【技業LOG】
技術者が紹介するNTTPCのテクノロジー

2020.01.08
その他

オウンドメディアもDXも
「目的」と「手段」の整理が重要。
~東芝デジタルソリューションズ×NTTPC 編集長対談~

中山 幹公

マーケティング・事業開発担当ディレクター
技業LOG編集長

中山 幹公

コラボ企画“編集長対談”
東芝デジタルソリューションズ『DiGiTAL CONVENTiON』 × NTTPC『技業LOG』『ICT Digital Column』

NTTPC×東芝デジタルソリューションズ編集長 写真

オウンドメディアが日本で流行りはじめて約5年、マーケティング手法として有効活用する企業もあれば、いつの間にかなくなってしまうサイトもあります。幅広くみられるサイト、繰り返し読まれる記事はどのように生まれるのでしょうか。そもそも企業にとってオウンドメディアは、有効的に活用することで発展性を期待できるものなのでしょうか。

今回は、東芝デジタルソリューションズ『DiGiTAL CONVENTiON』の編集長・福本 勲氏をお招きし、オウンドメディアに対する思いや読まれる記事の生み出し方、そして同社が注力するデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)について伺いました。

コアメンバーは少数精鋭。
ときにフレキシブルに社内を巻き込む。

東芝デジタルソリューションズ株式会社 福本 勲 氏
東芝デジタルソリューションズ株式会社
福本 勲 氏

株式会社NTTPCコミュニケーションズ 中山 幹公(以下、中山) :
はじめに、『DiGiTAL CONVENTiON』の概要についてお聞かせください。いつ頃、どういったメンバーで始めましたか?

東芝デジタルソリューションズ株式会社 福本 勲 氏(以下、福本) :
実はまだ新しくて、2019年9月にサイトを公開しました。私をはじめ、マーケティング部門や広報部門などの数名で運営していますが、ときには株式会社東芝のスタッフも巻き込んでフレキシブルに進めています。

中山 :

スタッフの構成的には、NTTPCで運営しているオウンドメディア『技業LOG』や『ICT Digital Column』と同じですね。私たちは2017年に、元々あった「技術者ブログ」という社員ブログをリニューアルする形で『技業LOG』をオープンさせました。まずは認知向上と、社員の技術力の高さや、NTTPCで培った知見などを広めるため、技術者ブログとしてスタートしたのですが、更新頻度などはメンバーに任せていました。しかし、記載にする内容や更新の頻度には課題を感じることもあり、オウンドメディアとしてテコ入れを始めました。

とはいえ、計画的に運営するのは難しく、今は月に2本の記事を更新できればと思っています。
『DiGiTAL CONVENTiON』では、月の記事数などは決めているのでしょうか?

福本 :

月に1〜2本は記事を作っていきたいですね。最近掲載した記事では、アイティメディア株式会社が運営する「MONOist」の編集長 三島一孝さんと私の対談記事が非常によく読まれました。媒体の編集長が逆インタビューされることはめったにないので、面白いと思っていただけた企画なのではないでしょうか。

プロダクト視点ではなくマーケット視点を意識して

中山 :

『技業LOG』は、特にマニアックなサンプルソースコードを記載している技術者向けの情報や、学術論文のような内容が、多く読まれる傾向にあります。ただし、我々の目的としては、「オウンドメディアを通じてビジネスパートナーやユーザーとの新たな出会いと継続的な接点を作りたい」という思いがあります。

そうなると、あまりに技術的で高度な記事ばかりでは、幅広いユーザーや本来意図したターゲットにリーチが出来ないので、技術者を対象とした情報と幅広い視点でNTTPCの取り組みや、業界のトレンドをお伝えするビジネス向けの情報と2つ視点で記事を掲載し運営していくことの必要性を感じています。

『DiGiTAL CONVENTiON』は、どういった目的で立ち上げたのでしょうか?

NTTPC×東芝デジタルソリューションズ編集長 対談の様子
福本 :

オウンドメディアの目的はリード獲得やSEO対策となりがちですが、我々の場合は実は少し違います。『ビジネスシーンやIT業界の取り組みや周辺情報などをみなさまと共有したい』という思いで立ち上げました。時代は、「第四次産業革命」ともいわれるデジタル化の真っ只中。

この激動の時代に世界で何が起きているのかをみなさまと共有し、今後何をすべきかを考えるきっかけや気づきになればと考えました。プロダクト視点ではなくマーケット視点を意識し、そもそも読者はどういった情報を欲していて、何が読者の役に立つのかという観点で企画を検討しています。結果的には、それによって我々もマーケットのことを知り、新しい取り組みにつなげることができます。また、広報的な目線でいうと、オウンドメディアにはビジネスに繋げるだけでなく、企業のブランディングや、会社の方向性を示す場所という役割があると思っています。

中山 :

素晴らしいですね。福本さんは『DiGiTAL CONVENTiON』の編集長の他にも、複数の媒体に識者として記事を執筆したり、書籍も出版されています。いつから、エバンジェリスト的な活動を始めたのでしょうか?

福本 :

2010年代に入ってからですね。それまではサプライチェーンマネジメントやERP、CRMなどのソリューションのプロジェクトをやっていました。その経験の中で、個別のお客様のビジネスをどう進めるかだけではなく、時代の潮流や、その先に何があるのかをきちんと発信する必要があると考えるようになったのです。

これからの時代のテーマは「つながる」ことだと考えています。1社の利益だけを見るのではなく、様々なプレイヤーがプラットフォームやエコシステムの中でどんな役割を担えば社会をもっと豊かにできるか、を考える必要があります。製造業も、ただものだけでなくサービス的なものを付加して提供し、従来のパートナーだけでなく時には競合とも手を取り合う必要があります。そのためには、全体感がわかる情報発信が重要と考えています。

中山 :

一方で、読まれる記事を作るのは大変ですよね。NTTPCでも最近動画コンテンツやSNSでの情報配信をスタートさせましたが、PV数(閲覧数)を多く取れるのはやはりエンターテイメント性が強い記事です。そういった記事とリードの獲得を目的とした記事をバランスよく作る必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

『DiGiTAL CONVENTiON』サイト 画像
福本 :

読まれやすい記事を作るためにいくつかの工夫をしています。たとえば、やはり一つひとつの記事を完読してほしいので、1記事は3,000字か、長くても3,500字以内に収めています。
これ以上になる場合は記事を前後編にします。
また、記事の頭に内容のサマリー動画を掲載し、読者の興味を引くようにしています。

ちなみにこの動画も、30秒〜1分以内と決めています。
各記事に関連情報ページのURLを入れたり、関連する他のサイトにオウンドメディアの記事をリンクさせるなど、読者が関心のある情報をたどってより理解を深めてもらい、Webサイトの回遊を促すよう、細かくリンク設定をしています。

デジタル化が目的ではなく、
ビジネスを豊かにするのがDXのゴール

中山 :

『DiGiTAL CONVENTiON』は、共にデジタル時代に向かっていくためのヒト、モノ、情報、知識が集まる「場」、とのことですが、今はDXが旬なテーマですよね。NTTPCでは、工場や企業全体をDX化するような大きな取り組みではなく、その局面局面で必要とされるITインフラの提供やツールの開発を行い、お客さまのニーズに応えるように努めています。
御社は具体的にどのような取り組みをされていますか?

福本 :

前提として、東芝では、現在起こっているデジタル化の潮流を「DX」と「デジタルエボリューション(以下、DE)」に分けてとらえています。DEは従来のバリューチェーンそのものをデジタルによって効率化しようという取り組みで、DXはデジタル化によって、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションを起こし、あらゆる人の生活を豊かにすることですね。これは両方やらないといけないと考えています。
当社は製造業のお客様のイノベーションのお手伝いという意味でもさまざまな取り組みを行っています。ものづくり企業として140年を超える歴史がある東芝には「生産技術センター」という研究開発部門があります。この部門は元々東芝グループ内の様々な工場のものづくり改革を担っているのですが、今は活動範囲をグループ外にも拡げ、他の製造業のお客様に対してコンサルティングを行っています。

NTTPC×東芝デジタルソリューションズ編集長 対談の様子

製造現場のみなさまに突然IT化といっても、なかなか受け入れてもらえません。そこで、実際に現場と向き合って来た人材が、お客さまの課題を理解した上で解決方法を検討することに意味があるのです。

そもそも、なぜDXの波が来ているかというと、GAFA(世界に影響を及ぼすGoogle、Amazon、Facebook、Appleの米国主要IT企業)のようなBtoC企業が産業界に進出してきたことが一番大きな原因だと考えています。つまり、デジタル化、ソフトウェア化、ネットワーク化による変革が、産業界にも波及したことです。特にネットワーク化によりデジタルデータの流通や相互利用、遠隔からの活用が可能になったことは、産業構造全体の変革へと向かわせた大きなポイントだと考えています。

中山 :

DXやDEの考え方は、もはや企業に欠かせないですよね。とはいえすべての企業が取り組むにはハードルが高いと思いますが、今後どのような対策が必要になってくると思いますか。やはり、DXやDEに取り組まない企業には厳しい時代が来るのでしょうか?

福本 :

それは、DXやDEにどう取り組むかによるでしょう。そもそも、多くの企業ではDXやDEに取り組む発想の順番が違うと思うのです。先日のラグビーワールドカップもそうですが、ITを導入して相手の動きを三次元化して分析するというようなことが行われています。しかしこれは、デジタル化が目的でも、相手の動きを知ることが目的でもなく、勝つことが目的です。「どうやったらデジタル化できるか」ではなく、「どうやったらビジネスが良くなるか」を考える中で、それを実現する手段の一つとしてデジタル化に取り組むべきではないでしょうか。製造業でいうならば、エンジニアリングチェーンをつなげることはあくまで手段で、それによってビジネスをどう変えたいのかを考える視点が重要だと考えています。

本日はいろいろなお話しを聞かせてくださいまして、ありがとうございました。

福本さんはマーケット視点の重要性について話されていましたが、我々も読者の皆さまのお役に立つ最新の業界情報や専門的な知識などのコンテンツを増やし、NTTPCの強みを感じてくだされるようなメディアを目指したいと考えています。

また今回のように、他企業のオウンドメディアとの連携も強めていくことで、相互のメディアを活性化させ、発展していくことを目指していきたいと思います。

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