建設業界のDXを推進する木内建設・東京本店が
BIMの実行環境としてVDIクラウド for デジタルツイン®を導入
木内建設株式会社さま
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ハイスペックパソコンにリモートデスクトップで接続していた時よりも快適という社内の声。IT環境の改善という意味で大きなプラスになっていることは間違いありません
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効果性能ストレスの解消によって、BIM活用に向けた社内風土を醸成
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導入サービスVDIクラウド for デジタルツイン®
課題と成果
- お客さまの課題
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- 首都圏ではマンション建設を主体にする東京本店で、BIMの適用や研修を進めるにあたって、BIMソフトウェア(Graphisoft社のArchicad)の実行環境の性能が不足
- BIM研修を進めるも会社配布パソコンがBIM利用スペックを満たしておらず、受講していた若手社員から意欲はあっても作業環境が適していないと苦情が上がるほどで、BIMの社内浸透のネックとなっていた
- 成果
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- VDIクラウド for デジタルツイン®の導入により、フラストレーションを感じない実行環境を整備
- BIM環境の整備も国土交通省の建築BIM加速化事業の補助対象であり、負担なく導入できた
- BIM以外にも、処理の重い積算業務などにも活用し、業務の効率化を推進
静岡県に本社を持つ木内建設は、首都圏のマンション建設を手掛ける東京本店におけるBIMソフトウェアの実行環境として、NTTPCの「VDIクラウド for デジタルツイン®」を導入した。リモートデスクトップで接続していた従来の実行環境では十分な性能が得られず、BIM研修などをスムーズに進められなかった。「VDIクラウド for デジタルツイン®」によって、ストレスのないBIM実行環境が確保されたほか、積算などの業務にも活用されている。
導入の背景
BIMの実行環境の性能が低く、社内浸透のボトルネックに
木内建設は木内組として大正10年(1921年)に静岡市で創業した。静岡県内での施工実績はトップクラスであり、エコパスタジアム、日本平夢テラス、グランシップ(静岡県コンベンションアーツセンター)などのランドマーク的な建築物をはじめ、様々な建設・土木工事を担当してきた実績を持つ。
1957年には現在の東京本店にあたる東京営業所を開設。公共的な施設や商業施設などが中心の静岡本店(本社)に対して、東京本店では主にマンションの建設を得意としている。
木内建設がBIM(Building Information Modeling、ビム)に着手したのは2015年のこと。静岡本店の設計チームがBIMソフトウェアとしてGraphisoft社の「Archicad」を導入し、複雑な木組み構造を持つ日本平夢テラスを筆頭に活用を進めてきた。
マンション建設が主体の東京本店でも、同時期に「Archicad」を導入し、2021年頃からBIMへの取り組みを本格的にスタートした。BIMを含めた同社のDX推進を担当する望月寿人氏は、「東京本店でも、対象の現場は絞っていますが、施工検討などでBIMを使い始めています。また、若手を中心に、研修の一環としてBIMに触ってもらうように取り組んできました」と説明する。
ただし、大きな課題が存在していたと同社の丹羽 潤氏は明かす。「BIMソフトウェアであるArchicadを動かすにはそれなりの性能のパソコンが必要です。しかし東京本店で各社員に支給されているパソコンはそこまで性能の高いものではなかったため、Archicadを満足に動かせる状況にありませんでした」。
対策として既存のデスクトップパソコンを利用し、リモートデスクトップで接続する環境を構築したが、それでも性能的にはフラストレーションが溜まる状況だったという。
導入の経緯
NTTPCが提供する高性能なクラウド実行環境を導入
BIMを社内に浸透させていくには、若い社員を中心に、触ってみたい、試してみたい、と思わせるような動作環境が不可欠と考えた同社は、Archicadの実行環境としてNTTPCの「VDIクラウド for デジタルツイン®」を導入した。
「取引のあるITベンダーから、クラウドと仮想デスクトップを組み合わせた『VDIクラウド for デジタルツイン®』というサービスがあるよ、と教えてもらったことがきっかけです」(望月氏)。
ここで挙がった「VDIクラウド for デジタルツイン®」は、NVIDIA®社が提供する高性能なGPUを中心に構成された、BIM/CIMなどの建設DXやCAD/CAEなどの製造DXに適した3Dモデル向けプラットフォームだ。リモートデスクトップに比べて画面遅延の少ないVDI(Virtual Desktop Interface)方式を採用している。仮想マシン(VM)単位の定額制として提供される。
NTTPCは2023年3月頃に木内建設に「VDIクラウド for デジタルツイン®」のデモを実施。その際に望月氏や丹羽氏らは、それまで同社の課題になっていたArchicadの応答性の問題は解消できるとの感触を得たという。
そののち、実際のArchicadを用いた2ヶ月ほどのトライアルを経て、2023年10月に正式契約に至っている。「『VDIクラウド for デジタルツイン®』は月額制で提供されるため予算化しやすかったことに加えて、国土交通省の『建築BIM加速化事業』 [*1]から補助金が受けられることもあって、導入を決めました」と望月氏は説明します。
なお、Archicadのクラウド上での利用については、提供元のグラフィソフトジャパンと協議の上で、木内建設が導入しているライセンスのうち一部を割り当てて運用している。
*1:建築BIM加速化事業:設計BIMモデルや施工BIMモデルの作成などに必要なBIMソフトウェアおよびハードウェア費用も補助の対象。詳しくは https://r5-6bim-shien.jp/
導入の効果
BIM研修がスムーズになり、積算業務などの効率化も実現
「VDIクラウド for デジタルツイン®」の導入により、東京本店では次のような効果が得られているという。
ひとつがBIM研修の効率化だ。「自社で導入したパソコンをリモートデスクトップで接続していた時に比べて、性能的に不自由がない、これなら使える、といった声が社内の利用者から聞かれるようになりました。IT環境の改善という意味で大きなプラスになっていることは間違いありません」と望月氏は述べています。
丹羽氏も、「BIMを進めるには、人材、組織構成、IT環境の三つが必要です。このうちIT環境について、今までは性能的に芳しくありませんでした。『VDIクラウド for デジタルツイン®』の導入後はスムーズに動かすことができ、BIMソフトウェアを触ってみたいという気持ちに繋がっています」と評価しています。
また、積算の担当者が高性能なパソコンとして「VDIクラウド for デジタルツイン®」を使うこともあるという。「積算を行うには様々なデータを参照しなければならず、会社支給のパソコンだと動作が重くなっていました。担当者に『VDIクラウド for デジタルツイン®』を紹介したところ、積算業務がサクサク進められるようになったと好評です」(丹羽氏)。
一方で、「VDIクラウド for デジタルツイン®」を使っていく中で課題も見えてきたという。「BIMのデータファイルに関して、セキュリティの観点からも、ログインした誰もがアクセスできる共有ストレージ空間と、特定のユーザーのみアクセスできる専用ストレージ空間、といったパーティショニングが必要になると考えています。NTTPCとも相談しながら運用方法を検討中です」と丹羽氏は述べている。
今後の展開
BIMのさらなる社内浸透と実案件への適用を目指す
丹羽氏らは、BIMで先行する静岡本店とも情報交換をしながら、東京本店でのBIMの浸透と活用にこれからも努めていく考えだ。「以前に比べればだいぶ周知はされてきましたが、まだ、自分の業務にどう関係するのか、といった捉え方をしている社員も少なくありません。東京本店が扱う一部の物件に実際に適用するとともに、研修や啓発も引き続き進めていきます」と丹羽氏は述べている。
BIMは、設計、積算、施工の各工程を横串でつないで効率を高めるとともに、物件に関わる様々な企業(施主、設計会社、施工会社、下請け企業、テナント、管理会社など)の間で情報や課題の共有を実現する仕組みでもある。望月氏はそのレベルに至るにはかなりの時間がかかるだろうと前置きした上で、少しずつBIMの活用範囲を広げていきたいと展望する。手始めに、ビューワソフトウェアとVRゴーグルを利用して、社外を含めてウォークスルーを見られる環境を検討している。
最後に望月氏は、「現在弊社は、日本全国の地方の建設会社107社が集まる建設DXコミュニティ『ON-SITE X』[*2]に参画し、その事務局を務めています。その活動の中で我々と同じ中小規模の建設会社の方から、これからBIM利用を検討している、もしくはBIMソフトウェアを導入してみたものの実行環境が不十分で活用に至っていない、といった声をよく耳にします。高性能なBIM環境を自前で揃えるのが難しい当社のような建設会社にとって、NTTPCの『VDIクラウド for デジタルツイン®』は課題を解決するひとつの選択肢であり、さらなる拡充を期待しています」と要望する。
NTTPCは、これからも建設業界のニーズを汲み取りながら、BIMの活用をサポートしていく。
*2:ON-SITE X:チャレンジングな地方建設会社と建設業に取り組むスタートアップの建設DXコミュニティ。
https://on-sitex.com/
※建設業界や土木業界が直面する課題やBIM/CIMの適用義務化については、「BIM/CIMの現状と展望 原則適用で加速する建設業のデジタル革新」というコラムにまとめてありますので、合わせてご一読ください。
https://www.nttpc.co.jp/column/network/bimcim.html
会社概要
1921年に静岡で創業し2021年に創業100周年を迎えた地方最大級のゼネコン。静岡県内では「日本平夢テラス」をはじめとする公共施設や商業施設などの建築を手掛けている。首都圏や中京圏にも事業を拡げており、東京本店では主に大手デベロッパー案件のマンションの建設を得意としている。
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会社名木内建設株式会社
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所在地本社:静岡県静岡市駿河区国吉田1-7-37
東京本店:東京都豊島区東池袋1-21-11 オーク池袋ビル6F -
資本金10億7,000万円
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売上高474億4,668万円(2023年8月期)
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従業員数456名(2024年3月現在)
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