキュリティ強化支援 )
2019年内を目標に、国内大手4社すべての事業者からの5Gリリースを期待しているとのことでした。

『日本』


総務省の講演

日本では5G基本コンセプトには「超高速」・「多数同時接続」・「超低遅延」を掲げ、また、4Gから5Gへの移行シナリオについても触れていました。
2020年の5G導入当初では、コストを抑えつつ、円滑な5Gを導入するため、既存のLTE基地局とNR ( New Radio ) 基地局を連携したNSA ( Non-Standalone ) 構成のシステムを導入し、通信需要の高いエリアを対象に、2020年に「超高速」サービスの実用化を目指します。
「多数同時接続」・「超低遅延」については、Massive MIMO 技術が十分に発達した後、202X年を目標に、NR基地局をスタンドアローン構成に完全に切替えることで、上述の基本コンセプトをすべて満たす環境の構築を完了させることを目標にしているとのことです。
日本政府が5Gに期待することに関しては、会場でも流れましたが、「総務省動画チャンネル」が分かりやすいのでぜひご覧ください。

※【イメージムービー】Connect future ~5Gでつながる世界~

また、5G時代が到来することに合わせて、5Gの通信テクノロジーを他のITテクノロジーと効果的に統合し、業界全体に新しいビジネスチャンスをもたらそうというテーマから、大手企業からの講演がいくつかありました。

その中で特に注目を集めていたのが、本サミットのプラチナスポンサーでもあるIntelです。

『Intel』


Ms.Jennifer D. Panhorst氏の講演

インテルでは5Gを普及させる技術として「エッジコンピューティング」を取り上げていました。

  • 自動運転の制御やビデオアナリティクス ( 画像解析 ) など、低遅延で高速なレスポンスが要求されるアプリケーションに対応するためには、よりクライアントに近い環境である必要があることから「エッジコンピューティング」に注目している。
  • インテルの第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー(Code name: Cascade Lakeでは、5Gのためのパフォーマンス最適化が行われている

といった説明がありました。

『Media Tek』


Dr. Paul Liang氏の講演

MediaTekは5GデバイスのSoC ( System-on-a-chip ) の立場として、5Gで使用される周波数帯の候補には、「ミリ波帯」呼ばれる28GHzと、4Gで使われてきた3.6GHz以上3.7GHz~6GHz帯の「サブ6 GHz」の周波数帯域がターゲットになることを見据えています。
しかし、ミリ波帯は壁を貫通しないというデメリットがあり、実験では70%の信号損失が確認されています。
そのためMediaTekでは「サブ6 GHz」向けに5Gデバイスの展開を開始するとともに、まだ課題の残る「ミリ波帯」向けにデバイスの開発を進めています。

5Gの本格化については2020年がキーワードになっているのは皆さんご存知のとおりです。まだまだ先の未来のように思っていましたが、こういったSummitの熱気を肌で感じると、もうすぐそこまで迫っていることに改めて気づかされます。まさに5G時代の開幕前夜といった雰囲気でした。

実用化が期待される「自動運転」、「医療技術の遠隔提供」、「IoT技術を用いたオートメーション化」、「8K動画配信」、「VR/AR」、「スマートストアの普及」などなど、フィクションの世界でしか語られなかったような技術が手の届くところにあるということは、不思議な感覚ですが非常に楽しみです。
また、無線通信が様変わりするこのタイミングで、私たちがどのように関わりを持てるか?についても議論を続けていきたいと思います。