【生成AIによる業務変革LOG #12】
生成AIを活用し、Power Automateで
案件管理業務を改善した新入社員のDX実践

【技業LOG】技術者が紹介するNTTPCのテクノロジー

2026.09.11
AI
その他

技業LOG

NTTPCの生成AI業務変革LOG
- 活用事例/技術調査レポート -

本記事では、NTTPCが取り組む生成AIの活用事例や技術調査レポートをご紹介します。生成AIの導入により、私たちの業務やサービスの質が飛躍的に向上し、業務効率化や新たな価値創造を実現しています。
本記事を通じて、当社の生成AI活用の具体的な取り組み内容や技術的な調査結果を詳しくお伝えし、業務変革に対する積極的な姿勢を示すことで、お客さまの信頼と関心を得て、共に成長できるパートナーであることを目指しています。

はじめに

2025年にNTTPCへ入社し、Prime ConnectONE®の営業支援業務に携わる中で、CRMに登録された案件情報を定期的に一覧化する作業を担当していました。

案件管理は日々の業務に欠かせないものですが、情報の抽出や転記、データ更新などの定型作業には一定の工数がかかります。特に案件数が増えると、作業時間の増加や転記ミスのリスクも課題となっていました。

本記事では、新入社員研修のテーマであった「生成AIを活用した業務改善」の一環として、Power Automateを活用し、CRMからPrime ConnectONE®案件情報を抽出してExcelおよびPower BIへ連携する仕組みを構築した取り組みをご紹介します。

Power Automate未経験の状態からどのように課題解決に取り組んだのか、その過程で得た学びについてお伝えします。

Power Automateに挑戦したきっかけ

今回の取り組みは、1年目社員向け研修のテーマである「生成AIを活用した業務改善」がきっかけでした。
日々の業務を振り返る中で、案件情報の確認や一覧化といった定型作業に多くの時間を使っていることに気付きました。
当時は、

  • 案件情報の抽出に時間がかかる
  • 同じ作業を繰り返し実施している
  • 転記ミスが発生する可能性がある

といった課題がありました。
そこで、「繰り返し発生する作業こそ自動化に向いているのではないか」と考え、以前から興味のあったPower Automateを使った業務改善に挑戦することにしました。

Power Automateによる自動化の仕組み

Power Automateは、Microsoftが提供する業務自動化ツールです。
今回はPower Automateを利用し、CRM(営業活動や案件情報を管理するシステム)から案件情報を取得し、Excelへの出力およびPower BIの更新までを自動で実行する仕組みを構築しました。
図1は今回作成したPower Automateフローの全体像です。
CRMから案件情報を取得し、Prime ConnectONE®案件のみを抽出した上で、Excelへ出力し、そのデータを利用するPower BIの更新までを自動で実行しています。

案件情報を自動抽出するPower Automateフロー

図1. 案件情報を自動抽出するPower Automateフロー

フロー概要

①定期実行

②CRMから案件情報取得

③Prime ConnectONE®案件を抽出

④必要項目を整形

⑤Excelへ出力

⑥Power BIを更新

⑦完了通知

フローの解説

図2は、実際に作成したフローの中でも特に工夫した箇所です。
CRMから取得した情報をそのままExcelへ出力するのではなく、後続のレポート作成や分析で利用しやすいようデータを整形しています。
案件種別やステータスなどの項目を整理することで、Excel上でも見やすく、Power BIでの集計にも利用しやすいデータ構成としました。

CRM取得データをExcel出力用に整形する処理

図2. CRM取得データをExcel出力用に整形する処理

苦戦したポイント

今回の取り組みで最も苦戦したのは、CRMから取得したデータをそのまま利用できなかった点です。
CRMでは一部の項目が内部コードで管理されており、取得した値をそのままExcelへ出力すると利用者が内容を判別しにくい状態になっていました。
当初は取得したデータをそのままExcelへ出力していましたが、「94797003」のような数値だけが表示され、サービス名や状態が分からないケースがありました。
そこでPower Automateの「作成(Compose)」やデータ操作機能を活用し、内部コードを利用者が理解できる表示名へ変換する処理を追加しました。
図3は、その際に実装した変換処理の例です。

また、Excelへの出力処理では、ファイル名やテーブル名が正しく認識されない問題にも直面しました。
Power Automate上では設定できているように見えても実行時にエラーとなるケースがあり、原因特定に時間を要しました。
最終的にはExcel側の設定内容を見直しながら1つずつ確認し、正常にデータを書き込めるようになりました。
図4は、そのExcelとフィールド名の対応例です。

今回の経験を通じて、自動化ではフロー全体を作ること以上に、「データをどのような形で受け渡すか」が重要であることを学びました。

内部コードを表示名へ変換する処理

図3. 内部コードを表示名へ変換する処理

フィールド名とExcelの列を対応させる処理

図4. フィールド名とExcelの列を対応させる処理

Power Automate未経験者が感じた最初の壁

Power Automateを触るのは今回が初めてだったため、最初は各アクションがどのような役割を持っているのか理解するところからのスタートでした。

特に、

  • 各アクションの役割の理解
  • 条件分岐の設定方法
  • 動的コンテンツの扱い方
  • エラー発生時の原因特定

には苦労しました。

エラーが発生しても原因が分からず、何度もフローを実行しては修正することを繰り返しました。しかし、取り組みを進める中で気付いたのは、難しいのはPower Automateの操作そのものではなく、「業務をどのように整理し、どこを改善すべきか」を考えることでした。

当初は「Power Automateで何ができるか」というツール中心の視点で考えていました。しかし試行錯誤を重ねるうちに、「利用する人にとって見やすいデータとは何か」「どのような形で情報を共有すれば業務全体の効率化につながるのか」を考えることの方が重要だと感じるようになりました。

実際にフローを構築する過程では、自分が利用するだけでなく、Power BIでレポートを閲覧するメンバーや案件情報を確認する関係者の視点でデータを整えることを意識しました。今回の取り組みを通じて、業務改善は個人の効率化に留まらず、周囲が活用しやすい仕組みを作ることが重要であると学びました。

学習にあたっては、Udemyを活用してPower AutomateやPower BIの基礎知識、データ連携の仕組みなどを体系的に学びました。また、実際のフロー作成やエラー解消の際にはMicrosoft 365 Copilotを活用し、実現方法の調査や設定内容の確認を行いながら理解を深めました。さらに、社内の有識者の方々からは業務要件の整理や自動化設計の考え方について助言をいただき、実務に即した形で改善を進めることができました。今回の経験を通じて、ツールの操作方法だけでなく、「なぜその業務が発生しているのか」「どのようにすればより効率的にできるのか」といった業務改善の考え方そのものを学ぶことができたと感じています。

まとめ

今回の取り組みにより、CRMから案件情報を取得し、Excelへの出力からPower BIの更新までの一連の作業を自動化できました。
従来は1回あたり約30分を要していた作業が約5分となり、約83%の工数削減を実現しました。また、手作業による転記ミスの防止や作業品質の均一化にもつながっています。
当初は自身の業務効率化を目的として始めた取り組みでしたが、結果として案件情報を活用する関係者が最新情報を確認しやすい環境づくりにも貢献することができました。
取り組みを進める中では、UdemyでPower AutomateやPower BIの基礎を学び、Microsoft 365 Copilotを活用して実装方法の調査やエラー解決を行いながら開発を進めました。また、社内の有識者の方々から業務要件や設計の考え方について助言をいただき、実運用を見据えた仕組みを構築することができました。
今回の経験を通じて、自動化ツールや生成AIの活用方法だけでなく、「業務課題を発見し、改善につなげる視点」の重要性を学びました。Power Automate未経験からのスタートでしたが、学習ツールや生成AIを活用しながら取り組むことで成果につなげることができました。
今後も定量的な効果測定を行いながら、さらなる業務改善に取り組んでいきたいと考えています。

  • 本記事に記載している内容は執筆時点の情報に基づいており、将来にわたって同様の動作や結果を保証するものではありません。また、本記事で紹介している内容は筆者個人の検証および業務改善事例であり、特定の利用環境における動作を保証するものではありません。実際の導入・運用にあたっては、ご利用環境や運用ルールに応じて十分な検証を行ってください。
  • 工数削減効果は筆者の業務環境において実施した検証結果に基づくものであり、利用環境や運用方法によって効果は異なります。
  • 記事中の画面や設定内容は執筆時点のものであり、サービスの仕様変更により実際の画面や機能と異なる場合があります。
  • 本記事では、業務で実際に利用したフロー構成、式、設定内容をもとに紹介しています。ただし、機密情報の保護やセキュリティ上の理由から、画面、変数名、項目名、数値などの一部内容は修正しています。
  • Prime ConnectONEは株式会社NTTPCコミュニケーションズの登録商標または商標です。
  • Microsoft、Microsoft 365、Microsoft 365 Copilot、Power Automate、Power BI、Excelは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • Udemyは、Udemy, Inc.の商標または登録商標です。

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