セキュアなIoTクラウド基盤で、ビジネスモデルを構築。~ 初期投資を抑え、ユーザ価値の高い新規事業の創出へ ~

株式会社Looopさま

  • #モバイルM2M
  • #クラウド

太陽光発電キットの販売から、監視・保守、
データの収集・蓄積・活用サービスの提供へ。
新たなビジネスモデルを創出したことにより、契約者は倍々で増加。

これまで現地での保守対応が重荷となっていたが、モバイルM2Mによるリモート故障検知ができるようになったことで、サービス品質が大幅に向上。

株式会社Looop
株式会社Looop
株式会社Looopさま
  • 効果
    効率的なリモート監視を実現
  • 導入サービス
    カスタムクラウド|Master'sONEモバイルサービス

課題と成果

発電ストップのリスクを最小限に抑え、
安定して発電を実現するためのサービス基盤構築

お客さまの課題
  • オンサイトでしか故障切り分けができないため、迅速な対応がとれない。
  • 少人数体制のため日々保守対応に追われ、新システム開発のための時間がとれない。
  • サービスが軌道に乗るまで、システム開発への投資はできるだけ抑える必要がある。
成果
  • モバイルM2Mリモートによるリアルタイム故障検知が可能となり、サービス品質が向上。
  • サービス基盤をアウトソースしたことにより、新システム開発に専念できる体制に。
  • 初期投資を抑えつつ、高セキュリティのサービスを導入できたことで、契約者へ高機能の監視システムを安価に提供できるように。

太陽光発電システムの開発・販売・設置・管理、そしてメンテナンス事業を展開する株式会社Looop(以下Looop)では、発電所を24時間365日遠隔監視できるサービス基盤「みえるーぷ®」を、株式会社NTTPCコミュニケーションズ(以下NTTPC)のSE支援のもと構築。このシステムにより、太陽光発電所所有者へのサービス向上を実現した同社では、新規契約が月100台ペースで順調に増加しているという。

背景と課題

サービス品質向上のため、迅速な保守対応を実現したいが、
コストの壁が立ち塞がる...

間近に迫った電力の自由化に向け、急速に需要が高まる太陽光発電。最近では、環境貢献できる投資として発電所を所有する個人や企業も少なくなく、太陽光発電に必要な部材を手軽な"キット"としてパッケージ販売するLooopへの注目もますます高まっている。しかし、契約者が増加するにつれ、より質の高いサービス提供が課題として浮き彫りになっていった。

故障発生時の迅速な対応が必要不可欠。しかし、少人数によるオンサイト対応では限界が...

株式会社Looop事業本部
営業企画部
相川 正昭 氏

Looopでは、現在のような高機能の遠隔監視システムみえるーぷを本格稼働させる前に、発電量の計測機能や故障アラート機能をもつ簡易的な太陽光発電監視システムを自社で開発・提供していた。

「以前のいちばんの課題は、もし監視システムの不具合が発生した時に、ソフトウェアのアップデート等現場に出向いて対応しなければならないことでした。特に大規模な発電設備ほど遠隔地に存在するため、往復するだけで丸1日かかることもありました。その間、発電は監視できていないので、万が一停止していた場合、発電量に影響が出ていました」(相川氏)

何かトラブルが起きた際には、できるだけ迅速に対応することがビジネスの鉄則。しかし、メンテナンス対応にあたる技術者の人数も限られている。しかも、電力の自由化に向け、これから需要の拡大が大いに期待される同社の事業。独自に保有する技術リソースは、故障対応ばかりでなく、できるだけ新システム開発に向けさせたいというジレンマもあったという。

いかに低コストで、いかに顧客満足度の高いサービスを提供していくか...

株式会社Looop事業本部
O&M事業部
中山 光博 氏

「電力の自由化という追い風はあるものの、私たちの企画したサービスが軌道に乗るか、当時は手探りの状態でした。なので、システム開発への投資はできるだけ抑えたいという課題もありました」(中山氏)

リモートによる正確な故障箇所の把握ができれば...。だが問題は大きく2つ。保守対応のため固定IPの取得が必要となることによる通信コストの増大と、インターネット経由の情報漏えいを防ぐ高セキュリティをいかにして担保するかだった。

「様々な通信事業者に打診しましたが、各社グローバル固定IPの取得は必須の条件でした。インターネットVPNでは管理と運用の負荷がかかり膨大な支出をかけてまで実現すべきかどうか、コストと顧客サービスの狭間で、正直、悩みに悩んでいました。そんな時に出会ったのが、NTTPCさん。セキュリティが高く2つの課題を解決する提案がMaster's ONE®のモバイルサービスでした。」(中山氏)

解決とその効果

NTTPCと協働し、
統合的な監理サービスプラットフォームの構築へ

NTTPCのネットワークソリューションであるMaster's ONEのモバイルサービスを活用することで、リアルタイムな故障検知実現の前に立ち塞がっていた通信コストの"壁"を打ち破った同社は、契約者がいつでもどこでも所有する発電所の状態が見える、高機能の遠隔監視システムを統合した監視サービスプラットフォームの構築に着手。更なるサービス品質の向上を目指し、矢継ぎ早に次なる一手へと歩を進めた。

通信とクラウドの組み合わせ方まで含めた総合的な提案は、NTTPCならでは

NTTPCとの出会いにより、低コストでの遠隔監視と監視装置のアップデート機能等に目処を立てた同社だが、NTTPCからの提案は、単に通信インフラの整備に止まっていなかった。

「太陽光発電所の発電量などのデータを自動でクラウド上に構築したプラットフォームに蓄積。発電所の所有者は24時間365日監視できるだけでなく、過去の発電量データや天気予報データなどと照らし合わせて発電量の予測もできる。この機能に監視装置のアップデート機能等の仕組みも合わせた、いわゆる統合的な発電所システム監視サービスプラットフォームの構築を提案してくれました。しかも、セキュリティは高いレベルで担保されている。このサービス基盤部分をアウトソースすることにより、我々は様々な新システム開発に専念できる。メリットは大きいと感じました」(相川氏)

顧客の抱えた課題を踏まえ、「こうすれば、もっと良くなる」と、通信とクラウドの組み合わせ方まで含めた総合的な提案を行えるのは、様々なネットワークソリューションプランをもつNTTPCならでは。だが、従来ならこれだけのサービスプラットフォームの構築には、数百万~1000万円クラスの投資が必要となり、その分、サービス契約者の負担へ大きく跳ね返りかねない。

「NTTPCが保有するクラウド上にプラットフォームを構築することにより、インフラ構築費用はかなり抑えることができ、通信コストも削減できる。このような条件があったからこそ、現在のみえるーぷを提供することができています」(中山氏)

このサービス基盤があるから、月100台ペースで契約が増加

こうして、Looop独自の発電所監視サービスプラットフォームみえるーぷは、NTTPCからの技術的な支援を受け、2014年3月、無事サービスインの日を迎えた。

「現状のみえるーぷのような統合的な監視サービスプラットフォームを構築するという構想は、私たちのなかにもありました。ただ、どうすれば構築できるかという手段がないまま、目先の保守対応に走り回る日々でした。(相川氏) きっかけは通信コストの相談だったのに、このように私たちの期待を上回る、プラットフォームを含めたきめ細かい提案とSE支援をしてくれた。今現在、月100台ペースでみえるーぷの契約が増えているのも、NTTPCさんなしではありえなかったと思います」(中山氏)

NTTPCと協働し、統合的な監理サービスプラットフォームの構築へ

今後の展開

状況確認やトラブル対策として監視カメラの設置も。
風力・地熱発電への応用も視野に

今後の新たな展開としては、監視強化として、監視カメラの設置が検討されている。監視カメラで撮影されたデータ量の多い映像の通信環境整備にも、NTTPCとの協働体制がすでにとられているという。

「設営された発電所は、無人で、遠隔地にあることも多いです。太陽光パネルが草木によって隠れてしまっていたり、破損などのトラブルが発生していることもあります。そのような時には、映像で確認できることが何よりの対策になると考え、監視カメラの設置は、近いうちに是非実現したいサービスです」(中山氏)

また、同社の発電所ビジネスは、太陽光発電に止まらず、風力・地熱・バイオマス・水力といった多様な自然エネルギーへと広がりつつある。それらの発電所ビジネスを成功させるためには、これからもNTTPCとのパートナーシップは欠かせないと、相川氏、中山氏は口を揃えて語った。

会社概要

株式会社Looop

「自然エネルギーをあなたのそばに」を企業スローガンに、2011年4月に設立。主な事業内容は、

  • 太陽光発電システムの開発・販売・設置・管理
  • 自社太陽光発電所の設置・管理
  • 独立型太陽光発電システムと周辺機器のインターネット販売
  • 風力発電システムの開発・販売・設置・管理
  • 自然エネルギーを使用した商品の企画・開発・販売 など。

社名のLooopは自然エネルギーを使った循環(ループ)型社会を目指して命名。またo(オー)の文字が3つ並んでいるのは、太陽光・風力・水力をメインにして事業に取り組む同社の姿勢を表現している。

  • 会社名
    株式会社Looop
  • 事業内容
    太陽光発電システムの開発・販売・設置・管理など
  • URL
  • 本社
    【本社】
    〒113-0033 東京都文京区本郷4-1-4 常和本郷ビル
  • 資本金
    4億9900万円 (2015年6月1日現在)
  • 設立日
    2011年4月4日

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カスタムクラウド®

カスタムクラウド®に、太陽光発電所監視サービスプラットフォームを置き、トータルVPNソリューションであるMaster'sONE®によって、クラウドのパフォーマンスを最大限に発揮できるネットワークを構築。発電所の発電量をクラウド内DBへ自動送信するためにモバイルM2Mも活用。

Master'sONE®ネットワーク

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