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SIMとは?SIMロックやSIMフリーの仕組みをわかりやすく解説

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「SIMロック」「SIMフリー」などの用語に登場する「SIM」。実はSIMは我々が普段使用しているスマートフォンなどのモバイル端末のほか、IoTなどビジネス分野でも幅広く活用されているのです。今回はSIMについてわかりやすく解説します。

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目次

SIMをわかりやすく解説

まずはSIMの概要と種類について押さえておきましょう。

そもそもSIMとは?

SIMは「Subscriber Identity Module」の頭文字で、直訳すると「加入者識別モジュール」です。
その名のとおり内部にはサービス加入者の情報(識別番号、電話番号、メールアドレスなど)が記録されており、これらの情報のおかげで、ユーザーはモバイル端末から電話回線を通じて音声通話やWebページ閲覧などのサービスを利用することができるわけです。
SIMは一般的にカード型をしていることが多いため「SIMカード」と呼ばれることが多いですが、近年では端末に部品として組み込む「チップ型SIM」(「eSIM(embedded Subscriber Identity Module)」とも呼ばれる)も活用されています。

SIMカードのサイズは主に3種類

1990年代の登場当初、SIMカードはまさにクレジットカードと同じサイズ(横約86mm×縦約54mm)でした。そののち、モバイル端末の小型化などにともない、現在では主に次の3種類のサイズが使用されています。

  • 標準SIM(miniSIM)
    「標準SIM」は1990年代後半に登場した、縦25mm×横15mmのSIMカードです。一般的な切手を少し細身にしたサイズといえば想像しやすいでしょうか。
    当初は「miniSIM」と呼ばれていましたが、主流となってからは「標準SIM」と呼ばれるようになりました。
  • microSIM
    「microSIM」は縦15mm×横12mmで、2000年代に登場。標準SIMの縦幅を短くした正方形に近い形状が特長です。
    NTTドコモで「mini FOMAカード」または「miniUIMカード」と呼ばれているSIMカードはこのサイズです。
  • nanoSIM
    「nanoSIM」は2010年代に登場。サイズはmicroSIMよりもさらに小さい縦約12mm×横約9mm。人差し指の爪のサイズ程度のサイズといえば想像しやすいでしょうか。
    最近スマートフォンを買い替えた方は目にしているかもしれません。

また、先述のとおりSIMの種別にはカード型のほかにチップ型もあります。MFF2と呼ばれるチップ型SIMのサイズは縦6.0mm×横5.0mmと、カード型SIMに比べかなり小さく、nanoSIMの半分程度の大きさしかありません。そのためSIMを搭載する製品の小型化を目指す場合にはチップ型SIMという選択肢も不可欠となるでしょう。またチップ型SIMは基板に直接はんだ付けすることから、カード型SIMに比べて振動に強いうえ、SIMの抜き取りによる盗難や不正利用の抑制にもつながるため、移動体や屋外への設置が必要な製品など幅広い活用が期待されます。

音声通話SIM?データSIM?SIMの主な機能とは

次に、SIMの機能に注目してみましょう。
SIMによりモバイル端末で利用可能になるサービスは、大きく分けて「音声通話」「データ通信」「SMS(Short Message Service、ショートメッセージサービス)」の3つがあります。そのうちどの機能を使用するかにより、SIMの機能は次の3種類に分けられます。

  • 音声通話SIM
    「音声通話SIM」は、「音声通話」「データ通信」「SMS」の3サービスをすべて利用できる機能を持ちます。標準的なスマートフォンに搭載されることの多いSIMです。
  • データSIM
    「データSIM」は、「データ通信」のみを利用できる機能を持ちます。インターネットを通じたデータの送受信はできますが、緊急通報を含む音声通話は使用できません。
  • データSIM+SMS
    「データSIM+SMS」は、「データ通信」に加えて「SMS」を利用できる機能を持ちます。SMS(Short Message Service、ショートメッセージサービス)は電話番号でメッセージをやりとりするサービスで、登場当初はポケットベルの上位互換的な使用方法が主流でしたが、現在では電話番号による2段階認証などにも活用されています。

今さら聞けないSIMロックとSIMフリーとは?

SIMに関連して、「SIMロック」「SIMフリー」といった用語もよく使用されます。それぞれの意味を簡単に押さえておきましょう。

SIMロックとは

「SIMロック」は、文字通りSIMに関して鍵がかかっている状態のモバイル端末を指します。具体的には、指定のSIM以外は使用できないように端末の動作が制限されているモバイル端末のことです。
ユーザーに対し端末を安価で入手できるというメリットを提供する代わりに他キャリアへの乗り換えを防ぐなどの目的で使用されていましたが、2015年、総務省によりSIMロック解除を義務化する方針が示されました。現在では店頭やオンラインでモバイル端末のSIMロックを解除することができます。

SIMフリーとは

対して「SIMフリー」は、ロックがかかっていない状態のモバイル端末を指します。SIMフリーのモバイル端末は、どの通信業者のSIMでも利用できます。
SIMフリーとともに使われることの多いワードとして「格安SIM」があります。例えば自社で通信網を保有せず、他社の通信網を借り受ける「MVNO」と呼ばれる通信業者では、保守料金や人件費を圧縮するなどの方法を用いて、自社で通信網を保有する「MNO」よりも比較的安価にSIMを提供しています。
また、近年では法人向けSIMや組み込み型のSIMフリー端末も登場しています。

SIMカードの選び方

このように様々なサイズや機能のあるSIMカードですが、どのように選んだら良いのでしょうか。ポイントを2つあげます。

利用目的から選ぶ

現在お使いのモバイル端末を継続して使用する場合には、まず対応するSIMカード(スロット)の大きさを確認する必要があります。
その上で用途に応じて必要な機能を選択します。これまでどおりにスマートフォンを使用したいのであれば音声SIMを、Web閲覧およびSNSを使用した音声通話で事足りるのであればデータ+SMSを、といった具合です。

料金から選ぶ

一般的に、格安SIMを利用すれば月額料金を圧縮できるため通信コストを低減することが可能です。必要な機能を限定すればさらにコストを圧縮することも可能でしょう。
ただし、SIMの契約では一般的にモバイル端末の補償が含まれないことには注意が必要です。また、SIM契約後の「運用」にもコストがかかることを忘れてはいけません。事業用途でSIMを導入する場合、数百枚、数千枚のSIMを運用するケースは少なくありません。多量のSIMの発注や、SIMごとの通信状況、通信プランの適正管理など、管理者の手間は相当なものになるでしょう。 たとえSIM自体の価格が安価であっても、結果的に管理運用の稼働やコストが膨らむケースもあります。料金から選ぶ場合には、そういった「管理運用」についてのサービスがあるかどうかも重要なポイントになるでしょう。

SIMはIoTネットワークの構築に重要な役割を持つ

ここまで主にスマートフォンに搭載されるSIMを中心に話を進めてきましたが、実はSIMはIoTネットワークの構築においても重要な役割を担っています。

IoTとSIMの関係

「IoT(Internet of Things)」は、「モノのインターネット」ともいわれ、通信機能を持つセンサーや工作機器などをインターネットに接続し、相互に通信・制御を行う仕組みを指します。
IoTについて詳しくは、「【事例あり】IoTとは?仕組み・機能を分かりやすく解説」を参照してください。

参照:「【事例あり】IoTとは?仕組み・機能を分かりやすく解説」

IoTネットワークの構築には多数の機器を接続する必要がありますから、機能をデータ通信のみに絞って1SIMあたりの経費を安価に抑えた「データSIM」は、まさにこの目的にはうってつけといえるでしょう。
また、法人向けのeSIM(チップ型SIM)であれば小型IoTにも利用できる、省電力で駆動できる、SIMが基盤にはんだ付けされているため盗難・不正利用される危険性が低いなど、IoTに適した特長を有しています。また、遠隔で情報を書き換えることのできる「eUICC SIM」としてのeSIMであれば複数の通信事業者のサービスを併用できるという特長も併せ持ちます。

IoTネットワークを構築するメリット

IoTネットワークではモノとモノとが直接通信するため、これまで人員を割いて行っていた情報収集や遠隔制御といった業務においてコスト削減や業務効率化が実現できるというメリットが生じます。
例えば複数の遠隔地のセンサーからの計測値を人的ミスなしに一元管理することができますし、データも自動で蓄積されるため情報の可視化や将来予測も可能となり、新たなビジネスモデルの発見にもつながるかもしれません。特にアクセスが難しい地点に設置したセンサーや、発電設備などメンテナンスフリーに近い生産設備での効果は絶大でしょう。

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NTTPCの「Master'sONE®モバイル」は、モバイル端末から社内ネットワークに安全にアクセスできるVPNモバイルサービス。インターネットを経由せず、セキュアなVPN(閉域)を利用します。
GW接続料金の設定もなく、VPNモバイルが1回線から安価に使えるので、BYODデバイスによる在宅勤務など、働き方改革やリモートワークの推進に寄与するほか、IoT、M2Mなどのネットワーク構築時にもお役に立ちます。

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「InfoSphere®モバイル」は、InfoSphere®モバイルのSIMを入れたモバイル端末からインターネットを経由して自社ネットワークなどへの接続を提供するサービスです。
インターネット接続の際には、NTTPC網内でラージスケールNATによるIPアドレス変換をしているため、不正アクセスやDDoS攻撃などのサイバー攻撃リスクを低減します。
インターネットを通じたクラウド利用や社内リモートアクセス、センサーデバイスやM2Mルーターなどからのデータ収集に利用することはもちろん、グローバル固定IPアドレスの付与(有料オプション)も可能なのでリモートアクセス時にIPアドレス制限をかけたりIoT / M2M通信で遠隔からモバイル端末を制御する際にも活用できます。

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まとめ

今回は、SIMが「Subscriber Identity Module」の頭文字で、サービス加入者の情報(識別番号、電話番号、メールアドレスなど)が記録されているものであること、そしてこれらの情報のおかげで、ユーザーはモバイル端末から電話回線を通じて音声通話やWebページ閲覧などのサービスを利用することができることを説明しました。また、サイズ別に分類するとカード型SIMには「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類、チップ型SIMには「MFF2」などがあり、機能別に分類すると「音声通話SIM」「データSIM」「データSIM+SMS」の3種類があることも紹介しました。
総務省によりSIMロック解除の義務化が示された現代においては、SIMフリーの端末が利用可能となったこともあり、目的や料金を考慮した自由なSIM選択が可能となりました。
特にIoTネットワークを構築する企業などにとっては業務の効率化を目指す好機ではないでしょうか。
今回の記事を参考に、自社に適したSIMについていま一度検討してみてはいかがでしょうか。

※「FOMA/フォーマ」は株式会社NTTドコモの登録商標です。

※ICT Digital Columnに記載された情報は、リリース時点のものです。
商品・サービスの内容、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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