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専用線とVPNの違いとは? 最適なネットワーク構築のヒントをご紹介

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拠点間を物理的に接続し、独占的に使用する「専用線」。今回は専用線とは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのかを説明し、専用線とVPNとの違いについても解説します。自社にとって最適なネットワークを構築するヒントとしてぜひご一読ください。

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目次

専用線とは?

「専用線」は、2拠点間を物理的に接続し、独占的に使用する回線を指します。利用者自身が回線を設置する「私設回線」と言う形式もありますが、多くの場合は通信事業者が用意した回線を使用し、各拠点に光信号をデジタル回線に変換する「ONU(Optical Network Unit、光回線終端装置)」およびネットワークを中継する「L3スイッチ」などを設置して利用します。
従来は1回線のみで接続していたため、その回線に障害が発生した場合にはインターネット通信が完全に停止してしまうという問題がありました。しかし、最近では回線を冗長化し、自動で通信経路を切り替える経路制御プロトコル「BGP4(Border Gateway Protocol ver.4)」などを活用することで障害発生時にも通信を維持できるような仕組みも開発されています。

従来の場合 インターネット通信が完全に停止→冗長化構成の場合 自動で通信経路を切り替え、安心!

専用線のメリット・デメリット

まずは2拠点間を直接接続する専用線のメリット・デメリットについてみてみましょう。

専用線のメリット

不特定多数の人が利用する公衆回線と違い、専用線は自社で回線を独占的に使用できます。そのため、一定の通信速度を維持できる、容量の大きなデータをやり取りできる、などの利点があります。
また、利用者が限定されており第三者の侵入が難しいことから、高いセキュリティ性能を確保できるというメリットもあります。

専用線のデメリット

一方、専用線の利用を考える際に特にネックになるのはコスト面でしょう。私設回線の場合は敷設の工事費用がかかりますし、通信事業者が用意した回線を使用する場合でも距離や通信容量に応じた利用料金が必要となります。
独占的に使用することへの対価とも言えますが、通常のインターネット回線と比較すると高コストと言えます。

専用線とVPNの違いを比較

専用線のコスト面の課題を克服した回線が「VPN(Virtual Private Network、仮想専用線)」です。ソフトウェアを利用してネットワーク上に「仮想的な」専用線を構成します。
ここで専用線とVPNの違いをみてみましょう。
なお、VPNには「インターネットVPN」「エントリーVPN」「IP-VPN」「広域イーサネット」などの種類がありますので、評価には幅を持たせています。

違い 専用線 インターネットVPN エントリーVPN IP-VPN / 広域イーサ
コスト
セキュリティ
通信品質
運用負担

◎=特に優れている、〇=優れている、△=特に優れているとは言えない

専用線の活用シーン

最近は選択肢の増加や関連技術の進歩によりVPNを採用する企業が増加していますが、通信品質が安定していて高いセキュリティ性能を有する専用線へのニーズは依然として高いと言えます。
以下にいくつか専用線の活用シーンを紹介します。

  • 高いセキュリティ性能を必要とするシーン
    金融機関、ネット証券会社やECサイトの運営など、口座情報、クレジット情報などの重要な個人情報を拠点間でやりとりする必要があるシーンでは、セキュリティ性能が高い専用線の活用が有効です。
  • 容量の大きなデータを安定して送受信するシーン
    データセンター間の通信や、Webサイト上でのライブ配信など、大容量のデータを送受信するシーンでは、通信品質が安定している専用線の活用が有効です。
  • ミッションクリティカルなシーン
    警察・消防や電力会社など、停止が許されないミッションクリティカルな業務を行うようなシーンでは、第三者の影響を受けにくく信頼性の高い専用線の活用が有効です。

VPNの活用シーン

一方、VPNの使用に適しているケースもあります。VPNの活用シーンも見てみましょう。

  • 多くの拠点を必要とするシーン
    地方自治体など、多くの支所、出張所、連絡所等を結んで業務を行う必要があるシーンでは、物理回線を接続する必要がなく、拠点の再編成にも迅速に可能なVPNの活用が有効です。
  • 海外拠点を含むネットワークを構築するシーン
    家電メーカーなど、海外の生産拠点や販売会社を含む遠距離のネットワークを構築するシーンでは、共用の公衆回線を使用することでコストを抑えることのできるVPNの活用が有効です。
  • 柔軟な働き方を実現するシーン
    在宅テレワークやBYODなど、今後の柔軟な働き方の実現を目指すうえでは、導入が容易で一定のセキュリティが確保できるVPNの活用が有効です。

VPN接続についての詳細は以下記事をご参照ください。
『VPN接続とは?VPNの基本とメリット・デメリットを紹介』

VPNと専用線を使い分けて最適なネットワーク構築を

VPNと専用線には、それぞれメリットがあり、二者択一というものではありません。必要に応じて使い分け、自社にとって最適なネットワークを構築することが重要です。

NTTPCが提供するサービス

NTTPCでは、最適なネットワークを構築するための各種サービスを提供しています。

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データセンターや本社などトラフィック量が多く高い品質と信頼性を求める拠点に最適です。

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まとめ

今回は「専用線」が2拠点間を物理的に接続して独占的に使用する回線を指すこと、そして一定の通信速度を維持できる、大容量のデータをやり取りできる、高いセキュリティを確保できる、などのメリットがあることを説明しました。また、専用線とVPNとを比較し、専用線にはセキュリティ面や通信品質面で、VPNにはコスト面や運用負担面で優位性があることを確認しました。
活用シーンでご紹介した通り、専用線はWebサイト上でのライブ配信、ネット証券、ECサイトなどの事業を営むうえで最適な回線と言えます。
専用線、VPNそれぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自社にとって最適なネットワークについて検討してみてはいかがでしょうか。

※ICT Digital Columnに記載された情報は、リリース時点のものです。
商品・サービスの内容、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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