導入事例

社内ICT 佐賀県佐賀市さま|IoT|導入事例 総務省のICT事業への補助金を活用し、
鳥獣被害対策の効率化を実現
~ ジビエ肉としての活用率を向上、産業としての展開も
視野に ~

2011年から、全国約50の自治体に採用された鳥獣被害対策IoT
わなが動いたり、箱型のわなが閉まると、複数の登録先にメールで通知

これまでの課題
  • 猟師の高齢化もあり、山間部に設置したわなの巡回が困難。 ガソリン代もかかる
  • 電源の供給や新規ネットワークの構築など、監視装置の設置には莫大な初期投資が必要
  • わなの中で暴れた動物にダメージがおよぶ。 また誤って子供や保護動物がわなにかかってしまうことも危惧される
導入後の効果
  • IoTを活用した鳥獣わな監視装置により巡回の手間とコストを軽減
  • 電源は乾電池4本。既存のわなや携帯電話を利用するので格安。また導入には総務省の補助金を利用できる
  • わなの作動時、画像と共に通知されるので迅速な対応が可能に。公園や居住区域への設置も安心

脊振山系に位置する佐賀県佐賀市では、近年、野生鳥獣による農作物の被害が市内の広域に広がっており、その被害額は約1,700万円にもおよぶ。 佐賀市役所では、対策のひとつにわなを設置し野生鳥獣を捕獲するという方法を取るが、設置後の頻繁なみまわりに割かれる多くの人員と労力に悩まされてきた。 そこで“わなが作動するとメールで通知する”、株式会社NTTPCコミュニケーションズ (以下NTTPC) の「みまわり楽太郎」を導入し、鳥獣被害対策への労力を最小限に抑える環境を整えた。

背景と課題 年々増加するイノシシの捕獲頭数 被害額は年間1,700万円におよぶ

  • 佐賀市役所
    農林水産部
    農業振興課
    小柳 宣 氏

中山間地である佐賀市北部地域では、広範囲にわたり水稲、柑橘類、タケノコなどの農産物に大きな被害を受けてきた。 2013年の鳥獣全体による農作物被害額は1,710万円にもおよぶ。 また居住区域や公園にも出没するようになり、住民に危害がおよぶことも考えられる。佐賀市 農林水産部 農業振興課 農政係の小柳 宣 氏は語る。

「これまでワイヤーメッシュ柵などの敷設による侵入防止策を進めてきました。 ですが、農地に侵入できないとなると、今度は居住区域や公園に現れるようになります。 猟友会の協力を得て、捕獲での対策にも力を入れなければなりません。」

佐賀市では現在、箱わなを500基ほど設置している。 柑橘類を生産する山間部に仕掛けることの多いわなは、その巡回にも大変な労力がかかる。

「佐賀市で委託している猟師さんの中には、一人で数十基の箱わなを仕掛けている人もいます。 イノシシがかかっているか確認したり、餌を補充したり。 全て巡回するのはかなり大変ですし、ガソリン代もかかります。 捕獲すれば報奨金も出ますが、それではとても賄えないし、割に合わないという声も少なからずありました。」

佐賀市では「ICT 有害鳥獣捕獲推進事業」を立ち上げ、総務省の「ICT まち・ひと・しごと創生推進事業」に提案したところ、有識者による評価を受け採択された。 補助金の交付対象となった同事業だが、始動に際しては様々な障害があった。

解決策とその効果 「みまわり楽太郎」を導入後、わなの作動への迅速な対応が可能になった

遠隔地のわなを監視するための製品はいくつか存在する。 様々な製品の資料を取り寄せた小柳氏の前に、機能や予算、導入までの手間などの面で様々な障害が立ちふさがる。

「猟師さんもご高齢の方が多く、わなの巡回作業をどうにか軽減できないかと考えていたのですが、新たにネット環境を整備したり、猟師さんにタブレットを持ってもらう必要があったり、また導入に高額の費用がかかったりと、とにかくハードルが多くて…。」

そこで小柳氏が目をつけたのが、NTTPCの鳥獣わな監視装置「みまわり楽太郎」だった。 実物を見て説明を聞いたところ、その設計や機能のシンプルさに、これまで頭を悩ませていた数々のハードルが消え失せたという。

佐賀市では2016年12月に20台の「みまわり楽太郎」を導入。捕獲期間である4月からの本格運用に向け試行錯誤の段階だという。 「みまわり楽太郎」の設置自体は、杭を立てて本体を取り付け、箱わなの扉とセンサーを紐で結ぶだけ。 わなが作動すれば自動的に電源が入り、あらかじめ設定されている5つまでのアドレスにメールが送信される。

「設置そのものはとても簡単でしたし、設置後すぐにイノシシの捕獲に成功しました。 わなが作動すればメールで通知が来るので、すぐに対応することができ、わなが壊されたり、中で暴れたイノシシが傷つくというリスクを軽減することができるようになりました。」

現在は「みまわり楽太郎」の仕掛けがどういう状況で作動するのか、またどのような場合に誤作動を起こすのか。 カメラの向きや距離を調整するなど試行錯誤しているという小柳氏。

「わなの作動時に画像が送られてくるので、誤って子供や保護動物がかかってしまった場合もすぐに対処できます。 ということは公園や登山道にも安心して設置できる。 これは大きなメリットです。わなの稼働状況のデータ収集が容易になり、レポートの作成も簡単になりました。」

監視装置から送られてくるデータは自動的に蓄積されるため、わなの稼働状況を一目で把握できる。 これによって害獣の生息地や行動パターンなど、高精度な予測ができるようになることも期待できるという。

今後の展開 ジビエ料理への活用も視野に

これまで、わなにかかったイノシシの3割は、食用としては利用できない状態だった。わなにかかってから長時間放置されたり、処理施設に搬入するまでに時間がかかりすぎる場合が多いためだ。

「わなが作動した際の通知先に、食肉の加工施設の担当者も入れてあります。ジビエ肉は捕獲から処理までのスピードが命ですから。」と小柳氏は語る。これまでは年間約100頭のイノシシを食肉として加工していたが、処理業者からもっと頭数を増やしたいという相談を受けていたという佐賀市農林水産部では、「みまわり楽太郎」の導入によりイノシシ肉の活用率の向上と、産業としての展開も視野に入れている。

導入サービス みまわり楽太郎

組織概要

佐賀市

有明海から脊振山地までを縦断する広い市域を有し、「豊かな自然とこどもの笑顔が輝くまち」の実現を目指す佐賀市の行政事務を行う。人口234,453人、世帯数98,211世帯 (平成29年2月現在) 。

名称 佐賀市役所
住所 佐賀市栄町1番1号
市職員数 1,781人 (2016年4月現在)
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