次世代VPN
「Master'sONE CloudWAN®セキュアパッケージ」
で事業変化や拠点拡大に即応できる体制を整備
~製造拠点である富山工場の各棟に回線を増強~

富士製薬工業株式会社さま

  • #ネットワーク構築

回線の申し込みから開通までが劇的に短縮。
開通作業もエッジ装置を接続し、コントロールパネルの指示通りに設定を進めていくだけであっという間に。

富士製薬工業株式会社
富士製薬工業株式会社さま
  • 効果
    ネットワーク運用業務の効率化
  • 導入サービス
    Master'sONE CloudWAN®セキュアパッケージ

課題と成果

お客さまの課題
  • 組織変更や拠点増設に伴うネットワーク(WAN回線)の変更に、ときには数ヶ月もの時間が掛かっていた
  • 富山工場や本社においてプライベートIPアドレスの管理が煩雑であることに加え、人員の増加に伴いプライベートIPアドレスが枯渇気味となっていた
成果
  • 拠点単位のネットワーク変更を、通信キャリア側での工事を必要とせずに利用者タイミングで行えるようになり、柔軟なネットワーク運用を実現
  • コントロールパネルによってネットワーク構成やトラフィックが可視化され、運用ストレスが軽減
  • CloudWAN セキュアパッケージの導入を機に社内プライベートIPアドレスの再割り当てを実施し、アドレスの枯渇問題を解消

女性医療領域や急性期医療領域の医薬品を強みとする富士製薬工業さまは、外部ネットワーク(WAN)の構成変更の迅速化と社内プライベートIPアドレスの枯渇問題を解決するために、ネットワーク全体の見直しを実施。このうち外部ネットワーク(WAN)には、自由度の高いNTTPC社の「Master'sONE CloudWAN® セキュアパッケージ」を採用されました。ネットワークに関する課題への対処に加え、運用ストレスの軽減や業務効率の向上の実化も見据えて、2019年12月からMaster'sONE CloudWAN® セキュアパッケージ(以下、セキュアパッケージ)への切り替えを進め、2020年9月までにほぼ全社レベルでの適用を計画中です。

背景と課題

外部ネットワーク(WAN)の設定変更に時間を要し
組織変更への機動力に課題

富士製薬工業株式会社
経営管理部
経営管理グループ
システム統括課
リーダー 早川 健 氏
富士製薬工業株式会社
経営管理部
経営管理グループ
システム統括課
国島 正典 氏

富士製薬工業さまの概要を教えてください。

  • 早川氏
    富士製薬工業株式会社は1965年の設立で、現在は女性医療領域の医薬品や、急性期領域の診断薬、注射剤などを得意としています。本社は東京都千代田区に置いていますが、工場と研究所は医薬品産業で有名な富山県富山市にあります。

どのようなITシステムを構築しているのでしょうか。

  • 早川氏
    医薬品の開発、製造、および販売にあたっては、国内においては薬機法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)やGMP省令(「医薬品及び医薬部外品の製造管理および品質管理の基準に関する省令」)などの法律や法令が適用され、品質管理等に関する法令の遵守が義務付けられています。
    したがって、上記に関する情報を改ざんや漏えいなく管理するITシステムを構築し運用することが、われわれの部署の役割のひとつになっています。そこで、業務用のIT環境はインターネット環境とは基本的に分離し、たとえば研究開発センターや富山工場と、データセンターに置いたファイルサーバーとは、閉域環境としてネットワークを構築するなどの工夫を行っています。

数年前にネットワークの構成を一度見直したとお伺いしました。

  • 国島氏
    以前はメッシュ型のインターネットVPNサービスを用いて拠点やデータセンターを結んでいましたが、セキュリティをより高めていくべきと考え、2015年にNTTPC社が提供する「Master'sONE®」を導入し、それまでのインターネットVPNから、よりセキュアなIP-VPNに移行しました。ネットワークセキュリティをより高めたい、といった当社が当時抱えていた課題に対し、提案が的確で、費用も妥当であったことに加えて、担当の皆さんの対応も良く、安心して仕事をお任せできることから、NTTPC社を選定しました。
図:Master'sONE® 導入前のネットワーク構成の概略
Master'sONE® 導入前のネットワーク構成の概略。
各拠点から他拠点やデータセンター、クラウドファイルサーバーへの接続に時間を要していた。

Master'sONE®を用いたIP-VPNで運用を進めてきた中で、どのような課題が生じていたのですか?

  • 国島氏
    導入から数年を経過する間に従業員数や営業拠点数も増加し、いくつかの問題が浮上していました。
    ひとつが社内ネットワークのIPアドレスの管理問題です。たとえば富山工場では、外部から引いた一本の回線をルーターで受けたのち、各工場棟に光ファイバーで分配して社内ネットワークを構築していたのですが、過去からの経緯もあり、工場内のすべてのパソコンや機器は固定のプライベートIPを振り出して接続していました。そのため、IPアドレスの管理が煩雑で、パソコンや機器の増設や移動のたびに再設定が必要な場合もあり、しかもIPアドレスが不足気味になっていて、管理上の負荷が高くなっていました。
    同じことは東京の本社でも起きていて、無線LANで接続されるノートパソコンや業務用スマートフォンが増えるにつれ、やはりIPアドレスの管理と枯渇が問題になっていました。すなわち、富山工場に限らず全社レベルでのネットワークの見直しが急務となっていたのです。
  • 早川氏
    もうひとつ、拠点の増設などで回線の新規開通やネットワーク設定を変更する際に、ときには数ヶ月といった時間が掛かることがあり、業務の変化に対してネットワーク側が応えられていなかったという課題がありました。Master'sONE®が足回りとして使用しているキャリア回線(足回り回線)の手配の都合もあって、なかなか短縮が難しかったようです。そのため、業務の成長や変化にも迅速に対応できるように、ネットワークを見直す必要が出ていました。

解決とその効果

機動力の高さを評価し
Master'sONE®セキュアパッケージを採用

セキュアパッケージを導入した理由をお聞かせください。

  • 早川氏
    通信の品質としては2015年に導入したMaster'sONE®に問題はなかったのですが、前述したように回線の敷設や変更に時間を要するといった課題があったため、社内および社外のネットワークについて見直しを検討していました。そのタイミングで、2019年の夏頃だったと思いますが、NTTPC社の担当者から、回線の敷設や設定変更がきわめて簡単でスピーディに行える「セキュアパッケージ」という新しいソリューションがリリースされるという話を伺い、課題となっていた機動性の向上が実現できるのではないかと考えました。他社のソリューションも検討はしましたが、機能の核の部分で当社のニーズにもっとも近いのがMaster'sONE CloudWAN®セキュアパッケージだったのです。

プライベートIPアドレスが不足していたという課題にはどう対応したのでしょうか?

  • 国島氏
    ネットワークの見直しを機に、富山工場ではこれまで5棟ある工場全体で1回線を引いて、クラスCとしてプライベートIPアドレスを割り振っていたのを、棟ごとに個別に回線を引くとともに、クラスAで振り直して対応することにしました。複数回線を引くことで、外部との通信の冗長性を確保しようという狙いもあります。

ネットワークの切り替えはどのように進めたのでしょうか。

  • 早川氏

    2019年12月にパイロットとして、拡充した富山営業所の新オフィスにセキュアパッケージを導入しました。社内で導入を決めたのが同年9月ですから、従来は数か月以上も掛かることもあった回線の申し込みから開通までが実質2か月もかからずに完了したことになります。実際の開通作業も、NTTPC社から提供される専用のエッジ装置を接続したあとで、クラウド上のウェブ画面からコントロールパネルの指示通りに設定を進めていくだけで終わるなど、いわば「あっという間に」というぐらいに簡単でした。当社で設定できますので、管理がブラックボックス化することもありません。

    回線の敷設や設定変更に時間が掛かっていたこれまでとは違って、セキュアパッケージにしたことで、ネットワーク切り替えのスケジュールや拠点の増設の段取りが確実に組めるようになったと感じています。
    2019年12月の導入開始からまだ日が浅く、セキュアパッケージへの切り替えは全体の2割程度ですが、当社の期末である2020年9月末までには全社のほとんどを切り替えていく計画です。具体的には、東京本社は2020年2月から、また、富山工場は2020年8月から順次導入していきます。

  • 国島氏
    セキュアパッケージはウェブ画面から回線を注文できるのがひとつの特長で、申請書などの面倒な手続きも必要とせずに簡単にできてしまうので、驚きました。ネットワーク自体にトラブルは今のところなく、セキュアパッケージのコントロールパネルからpingやtracerouteなどのコマンドも打てますので、疎通確認も簡単に行うことができました。
    ただ、プライベートIPアドレスのクラスCからクラスAへの変更と振り直しもありましたので、業務に影響が出ないよう、NTTPC社とも相談しながら、事前検討はかなり入念に行っています。

今後の展開

外部クラウドサービスも活用しながら情報セキュリティの確立を目指す

現時点ではセキュアパッケージの導入および切り替え着手からまだ日が浅いということすが、どのようなメリットが得られていますか?

  • 国島氏

    先ほど早川も説明したように、回線の追加変更のスケジュールが事前に把握できるようになったのはひとつのメリットとして感じています。また、セキュアパッケージはコントロールパネルを通じて自社でネットワーク全体を管理できますので、ブラックボックスとはならず、ストレスが減って安心して管理できるようになりました。なお、現時点では移行準備と作業が忙しく手が回っていませんが、いずれはコントロールパネルを通じたトラフィックの分析や監視も進めていきたいと考えています。

    また、従来利用してきたMaster'sONE®は、同じ富山県内同士の通信でも西日本のゲートウェイをいったん経由する仕組みになっているため、厳密にはわずかな遅延が発生していました。一方のセキュアパッケージはそのような折返しなく拠点間を最短で通信できると伺っていますので、レスポンスやスループットの向上が得られると期待しています。今後は性能についても評価していく予定です。

図:ゲートウェイでの中継が発生しないMaster'sONE CloudWAN®セキュアパッケージ
ゲートウェイでの中継が発生しないMaster'sONE CloudWAN®セキュアパッケージ

今後の展望をお聞かせください。

  • 早川氏

    まずはセキュアパッケージへの移行を進めて、組織や業務の変化に対してネットワークの構成変更が足かせにならないように、機動性を高めていきます。合わせて、社内ネットワークの見直しによって、IPアドレスの問題にも対応していきます。
    中長期的には、情報管理やセキュリティはこれまでどおり徹底しながらも、外部のクラウドサービスをどのように業務に組み込んでいくかが課題になると考えています。というのも現在のITシステムではクラウドサービスの活用がマストになってきているためで、実際にいくつかの業務アプリケーションサービスの利用も始めています。

    変化と競争の激しい医薬品業界で、レガシーの課題を解決しながら、新しいITの姿を打ち出していくことが、情報システムを担当するわれわれシステム統括課の使命であると考えています。東京本社だけではなく富山工場にも専任のスタッフを置くなど、体制の強化も進めています。
    その意味でも、NTTPC社のソリューションや提案にこれからも期待しています。

左から 経営管理部 経営管理グループ システム統括課 国島 正典さま
経営管理部 経営管理グループ システム統括課 リーダー 早川 健さま

会社概要

富士製薬工業株式会社

医療用医薬品の開発・製造・販売を業務とする、富士製薬工業。1965年の設立から50年以上にわたり、「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活に貢献する」「富士製薬工業の成長は私たちの成長に正比例する」という経営理念のもと医薬品の製造販売事業を通し、健康を願うすべての人々の生活に貢献しています。

  • 会社名
    富士製薬工業株式会社
  • 事業内容
    医療用医薬品の開発・製造・販売(注射剤、内用剤、外用剤、診断薬)
  • URL
  • 本社
    東京都千代田区三番町5番地7 精糖会館 6F

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