技業LOG
目次
はじめに
今回は2024年2月26日~2月29日の4日間にわたり、バルセロナ(スペイン)で開催された、世界最大級のモバイル・IoT・XR関連展示会『MWC2024』に現地で参加しました!現地で視察した内容をレポートします。
世界最大級のモバイル・IoT・XR関連展示会『MWC2024 in Barcelona』とは
MWC2024公式サイト:https://www.mwcbarcelona.com/
モバイルキャリア、端末メーカー、テクノロジープロバイダー、コンテンツ制作会社など、各社のキーパーソン達が一同に集う、カンファレンスと展示会の複合型イベントです。新型コロナ禍の時期は開催されなかったものの、基本的に毎年2月ごろにバルセロナで開催されています。当社は2月26日~2月28日の3日間、現地で参加しました。
5Gユースケース・6G開発動向、IoT、AI/人工知能など、今年もモバイル技術の最新トレンドが展示されていました。私達が注目したポイントをレポートします!
『MWC2024』視察の目的
今回、私達が『MWC2024』に参加した目的は、主に次の2点です。
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①技術調査:最新のモバイルテクノロジーやITビジネスを調査し、当社のモバイルビジネス展開や開発に寄与する技術と、その開発元のベンダーについて深く理解すること。また、今後に向けた情報収集とサービスの検討などに役立てること。
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②市場動向の把握:最新のモバイル市場動向や競合情報を把握することで、サービス戦略や新たなビジネス機会の発見に利用すること。
『MWC2024』展示内容
ほぼすべての展示において、『AI』をプロダクトに組み込んでいる点が見受けられました。特にセキュリティ商材に関しては、AI/IoT関連のソリューションが多く、その需要が高まっていることを実感しました。
特に注目されていたのが、AI/生成AIを活用したソリューションや、5/6Gを技術ベースにした活用事例です。モバイル・インターネットの速度がこれまでより劇的に速くなることで、仮想現実や拡張現実から自律走行車まで、あらゆる可能性が広がっていくのだなと感じました。こうした新しい技術の展示を直に見ることで、新たな当社のサービス展開について考えるきっかけを得ることができました。
他にも、オペレーション効率化やデジタルトランスフォーメーションに関するソリューションなどをテーマにした展示があり、当社内での業務フロー改善や、その業務フロー改善による、よりよい働き方をイメージすることができました。
顧客データ、提供サービスデータ、請求データなど、今まで様々な媒体で管理してきたものを一元管理することで、これらの業務フロー改善によるよりよい働き方をイメージすることができました。
具体的には、社員にデータを活用したよりよい提案ができるようになる、業務効率のアップ、業務内のミスの低減というメリットがあると感じました。
また、お客さまにはよりよい質のカスタマ―サービスを受けられるというメリットがあるように考えられました。
『MWC2024』というイベント名と開催地が欧州であることから、海外企業ばかりが出展しているような印象を持っていました。しかし、事前に調べてみると日本企業も多く出展していることが分かりました。現地には株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、日本電気株式会社(NEC)など、他15社が出展し、それぞれが推進している最新技術についての展示や講演を実施されていました。
私達が訪問したブースと、その展示内容の概要を一部紹介します。
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①
同社の手掛ける様々なソリューションが展示されていました。
- 『MWC2024』の全会場エリアにおけるトラフィックマネジメントの見える化・セキュリティ商材(Cisco Umbrella)の実装例
- コロケーションおよびAWSなどのパブリッククラウドを一元可視化する、ハイブリッドクラウド管理ソリューション
などを現地で紹介してくださいました。他にも、基本的なNW装置から高度なNW運用に至るツールまで、幅広く展示していました。
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②Google Cloud Platform
https://cloud.google.com/blog/topics/telecommunications/google-cloud-ai-and-mwc24
AIを活用した顧客問い合わせソリューションが展示されていました。このソリューションは、自然言語処理技術を利用して顧客の問い合わせを自動的にチケット化することでオペレータの対応を支援するというもので、その様子を説明・紹介してくださいました。
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③国立研究開発法人情報通信研究機構(*以後、NICTと記載)
https://beyond5g.nict.go.jp/event/event20240226.html
NICTのブースでは、Beyond5Gに向けた基礎動作の説明と未来像の提案、高周波転送事例のデモの様子が展示されていました。
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④日本電気株式会社(*以後、NEC と記載)
https://www.nec.com/en/global/solutions/5g/mwc/2024/index.html
"NEC's AI Technologies and Networking Strengths"をテーマに、生成AIなどのAI技術と、地球規模でつながるネットワーク構築力を通じて、新たな社会の構築を支えていくソリューションの展示がありました。
株式会社NTTドコモとの共同出資によるOpen RAN事業の発表や、NECの得意とするAI展開例として、1m堤防の費用対効果シミュレーションの説明してくださいました。
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⑤Salesforce, Inc.
https://invite.salesforce.com/salesforceatmwc2024
AI(Einstein)をCRMに導入したソリューションのデモが行われていました。
たくさんのブースがあり、Salesforceの方が各ソリューションについて丁寧に説明しており、非常に賑やかな様子でした。
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⑥ServiceNow, Inc
ServiceNow, Incブースでは、Order Management for Telecommunications (OMT)ソリューションについて紹介いただきました。OMTとは、商品やサービスの定義、そして注文処理の手順をどう設定するかを決め、それをシステム化するソリューションです。
例えば、担当者が顧客のサービスオプションや注文を個人のエクセルファイルで管理している場合、OMTを使えば、そのような作業を会社のシステムで行うことができるようになります。
ここでは、組織の運用管理を効果的にするための総合的なソリューションを見ることができ、ServiceNow, Inc プラットフォームの様々な機能と柔軟性を活用しながら、企業内組織の要件や目標に合わせたカスタマイズや拡張が可能であることを知ることができました。
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⑦
株式会社NTTドコモのブースは他社の展示と比較して、体験型の展示が多くある印象でした。
「6G」「Open RAN」「XR」の3つの展示テーマがあり、昨年から発展を遂げた技術について紹介していました。講演会場では、株式会社NTTドコモと NEC Corporation がOpen RAN展開のための新会社を立ち上げる発表を行っていました。
特に注目したのは、「人間拡張基盤®」を用いた「FEEL TECH®」のデモンストレーションと、「XR」における株式会社NTTコノキューデバイス (グラス型XRデバイス)のコンセプトモデルの出展です。
次の画像は「人間拡張基盤」(「FEEL TECH®」)を用いた味覚共有体験をしている様子です。
他人がトマトスープを飲んで感じた味わいを、人間拡張基盤技術を用いて共有して味わうという体験会を行っていました。子供と大人で感じる味覚はやや異なりますが、子供が感じた味覚を大人に共有し、その後、大人が感じた味覚を子供に共有するというものです。残念ながら当社メンバは体験できませんでしたが、斬新な展示だと思いました。
次の画像はXR体験(株式会社NTTコノキューデバイス (グラス型XRデバイス))の様子です。
XR体験では、画像のように顔と手にデバイスを装着し、モニターに映る犬に触った感触を直に体験できるようになっていました。
まとめ
現地で参加した私達にとって『MWC2024』は、IT/モバイル業界への期待を感じさせるイベントでした。多様なメーカー各社が、AI/生成AIを活用したオペレーションを展示されており、現地でしか得られない昨今の進展スピードの凄まじい情勢について、肌身に感じられる機会となりました。
また、今回はモバイル関連技術のみならず、IoTやXRにおける実装例なども間近に見ることができました。
これらの刺激的な経験を活かし、当社においても、より良いサービスを提供できるよう努力して参ります。さっそく2024年度上期よりは、新しいネットワークサービスの提案と検討、展開に取り組む予定です。
具体的には、AI/IoT関連サービスの検討を加速し、デジタルツインの適用事例の調査を実施していきます。また、小規模事業者やスタートアップでも利用できるDXの検討も行います。さらに、今回訪問したブースの各社とは引き続きコミュニケーションを図り、当社内のOSS/BSSの変革を進めていきます。
これらを通じて、より効率的な業務運営やサービス提供を実現していこうと考えています。新たなサービスの展開や当社の現サービスの向上に向け、今回の『MWC2024』の現地視察で得られた知見を活かして、更なる成果を上げていきます。2024年今後も当社サービスは、お客さまの毎日を豊かにする一助となるよう発展していきますので、ご期待ください。
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※AWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
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※Salesforce1、Salesforce、Chatterおよびその他はセールスフォース・ドットコムの商標です。
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