IoTとしてのヘルスケアサービス
~IoTの定義と活動量計について~

【技業LOG】技術者が紹介するNTTPCのテクノロジー

2017.05.31
IoT・M2M
茂野 健太郎

ソフトウェアエンジニア
茂野 健太郎

技業LOG

はじめに

IoTというキーワードがここ数年トレンドなIT用語として取りざたされております。すでに様々な商品、サービスが世の中にはあふれており、弊社においてもIoTをキーワードとしたサービスを提供しております。わたくしの担当においても、IoTをキーワードとしたヘルスケアサービスの検討が進められており、今回は、IoTとしてのヘルスケアサービスをテーマとした記事を紹介いたします。

IoTの定義

一般論として、識者の方々が、いろいろな提示をされており、様々な定義の仕方がありますが、次のような解釈も一つの考え方となります。

  1. (1)
    データを計測(収集)
  2. (2)
    データを保存
  3. (3)
    データを解析
  4. (4)
    データを意味のある結果として還元(見せる)

これらをシステムで実現することと考えています。

IoTの定義 概要図

これらを実現するシステムは、これまでも存在しており、目新しいものではありません。
しかしながら、IoTという単語が一つの流行として捉えられ、猫も杓子もIoTと言われるゆえんは、次のような要素を手軽に実現できる世の中の条件が揃ってきていることが主な要因と考えられます。

  1. (1)の収集できるデバイスの多様化
  2. (1)のデータ量を扱える通信環境
  3. (2)の大量データを保持できる環境
  4. (3)の高度化(ディープラーニング等の活用)
  5. (4)の見える化ツールの充実

もちろん、人によって、主となる要因の捉え方は異なりますが、「何故、IoTというキーワードがこれほど世にあふれているのか?」は、読者の方も考えてみてください。

IoTとしてのヘルスケアサービス

ヘルスケアサービスといっても、一括りに表現できるものではないため、ここでは、前段で記載したIoTの定義に基づき、

  1. (1)
    人が身に着けたデバイスから、バイタル情報等を計測し、
  2. (2)
    そのデータを保存し、
  3. (3)
    解析を行い、
  4. (4)
    結果として還元する

システムといった、定義づけをします。

IoTとしてのヘルスケアサービス 概要図

それぞれのポイントで特徴的な技術が存在しますが、ここでは、(1)収集に利用される活動量計について、簡単にふれます。

活動量計測できる情報の例

ヘルスケアのデバイスの一つとして、活動量計があります。古くは、アナログな歩数計も一つの活動量計です。

最近の一般的な活動量計自体で収集できる主な情報は、

  • 脈拍(心拍)
  • 加速度

となります。

実際に計測している情報は、上記のとおりではありますが、ここから解析等により推定できる情報がいくつか存在します。

「脈拍(心拍)」からは、次のような情報が推定できます。

推定情報 説明
運動強度 実施している運動の負荷状態を、心拍数と年齢を基準として、数値で表現
熱ストレス 心拍数から熱へのばく露対応を判断する指標
(参考) http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei33/
消費カロリー 運動強度から計算するMets法など
睡眠状況 通常時、睡眠時の心拍から、睡眠の時間・睡眠の質などを把握
※加速度との組み合わせで推定する場合が多い

「脈拍(心拍)」の活動量計

「脈拍(心拍)」を計測する主な活動量計の形態は次のようなものがあります。

  • 着衣型
  • リストバンド型
  • 耳たぶ(イヤフォン)型
  • シール(貼る)型

また、実際の脈拍(心拍)の計測方法としては、主に次の方法があります。

心電式:電極を体に装着し、心電図を測定しその結果から心拍数を検出する
タッチ式・光学式:光を血管にあて、血流の動きから計測する

心電式は、病院等で心電図を測定する方法とほぼ同様の方式になります。タッチ式と光学式は、光で血流の動きをとらえるという点では、大きな違いはありませんが、タッチ式は、デバイスに完全に密着する必要があります。光学式については、完全に密着せずとも計測が可能な点が異なっています。

最近は、光学式を採用したリストバンド型の活動量計が主流となっており、様々なメーカーから商品が発売されています。

さいごに

今回は、IoTに関する一般論、並びにヘルスケアサービスを実現するうえでキーとなる活動量計について、簡単に紹介いたしました。
次回は、活動量計で測定された情報をどのように保存するかについて紹介いたします。

技業LOG

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