【比較表】AIエージェントと生成AIの違いは?役割別の使い分け&活用事例
今回は「AIエージェント」と「生成AI」の違いについて解説します。両者にはそれぞれ異なる役割があり、利用範囲にも違いがあります。「自社のDXを進めたいが、どちらを導入したら良いか分からない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
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AIエージェントと生成AI、それぞれの違いとは?
最近良く耳にする「AIエージェント」と「生成AI」。共に「AI」という用語が入っているため混同しがちですが、両者は全く異なるシステムです。
AIエージェントおよび生成AIとはどういうものか、まずはそれぞれの概要を説明します。
AIエージェントとは、「自律的な行動」を可能にするAI
「AIエージェント」とは、与えられた目標を達成するため、人間からの逐次的な指示を待たずに自ら状況を判断し、計画を立て、行動を実行する能力を持つ高度なシステムです。構造として周囲の状況を把握する「知覚」、得られた状況から未来を予測する「推論」、データの出力や機器の操作などを実際に行う「行動」の3段階のサイクルで動作します。
生成AIとは、「新たなコンテンツの創造」に特化したAI
一方、「生成AI」とは、与えられたプロンプト(命令文)やデータにもとづいて、テキスト、画像、音声、コードなどの新しいコンテンツをゼロから創り出す(生成する)能力を持つAIシステムです。これまで人間にのみ備わっていると考えられていた創造性や多様な表現力を持つ点が特徴です。
【比較表】AIエージェント と生成AI|役割・特徴の違いをひと目で整理
AIエージェントと生成AIの主な特徴と違いをまとめると次表のようになります。
| AIエージェント | 生成AI | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 目標達成に向けた自律的な意思決定と行動 | 指示にもとづくコンテンツ(文章、画像など)の生成 |
| 自律性 | 高い(自分で判断し、実行) | 低い(指示なしでは動かない) |
| 適用業務 | 広範囲(プロセス全体、複合タスク) | 特定のクリエイティブな作業、情報生成 |
| 主要な機能 | プランニング、推論、学習、環境との相互作用 | テキスト/画像/コードの生成、翻訳、要約など |
| 導入の難易度 | 高(プロセス設計、システム連携が必要な場合が多い) | 低(API連携やツール導入で実現可能) |
| 学習プロセス | 環境からのフィードバックを通じて継続的に学習 | 大量のデータから学習済みモデルを構築 |
| 代表例 | 営業支援AIなど | ChatGPT™、Claude®、Gemini®など |
| 活用例 | 自動運転、業務自動化、パーソナルアシスタント | チャットボット、記事作成、デザイン生成 |
AIエージェントは、記憶を持ち「自ら成長」できる
比較表の中で特に注目いただきたいのは「学習プロセス」の項目です。AIエージェントと生成AIのもっとも大きな差は「記憶と学習により自ら成長できるかどうか」にあります。
AIエージェントは、行動結果を蓄積して学習に利用し、自律的に能力を向上することができます。つまり、使い続けることで自ら進化し続け、ユーザーの業務を熟知して代行する「能動的なパートナー」へ成長します。例えばAIエージェントを社内向けのチャットボットに活用した場合、従業員のITリテラシーを学習して冗長な表現を避けたり、所属部署に応じてID/パスワードの再発行の可否を判断して対応したりするなど、社内の状況を熟知した業務が可能となるでしょう。
また、AIエージェントが「行動」を実践する際に、生成AIを機能の一部として活用するケースも増えています。ただし、両者は役割や得意分野が異なるため、「どちらが優れている」というよりも、目的や業務内容に応じて適切に使い分けることが重要です。
活用事例「業務の自動化と最適化」が得意なAIエージェント
AIエージェントの強みは、高い自律性と継続的な学習にあります。これらの強みにより、広範な業務に活用することができます。定型業務の自動実行、複雑なプロセスの最適化、データにもとづいた意思決定支援など、多岐にわたる業務の効率化と自律化に貢献します。
例えばAIエージェントをネットワークの運用管理に活用したとします。AIエージェントにより将来の通信量を予測し自動で通信量を調整するため、製造業では、アクセス集中時に発生していた通信遅延によるダウンタイムを最小化することができます。また、故障個所を自動で特定し対応するため、小売業ではトラブルの発生した店舗を訪問する必要もなくなるでしょう。
生成AIの活用事例「コンテンツやアイデアの作成」が得意
生成AIの強みは、コンテンツの生成に特化している点にあります。この強みを活かし、マーケティングコンテンツの生成、資料作成の効率化、デザイン案の創出、研究開発におけるアイデア出しなど、創造性や情報生成が求められる業務に貢献します。
具体的には、先に紹介したチャットボットによる顧客対応やブログ記事のドラフト作成、デザイン生成に加え、社内マニュアルやFAQの自動化などにも活用できます。
双方の強みを活かした"ハイブリッド活用"の可能性も
AIエージェントと生成AIを組み合わせることで、それぞれを単独で利用する場合には実現が難しかった、より高度で複雑な課題解決が可能になります。例えば、AIエージェントが収集・分析したデータにもとづいて生成AIがレポートを自動生成したり、販売戦略の立案を支援したりすることが考えられます。また、AIエージェントがアクセスログなどを通じてネットワーク監視を行い、その結果を生成AIが週次・月次の報告書としてまとめるといった活用も可能です。さらに、AIエージェントが対応した顧客問い合わせの内容をもとに、生成AIがナレッジベースや要約を作成するなど、分析・実行からアウトプット作成までを一気通貫で自動化できる点は、大きな強みといえるでしょう。
AIエージェントと生成AIの選び方と4つのポイント

AIエージェントと生成AI、自社へ導入するならどちらが最適なのか悩んだ際には、特に次の4つのポイントに注目して検討すると良いでしょう。
1:解決したいビジネス課題
導入する前に、どのようなビジネス課題を解決したいのか、どのようなビジネス目標を達成したいのかを明確に定義することが重要です。課題の種類によって適したソリューションが異なるため、先に掲載した表などを参考として慎重に判断しましょう。
表中でも紹介したとおり、AIエージェントの主な役割は目標達成に向けた自律的な行動にあり、一方生成AIの主な役割は指示にもとづくコンテンツの生成にあります。解決したいビジネス課題がAIエージェントに業務を代行させるものなのか、生成AIに業務を支援させるものなのかを見極めましょう。
2:導入の目的・期待する効果
AI導入の具体的な目的を明確にすることも重要です。コスト削減、生産性向上、新規事業創出、コンテンツ等の制作など、導入する目的を明確化し、合わせて具体的な目標値を設定しましょう。
表中でも紹介したように、AIエージェントはプランニング、推論、学習、環境との相互作用などの機能を持ちます。一方、生成AIはテキスト/画像/コードの生成、翻訳、要約などの機能を持ちます。両者の違いを見極めた上で選択しましょう。
3:導入の手間と運用コスト
表中でも紹介したように、AIエージェントはプロセス設計、複雑なシステム連携が必要となる場合が多く、初期導入の難易度や初期導入にかかる時間・費用が高くなる傾向があります。また、継続的な運用にはAPI利用料に加え、プロンプト調整などの保守業務も必要となります。一方、生成AIはAPI連携やツール導入から比較的容易に導入できます。一般的に、導入にかかる手間やコストの面では生成AIが有利といえるでしょう。
ただし、AIエージェントを継続的に運用すれば、業務効率化によるオペレーションコスト等の大幅な削減が期待できます。特に長期運用を考慮する場合、学習により成長するAIエージェントが費用対効果の面において優るケースも十分に考えられます。
導入を検討する際には、将来的な費用対効果も考慮し、適切なソリューションを選択しましょう。
4:必要な社内教育・人材育成
AIエージェントや生成AIを効果的に活用するためには、様々なスキルが必要となります。そうしたスキルを従業員に身に付けさせるため、企業は教育や人材育成に投資する必要があります。
生成AIを使いこなすには、生成AIに適切に命令を与える「プロンプトエンジニアリング」のスキル、生成結果を受けて適切に修正するスキルなどが必要です。
一方、AIエージェントを導入する際には、システム全体の設計思想およびデータやプロセスを理解し最適化する能力が重要となります。また、正しく学習し好ましい行動を取るよう、AIエージェントを常に監視する必要もあります。
一般的に、自律的に行動し、複数のツールやシステムを連携させるAIエージェントの方がより高いスキルが求められるため、導入・運用する際の敷居は高いといえます。
もちろんどちらもAIエンジニア、データサイエンティストなどの高度な専門家がいればより深く活用できますが、一般的なビジネスユーザーが導入・活用する際にもスキルの修得が必須であることに留意しましょう。
AIエージェント・生成AIを導入前に押さえるべき2つのリスク

AIエージェントや生成AIの導入にはメリットもある反面、次のような注意点もあります。
1:膨大なデータ活用による「セキュリティ」のリスク
AIエージェントや生成AIで大量のデータを処理することにより、情報漏えい等のセキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。例えばAIエージェントの学習データ、生成AIの参照データとして個人情報を含むデータを使用した場合、行動や生成結果にそれらの機密情報が含まれてしまう危険性があります。また、それらのデータが不正アクセス等により流出する可能性もあります。AIエージェントや生成AIを導入する際には、併せてセキュリティの強化も検討しましょう。
2:運用維持の難しさから来る「実用面」のリスク
特にAIエージェントを導入した場合、適切に運用維持を行わないと、例えばユーザーからの問い合わせに対して不適切な回答を返すなど、意図しない行動により却って顧客体験に悪影響をおよぼすというリスクがあります。
AIエージェントの品質は学習データの品質に依存します。また、自律的に行動する反面、その意思決定の過程はブラックボックス化しており、外部から簡単にはうかがい知ることができません。そのため、AIエージェントが常に好ましい行動を取れる状態を維持するためには、専門的な知識を持ったスタッフによる監視や定期的なチューニングが必要となります。こうした運用維持の難しさからくる実用面のリスクについても留意する必要があります。
AI活用による業務効率化の第一歩に、「Prime ConnectONE®」
NTTPCの「Prime ConnectONE®」は、企業のネットワークとセキュリティを統合的に管理できるサービスです。
AIエージェントを搭載しており、運用・監視を自動化し(AIOps)、DX推進の基盤として業務効率化を支援します。具体的には、障害対応、マルウェア感染端末の自動管理など、情報システム部門の運用業務をAIエージェントが支援・自動化します。
情報システム部門は日々の業務から解放され企業のDX推進など、よりクリエイティブな業務に注力できることでしょう。
「AIエージェントを導入したいが、技術的な敷居が高い」とお感じの方は、まずは専門的な知識をあまり必要とせず、それでいて十分なセキュリティ対策と業務効率化を実現できるNTTPCコミュニケーションズの「Prime ConnectONE®」の導入から検討してみるというのも有効な一手ではないでしょうか。
まとめ
今回は「AIエージェント」と「生成AI」の概要および両者の違いについて解説しました。目標達成に向けて自律的に行動するAIエージェントは、プランニング、推論、学習、環境との相互作用などの機能を持ち、広範囲の業務に適用が可能です。
一方、ユーザーの指示にもとづきコンテンツを生成する生成AIは、テキスト/画像/コード生成などの機能を持ち、クリエイティブな作業の支援に適用が可能です。
API連携やツール導入により比較的容易に導入できる生成AIと比較すると、プロセス設計やシステム連携、そして専門的な知識を持ったスタッフによる定期的なチューニングが必要となるAIエージェントの導入の敷居は高いといえます。ただし、継続的に学習するAIエージェントは長期的に利用すれば「能動的なパートナー」へと成長し、業務効率化によりオペレーションコスト等の大幅な削減を実現できる可能性もあります。
AIエージェントは自動運転や業務自動化、生成AIは記事作成支援やデザイン生成支援など、それぞれ得意分野が異なります。導入する際には「1. 解決したいビジネス課題」「2. 導入の目的・期待する効果」「3. 導入の手間と運用コスト」「4. 必要な社内教育・人材育成」などを考慮し、セキュリティ面と実用面のリスクを理解したうえで、自社に適したものを選択しましょう。
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