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ネットワーク輻輳とは?SD-WANを使った改善方法を紹介

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ネットワーク応答が悪くなる原因のひとつに「ネットワーク輻輳(ふくそう)」があります。ネットワーク輻輳が生じると回線速度が低下し、「遅い」「ページが表示されない」といった現象が発生します。ここでは、ネットワーク輻輳の概要やその原因、およびネットワーク輻輳を発生させないための対策を解説します。ぜひ参考にしてください。

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目次

ネットワーク輻輳とは?

「輻輳(ふくそう)」とは、「様々なものが1ヶ所に集中して混雑している状態」を指します。そして「ネットワーク輻輳」は通信回線にアクセスが集中している状態を指します。ネットワーク輻輳が発生すると、通信速度が低下したり、つながりにくくなったりといった現象が発生します。また、場合によってはシステムがダウンすることもあります。
大地震など大規模な災害の発生時や、人気アーティストのチケット予約受付開始時などに、ネットワークがつながらなかった経験をお持ちの方も多いと思いますが、これはまさにネットワーク輻輳が生じているために起きた現象だったのです。

また、一旦ネットワーク輻輳によりネットワークの中継器(スイッチングHUB)に負荷がかかると、「パケット」と呼ばれる通信データが正常に送受信されずに消失してしまうことがあります。これをパケットロスと呼びますが、その場合、パケットを正常に送信できるまで再送信し続けるため、さらに通信速度が低下することになります。

ネットワーク輻輳への3つの対策

業務に欠かせないインターネットを快適に効率よく利用するためには、ネットワーク輻輳を発生させないことが重要です。以下に3つの対策を紹介します。

通信速度の速さよりも安定性の高い回線を利用する

インターネット回線を選ぶ際には、どうしても「下り最大○Gbpsによる高速通信」といった最大通信速度に目がいってしまいます。しかし、ほとんどの場合「ベストエフォート」と呼ばれる理論上の数値であり、一度に多くのユーザーがアクセスしたり通信量が多かったりすれば速度は低下します。また、ルーターやケーブルといった利用環境によっても速度が低下する場合があります。
そこで、インターネット回線選定時は、最大通信速度だけではなく、利用環境や混雑状況を考慮した「実際の通信速度」や「安定性」に注目して選ぶことをおすすめします。

輻輳しにくいIPoE方式を導入する

現在利用しているネットワークがPPPoE方式であれば、IPoE方式に切り替えることをおすすめします。従来のPPPoE方式ではユーザーが増加すると混雑しがちでしたが、IPoE方式はPPPoE方式に比べて周波数の幅(帯域幅)が広く、大容量のデータを一度に流すことが可能です。そのため、IPoE方式はPPPoE方式に比べてネットワーク輻輳が発生しにくいといえます。

セッション数を想定した処理能力の高いルーターの導入

回線や接続方式を見直しても、利用機器の性能が低ければ回線の安定性や速度が十分に活かされません。特にルーターの性能は通信速度に大きく影響します。そのため、インターネット回線の見直しとともに、ルーターの見直しも検討しましょう。

ルーターにも、インターネット回線と同様に「スループット」と呼ばれる通信速度に関する性能値があります。まずはこの値が回線に応じた値になっているかを確認しましょう。
また業務用ルーターでは「セッション数」の値も確認する必要があります。セッション数はルーターに同時に何台の端末を接続できるかの目安になる値です。端末1台あたりに必要となるセッション数は業種などにもよりますが、仮にメールやインターネット利用で各端末が約100セッションを消費するとすれば、50端末では5,000セッションを消費する計算になります。それより小さいセッション数にのみ対応したルーターを使用している場合、インターネットに接続できない、といった事態が生じます。
したがって、どの程度のセッション数が必要なのかを想定した上でルーターを購入することが重要です。

業務に必要な情報を処理しきれる回線速度を知る

もちろん回線速度は速ければ速いほど好ましいですが、実際の業務においてどの程度の速度が必要かを知っておくと必要はあるでしょう。例えば、次の表は各用途において快適に利用できる通信速度の一覧です。

用途 快適に利用できる通信速度
メール・LINEなど ~1Mbps
Webサイト閲覧 1Mbps~10Mbps
動画視聴 SD:1.1Mbps
HD:5Mbps
4K:20Mbps

用途や同時接続数などから必要な回線速度を見積もった上で回線を選択しましょう。

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企業によってはSD-WANを導入することで、ネットワーク輻輳を改善できる可能性があります。
NTTPCが提供するSD-WANのセキュアパッケージタイプは「フレッツ」回線を使用しており、大容量のデータを一度に流すことができるIPoE方式に対応しています。そのため、輻輳しにくく、より快適な通信環境を実現できます。
他にも、SD-WAN機能を活用したトラフィックの最適化、ネットワーク運用の効率化ができる機能を紹介します。

※「フレッツ」等はNTT東日本、NTT西日本の登録商標です。

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SD-WANのインターネットブレイクアウト機能を使って輻輳を改善する

一般的に複数拠点を持つ企業はセキュリティ対策のため、本社経由でインターネットへアクセスするケースが多いのが特徴です。
しかし、最近はOffice 365®利用時の多数のセッションやWindows®Updateによる膨大なトラフィック(通信量)の影響により「Office365®が遅い」や「ネットワークが繋がらない」などの問題が生じていることもあります。
そうした場合には「インターネットブレイクアウト」機能を活用することで、通信速度を改善することが可能です。

NTTPCが提供するSD-WANのインターネットブレイクアウト機能なら、Office 365®利用時の多数のセッションや、Windows®Updateによるバーストトラフィックを、センター拠点を介することなくオフロードできるため、トラフィックの過剰な集中を防止できます。

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SD-WANでトラフィック(通信量)を可視化し、事前に遅延や不通を回避できる

SD-WANの管理コンソールを活用し、アプリケーションごとのトラフィックを可視化することで、「いつ」「どのWebアプリケーションが」「どれくらいの通信量で」利用されているのかを把握することが可能です。また、拠点単位での通信量も可視化できるため、Windows®Updateなどによる帯域不足を検知して対策を講じることもできます。
どのくらいの通信量が流れているのかという「トラフィック」の状態を可視化し、把握した上で、余裕を持たせたネットワーク設計に変更しましょう。

NTTPCが提供するSD-WANなら、アプリケーションの可視化と制御をWeb上のコントロールパネルから確認することができます。

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輻輳が起こってしまう背景や原因

インターネット回線業者は、ネットワーク輻輳が生じないための様々な対策を講じていますが、未だ完全な解決にはいたっていません。どういった理由で発生しているのか、その背景や原因を見てみましょう。

クラウドサービスの急速な普及

近年、急速に普及し始めたクラウドサービス。Webメールやオンラインスケジューラ、オンラインストレージなど様々なツールが提供されています。その代表的なものがOffice 365®ですが、このようなクラウドサービスは、外出先でも手軽に利用でき、端末を選ばないなどのメリットから、多くの人が利用しています。

従来はパソコン内部に保存していたメール・スケジュール・各種ファイルなどのデータをすべてクラウド上に保存できるようになった反面、それらのデータを利用する際にはその都度アクセスしなければならないため、従来よりもインターネットアクセスの頻度は上昇しました。

データ容量の巨大化

パソコンの処理能力の向上にともなって、処理できるデータ容量も従来に比べて大きくなってきました。以前は数十KB程度だった画像ファイルは、今では数MB以上の容量を持つファイルが大多数となっています。また、以前と比較して動画データを気軽にやり取りする機会も多くなりました。

加えて、インターネットに接続する端末も爆発的に増えています。かつて一家に1台だったパソコンは今や1人に1台に。また、スマートフォンやタブレット、ゲーム機器など、あらゆるものがインターネットに接続できる時代になりました。やり取りするデータ容量が大きくなったこと、同時接続する台数が増えて回線に流れるデータの総量が大きくなったことも、輻輳が起きやすい背景といえます。

年式が古いルーターや機器の使用

より性能の高いネットワーク機器が次々と開発されています。わずか数年前の製品であっても、ルーターやその他のネットワーク機器が回線の速度に対応できず輻輳が発生する原因になることもあります。

「壊れたから入れ替える」のではなく、こまめに性能をチェックして、常に十分な性能を持つ機器を導入するようにしましょう。

まとめ

現代の企業にとって、インターネットはなくてはならないビジネスツールです。 ネットワーク輻輳により回線速度が低下したり、接続できない状況が続いたりした場合、決して小さくない損害を被ることになります。また、「遅い」と感じながら業務に当たることは、社員のストレスにもつながるでしょう。

ネットワーク輻輳の発生抑制は、業務の効率化とコスト削減に直結します。今回の記事を参考にして、ぜひネットワーク輻輳への対策をご検討ください。

※ICT Digital Columnに記載された情報は、リリース時点のものです。
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