入社1年目社員の「JANOG53ミーティング」レポート

【技業LOG】技術者が紹介するNTTPCのテクノロジー

2024.06.06
その他
田 啓文

インフラエンジニア
田 啓文

はじめに:「JANOGミーティング」とは

はじめまして、入社1年目社員の田です。普段はネットワークインフラエンジニアとして、当社VPNサービス「Master'sONE®」の構築や保守運用などの業務を担当しています。

2024年1月17日から博多で3日間開催されたJANOG53ミーティングに参加しましたので、現地で学んだ経験や参加したセッションについてレポートします!

JANOG(JApan Network Operators' Group)は、日本におけるインターネットネットワークオペレーターのコミュニティであり、インターネットに関連する技術的な事項や運用についての情報交換、議論、知識の共有を行っています。企業、研究機関、大学など、様々な背景を持つ技術者や専門家が参加しており、日本国内におけるインターネットの健全な発展と技術的な進歩を促進している団体です。

「JANOGミーティング」は、年2回開催されるJANOG参加団体が一堂に集まるイベントです。インターネット技術に関する専門家同士での深い議論が交わされます。

入社1年目の新入社員である私にとっては非常に難しい内容もあり、初めての出張だったのでとても緊張しましたが、現地で参加することで、現在のホットトピックや最新情報を得ることができ、会場の様子や専門家の話を直に聴ける貴重な経験ができました。本記事では、その中でも印象に残った議論を紹介します。

写真は JANOG53ミーティング フォトアルバムより

セッション:海外で日本のやり方が通用しないの、なぁぜなぁぜ?
~東南アジアでのインターネットインフラ構築の実例から、グローバルでのオペレータ交流を考える~

中国出身である私が来日してから約五年間経ちますが、今でも日本と中国の文化の違いを感じることがあります。
今回、JANOGミーティング内で行われた議論「東南アジアでのインターネットインフラ構築の実例から、グローバルでのオペレータ交流を考える」を紹介します。
日本企業が東南アジアにサービス用ネットワークインフラを構築した事例を取り上げ、「海外」と「日本」の文化の違いや考え方の違いについて触れるテーマです。個人的にも非常に興味深いテーマのため、参加しました。

具体的な議論の内容は、「BBIX社がフィリピンでIXサービスを提供するために、フィリピンでのデータセンター・ネットワーク構築に取り組んだ際に直面した課題」についてと、「NTTインドネシア社がJKT-IXを成長させる際に直面した課題」についてでした。

BBIX社の実例の中で、フィリピンと日本の文化の違いにより予期せぬ困難に直面することが多くあったとのことで、例えば、ネットワーク機器の輸出入や交通事情などの問題、言葉の定義の違いや、従業員の働き方の相違などがあり、日本のやり方が通用しないケースが多くあったようです。

とりわけ、品質・納期・予算に関して、フィリピンと日本との間に大きな違いがあることが強調されていました。日本では、「品質」を最重視する傾向にあり、納期や予算は後回しにされることもあります。

しかし、フィリピンでは品質よりも「納期」や「予算」を重視する傾向にあります。日本の感覚では仕事を進められないのと同時に、日本の品質重視の文化がグローバルで通用するのかという問いかけもなされていました。

図:日本における品質とスピードの考え方

図:日本における品質とスピードの考え方

JANOG53公開資料より抜粋

ちなみに、私が生まれ育った中国では「予算」を重視する傾向にあり、予算の範囲内で可能なかぎりの納期・サービス品質を提供するという文化です。

私は日本に来て、どの分野でもサービス品質が非常に高く、安心してサービスを利用できると感じています。私は日本の高いサービス品質が好きなので、高い品質を強みにもっとグローバルに展開してほしいと思っています。

また、海外で交渉ごとや業務をスムーズに進めるための手法も紹介されていました。一部を抜粋して紹介します。

図:海外との交渉をスムーズに進めるための手法

図:海外との交渉をスムーズに進めるための手法

JANOG53公開資料より抜粋

セッション:新人向け課題解決ディスカッション

また、新人向けの疑問解決セッションも開催されました。私もこの交流会に参加し、他の新人達が抱える疑問を聞くことができました。

業務内容にかかわらず、学生から社会人にステップアップする際には、自分が努力すべき方向性に対する疑問や、限られた時間の中で各作業の優先順位をどう分けるかに関する悩みを皆が常に持っていることがわかりました。

これらの問題は多くの場合、すぐには解決できません。自分自身で試行錯誤し、経験を積み重ねることによって、適切な答えを見つけることができると思います。その場で様々な発言を聞いて、他の新人も同じような悩みを抱えていることがよくわかりました。

同時に、ベテラン層からの具体的な解答を得ることで、私達の技術向上と成長のための貴重なガイダンスとなりました。また、大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。

まとめ:はじめて「JANOGミーティング」に参加した感想

今回JANOG53に参加し、全体として「知識の蓄積よりも、やる気の高さ」を感じました。
JANOGミーティングには多岐にわたるネットワーク業界の専門家達が集まり、初心者からベテランまで、幅広い経験を持つ人々が互いに学び、楽しめる機会を提供しています。そのため、魅力的なセッションがたくさんあるため、参加者が自分の関心に合ったセッションを選ぶことの重要性を改めて認識し、事前に計画を立てることの大切さを学びました。

2024年7月に開催される「JANOG54」にも、現地で参加する予定です!次回はスペシャリストの議論にも参加できるよう、インターネット技術の動向を理解し、スキルを向上するための基盤を築いていきます。

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