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データセンターのハウジングとは? 利用メリットや注意点などを解説

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データセンターの設備のうち、サーバーを設置するラックおよび関連設備(通信回線、電源など)を貸し出す「ハウジング」サービス。今回はハウジングについて解説し、コロケーションやクラウドとの違い、ハウジング導入時のメリットや注意点を紹介します。

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目次

データセンターのハウジングとは

「ハウジング(housing)」という言葉を英和辞典で調べてみると、「住宅」「住宅供給」「機械を覆うカバー」など様々な意味があることが分かりますが、ことITにおいてはデータセンターが提供するサービスのことを指します。具体的にはデータセンターの設備のうち、サーバーを設置するラックおよび関連設備(通信回線、電源など)を貸し出すサービスで、自社内にサーバーを設置して運用するオンプレミス運用と比較してコスト面やセキュリティ面などでメリットがあることから採用する企業が増加しています。
今回はIT分野の「ハウジング」について解説します。

ハウジングとコロケーションの違い

ハウジングと似たサービスに「コロケーション」があります。
どちらもデータセンター内にサーバー設置スペースを借り受けるサービスであること、サーバーは自社で用意するためその所有権も自社にあることなどの共通点があります。そのため、同じような意味で使用されることもありますが、一般的にハウジングがラック単位など小規模な単位で借り受けるのに対し、コロケーションは部屋単位など大規模な単位でスペースを借り受けることが多いという違いがあります。また、コロケーションではインフラの運用は自社で行う必要があります。
コロケーションについて詳しくは「コロケーションとは?サービス形態の違い・メリット・選び方を紹介」を参照してください。

ハウジングとクラウドの違い

クラウドもサーバー関連のサービスとしてハウジングとともに語られることが多いサービスです。
両者の一番の違いは「設置する機器の所有者は誰か」という点です。ハウジングではサーバーなどの機器は自社で用意するため、所有権は自社にあります(自社が資産を持つ)。それに対し、クラウドでは自社で機器を用意する必要はありませんが、サーバーの所有権はサービス提供者にあります(サービス提供者=事業者が資産を持つ)。
また、コスト面でも違いが生まれます。ハウジングでは機器を購入するなど初期料金がかかりますが、以降の運用料金はラックのレンタル料などの利用料のみです。一方、クラウドでは特にスモールスタートであれば初期料金を抑えることができますが、将来的に運用規模を拡大していけば当然運用料金も増大します。
例えば大容量のストレージを5年間使用するケースを考えて見ると、機器購入料金・ラックのレンタル料を考慮したとしても、クラウドと比較してハウジングのほうがトータルコスト面で安価となるケースが多いでしょう。

ハウジングを利用するメリット

ハウジングの利用により得られるメリットをいくつか紹介します。ただし、ハウジングのサービス内容は事業者により異なるため、当てはまらないサービスもあることに注意してください。

コストを抑えられる

オンプレミスサーバーの維持管理時に発生する様々なコストを抑えることができます。具体的には電源設備・冷却設備などの設備にかかる料金および電気代、セキュリティ対策を含むサーバー運用に関わる人件費などです。さらにサーバーをデータセンター内に移設すれば自社内のサーバールームなどのスペースも不要となります。

セキュリティを強化できる

ハウジングサービスを提供するデータセンターには、様々な物理的セキュリティ対策が施されています。具体的にはIDカードや生体認証による厳格な入退出時管理、不審者侵入防止対策などです。自社内のサーバールームと比較すると、一般的なレベルよりも高度なセキュリティ対策が期待できます。

常に監視できる

多くの場合、データセンターには専門のスタッフが24時間365日常駐し、機器の監視を実施しています。また、必要に応じて自社スタッフの立ち入りも可能です。そのため、万一の障害発生時にも迅速な対応が可能です。

BCP対策になる

ハウジングはBCP(詳しくは「BCP(事業継続計画)とは? 意味や策定方法をわかりやすく解説」を参照)対策上も有効です。一般的にデータセンターは災害に強い場所に立地しており、また建物自体も免震・液状化対策などが施された堅牢な造りになっています。さらに停電発生時用に自家発電設備なども備えており、万一の災害発生時にも業務停止のリスクを抑えることができます。

安定的にサーバーを運用できる

データセンターが備えた大容量の高速回線を利用できることもメリットのひとつです。トラフィックが急激に増加した際にもサーバーの停止や通信遅延を避けることができ、安定的にサーバーを運用できます。また大容量電源など、そのほかの設備やトラブル対応体制が整っている点も運用の安定性につながるといえます。

自由度が確保される

ハウジングはラックを借り受けるサービスですから、設置する機器はお客さま自身でスペックや容量などを考慮して自由に選定することができます。また、オンプレミス同様、自社の事情やポリシーに沿ったサーバーの設定や設計を行うことも可能です。クラウドなどと比較すると運用の自由度を確保できるというメリットがあります。

ハウジングを利用するにあたっての注意点

一方、ハウジング利用にあたっては次のような注意点もあります。

コストが一定額かかる

ハウジングの導入には初期料金に加え、月額利用料、回線料などのコストがかかります。先ほどオンプレミスと比較してコストを抑えられるというメリットを紹介しましたが、管理する機器数などによっては自社で運用した方がコストを抑えられるケースもあるでしょう。

自社でも作業をする必要がある

ハウジングはいわば「自社のサーバーをデータセンターに預ける」サービスですから、基本的にサーバー自体の管理作業は自社で行う必要があります。また、機器の設置作業も自社で行うため、クラウドと比較して利用までに時間がかかる可能性もあります。

データセンターへの移動が発生する

BCPの観点からは自社から遠く離れたデータセンターを選んだほうが有利ですが、データセンター内での作業が必要な場合は従業員がデータセンターへ足を運ばなければなりません。到着までに時間を要するデータセンターを選択してしまうと、メンテナンスや機器の更新時に不都合が生じます。

サービスは事業者ごとに異なる

ハウジングに関するサービス内容は事業者ごとに異なります。自社にとって必要なサービスが提供されていないと運用に支障をきたす場合がありますので、自社の事情や上記の注意点なども確認した上で、各サービスを比較検討して選定しましょう。

ハウジングのサービス選定時にチェックしておきたいこと

ハウジングサービス選定時に特にチェックしておきたいことを3点あげておきます。

基本サービスの内容

まずは基本サービスについて確認します。料金体系に加え、貸し出し単位(1ラック・1/2ラック・1/4ラックなど)、1ラックあたりの電源容量、利用可能な接続回線、作業スペースの貸し出しの有無など、詳細を含めて確認しましょう。

オプションの種類

リモートハンド作業や監視など、ラック内の機器運用を支援するサービスや、データセンター利用時にほぼ必須となるインターネット接続に関するサービス、その回線に付随するIDS・IPSやWAF、DDoSなどのネットワークセキュリティサービスなど、事業者によってオプション内容は様々です。必要なサービスが用意されているか確認しましょう。

災害やセキュリティ対策の詳細

災害やセキュリティについて、具体的にどのような対策を取っているかもチェックしておきます。災害については停電対策(自家発電設備の有無など)や地震対策(耐震・免震構造)、火災対策(消火設備など)など、セキュリティについては入退出時の認証方法、機器の監視体制などを確認しましょう。

NTTPCコミュニケーションズの都市型データセンター「WebARENA® Symphony」

NTTPCの「WebARENA® Symphony」は、ISPサービスを提供するNTTPCだからこそ実現できる高速・低遅延・セキュアなネットワークを備えたインフラとファシリティ充実の都市型データセンターです。東京・大阪の中心エリアに位置しているためアクセスしやすく、機器の入れ替えや緊急対応時にも短時間での来訪が可能です。
地下全体に免震装置を設置することでビルと地盤と切り離し、建物に地震の揺れを直接伝えない構造を実現。震度7クラスまで耐えうる免震性能を備えています。また、入館・退館時には生体認証やフラッパーゲートなど複数の設備でセキュリティを管理。強固なビルセキュリティを実現しています。
中でも勝どきデータセンターでは1ラックあたり最大8kVAまで供給可能。GPUサーバーなどの高スペックな機器でもラックの利用数を抑えて効率よく機器を搭載できます。
ハウジングサービスの導入を検討している場合には、まずはお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

今回は「ハウジング」がデータセンターの設備のうち、サーバーを設置するラックおよび関連設備(通信回線、電源など)を貸し出すサービスであること、またコロケーションやクラウドとは異なるサービスであることを解説しました。
また、ハウジングを導入すると「コストを抑えられる」「セキュリティを強化できる」「常に監視できる」「BCP対策になる」「安定的にサーバーを運用できる」「自由度が確保される」などのメリットが得られること、利用にあたっては「コストが一定額発生する」「自社でも作業をする必要がある」「データセンターへの移動が発生する」などの注意点があること、さらにサービス選定時には「基本サービスの内容」「オプションの種類」「災害やセキュリティ対策の詳細」などを確認すべきであることを説明しました。
「オンプレミスと同等の高い自由度を確保したいが、サーバーの運用管理負担を減らしたい」という場合には、ハウジングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※ICT Digital Columnに記載された情報は、リリース時点のものです。
商品・サービスの内容、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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