一人作業の安全対策!4つのリスクとウェアラブル活用
一人作業には発見の遅れや体調異変の見逃しといったリスクがあります。本記事では、一人作業の安全対策や事業者の法的責任、ウェアラブルデバイスを活用した見守り対策について分かりやすく解説します。
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一人作業に潜む4つのリスク
一人作業は、人手不足や業務効率化などを背景に様々な現場で行われています。しかし、周囲に助けを求められない環境であるため、事故や体調不良が発生した際の対応が遅れやすく、重大災害につながるリスクがあります。まずは、一人作業に潜む代表的な4つのリスクを確認しておきましょう。
1:転倒・転落などによる発見遅れのリスク
一人作業の大きなリスクは、事故や体調急変が発生した際に周囲に人がいないため、発見が遅れる点です。転倒・転落による負傷や意識障害、心筋梗塞・脳卒中などが発生すると、自身で連絡できなくなる可能性があります。発見・救助までの時間が長くなるほど被害は深刻化するため、単独作業そのものが安全管理上の課題となります。具体的には、建設現場での高所作業、閉鎖空間における危険物の取り扱い、単独での重機操作、マンホール内などスマートフォンが使用できない場所での点検業務などが挙げられます。
2:熱中症などは重症化するまで気づきにくい
熱中症の初期症状はめまいや立ちくらみ、筋肉のこわばりなど軽微なもののため、作業に集中していると本人が兆候を見過ごしやすい傾向にあります。頭痛やふらつきから始まる脱水症、手の震えや発汗から始まる低血糖なども同様です。こうした疾病は本人が気づかないまま進行することがあり、一人作業中に倒れた場合は発見が大幅に遅れることがあります。
3:慣れや疲労の蓄積が判断力と注意力を鈍らせる
人間には同じ作業を長期間繰り返すうちに慣れが生じ、危険を過小評価する傾向があります。その結果、機械への巻き込まれや高所からの転落など、重大事故につながるおそれがあります。また、一人作業では業務を抱え込みやすく、十分な休憩を取れないまま長時間労働が続くことで、疲労が蓄積する傾向があります。疲労による判断力や注意力の低下は、危険の見落としや過小評価につながり、重大な事故を招くおそれがあるため注意が必要です。
4:一人作業は管理の属人化を招きやすい
複数人で作業している場合には、互いの行動を見守ることが集中力や注意力の低下の抑止力になり得ます。しかし、一人作業ではそうした作用が働かず、電源遮断などの安全手順を省略してしまうケースも見られます。このような属人化を防ぐためには、作業手順書やチェックリストを整備し、安全行動を標準化することが重要です。
厚生労働省の「令和7年における労働災害発生状況(確定)」によると、建設業では休業4日以上の死傷災害13,437件のうち、「墜落・転落」が4,343件ともっとも多く、次いで「転倒」が1,579件、「はさまれ・巻き込まれ」が1,496件となっています。また、製造業では「はさまれ・巻き込まれ」が5,992件ともっとも多く発生しており、機械設備を扱う作業における安全対策の重要性がうかがえます。
一人作業では、このような事故が発生しても異常に気付く人がおらず、発見や救助が遅れる可能性があります。そのため、安全手順の徹底に加え、見守り体制や緊急時に対応できる仕組みを整備することが重要です。
一人作業中の事故で企業が問われる法的責任
一人作業そのものは法律で一律に禁止されているわけではありません。しかし、事故や急病が発生した際に発見が遅れやすいなど特有のリスクがあるため、企業には適切な安全管理体制を整備する責任があります。一人作業にともなう危険を事前に洗い出し、リスクアセスメントを実施した上で必要な安全対策を講じることが重要です。
安全対策が不十分な状態で事故や労働災害が発生した場合には、労働安全衛生法に基づく行政指導や作業停止命令の対象となる可能性があります。また、労働契約法上の安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われるケースもあります。さらに、重大事故が発生した場合には企業の社会的信用や採用活動、取引関係にも大きな影響を及ぼしかねません。
熱中症対策の義務化と罰則について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
【2025年6月】熱中症対策が義務化!罰則内容と職場の対策
従来の一人作業対策では安全管理に限界がある
一人作業には、事故発生時の発見の遅れや体調不良の見逃しなど、様々なリスクがあります。そのため、多くの企業では安全教育や定期連絡、巡回点検などの安全管理を実施しています。しかし、これらの対策だけでは事故や体調異変をリアルタイムで把握することが難しく、一人作業の安全確保には限界があるのが実情です。
定時連絡だけでは発見の遅れを防げない
事故後の対応の遅れを防ぐには、一人作業者による定時連絡が有効です。しかし、本人からの定時連絡がない場合や、管理者側で位置を正しく把握できない場合には、発見の遅れを防ぐことはできません。
自己申告に依存した体調管理には限界がある
一人作業開始前などに自身の健康状態や体調を自己申告する形で管理する方法は、自己申告の精度には個人差があり、業務上の事情などから実際の体調よりも良好に申告してしまうケースもあります。そのため、自己申告だけに依存した体調管理には限界があります。
目視や巡回では疲労や異常の兆候をとらえられない
監督者を配置し、目視や巡回によって一人作業者の疲労の蓄積具合や熱中症などの兆候を発見する取り組みは、以前から行ってきました。
しかし、発見の精度が監督者個人の経験や能力により左右されること、外見の情報のみに依存するため完全には兆候を捉えられず、見落とす可能性があります。
バディ制や巡回は人手不足で継続が難しい
建設業や製造業など、人手不足や就業者の高齢化が課題となっている業界では、バディ制や巡回による安全管理を継続することが難しいケースがあります。国土交通省の資料によると、建設業の技能者のうち60歳以上は約25%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっており、将来の担い手確保が課題となっています。こうした状況では、バディ制の導入や巡回頻度を増やすことは一人作業中の事故防止に有効である一方、十分な人員を確保して継続的に運用することは容易ではありません。そのため、人手による安全管理だけに依存するのではなく、見守りシステムやウェアラブル端末などを活用し、一人作業者の異常を早期に把握できる仕組みを構築することが重要です。
一人作業の安全対策に活用される見守り技術

一人作業特有の課題に対応するため、スマートフォンやカメラ、ウェアラブルデバイスなどを活用した見守り技術が注目されています。
スマートフォン(安否確認アプリケーション)
スマートフォンなどの端末で利用できる安否確認アプリケーションは、一人作業時の連絡手段を補完するツールとして活用が可能です。定時連絡や緊急通知、位置情報の共有などの機能により、作業者の状況把握や異常発生時の迅速な対応を支援できます。
一方で、事故や体調急変により作業者自身が端末を操作できない場合には対応が難しいという課題もあります。そのため、スマートフォン単体での対策ではなく、ウェアラブルデバイスやセンサーなど、自動的に異常を検知できる仕組みと組み合わせることで、より効果的な一人作業の安全管理につながります。
カメラ・センサー
カメラやセンサーを配置し、従業員に異常がないかを見守るという選択肢もあります。近年ではAIカメラの活用により、管理者の負担を軽減しながら、作業環境や作業者の健康状態をリアルタイムで監視することも可能となってきています。
作業エリアの映像や各種センサーの情報をもとに、転倒や立ち入り禁止区域への侵入、長時間の停止などを検知できる製品もあります。特に、工場や倉庫、設備管理など、一定の作業場所で一人作業を行う環境では、異常発生時の早期発見や迅速な対応につながります。
ウェアラブルデバイス
ウェアラブルデバイスは、一人作業における安全対策として注目されているツールです。腕時計型をはじめとした製品の中には、脈拍や体表温度などの生体情報、位置情報を取得し、管理者へ自動で共有できるものがあります。
また、生体データの異常や転倒、墜落などを検知した際に自動でアラートを発報する機能を備えた製品もあり、作業者自身が連絡できない状況でも異変の早期発見につなげることが可能です。定時連絡や巡回だけでは把握が難しい体調変化や事故への対応を補完できるため、一人作業における安全管理の強化に有効な手段として導入が進んでいます。
一人作業の見守りには「みまもりがじゅ丸®」がおすすめ
NTTPCの「みまもりがじゅ丸®」は、リストバンド型のウェアラブルデバイスを通じて一人作業者の脈拍や位置情報を収集できる見守りサービスです。脈拍や位置情報をリアルタイムで収集・管理できるため、管理者は離れた場所にいる作業者の状況を把握できます。また、転倒時の自動アラート発報機能や、緊急時のSOS送信機能も備えており、作業者自身が連絡できない状況でも異常を把握しやすくなるため、発見の遅れ防止に役立ちます。さらに、定時連絡や巡回だけでは把握しきれない体調変化や異常の兆候を確認できるため、一人作業にともなう安全管理の負担軽減にも役立ちます。建設現場や設備保守、インフラ点検など、一人作業が発生する様々な現場で活用できる点も特徴です。
「みまもりがじゅ丸®」では、熱中症対策に加え、一人作業時の安全管理に対応したお申し込みタイプもご用意しています。詳しい内容をご希望の場合は、お問い合わせください。
まとめ
今回は、一人作業の安全対策について解説しました。一人作業には、事故や体調急変時の発見の遅れ、熱中症などの体調異変の見逃し、慣れや疲労による判断力の低下、安全管理体制の属人化といった特有のリスクがあります。また、人手不足や就業者の高齢化が進む業界では、従来の巡回やバディ制だけで安全管理を継続することが難しくなっています。万が一、一人作業中に事故が発生した場合、企業は労働安全衛生法や安全配慮義務の観点から責任を問われる可能性があります。そのため、安全手順の徹底やリスクアセスメントなどの基本対策に加え、異常を早期に検知・通報できる仕組みを整備することが重要です。ウェアラブルデバイスやAIカメラなどを活用した見守り体制を構築すれば、人の目だけでは把握しきれない体調変化や事故を早期に検知し、一人作業における安全管理の強化につなげることができます。
※「みまもりがじゅ丸®」「みまもりがじゅ丸ロゴ」は、NTTPCコミュニケーションズ株式会社の登録商標です。
※「みまもりがじゅ丸®」は、ヘルスケアサービスです。 医療機器とは異なります。
※「みまもりがじゅ丸®」は、疾病を診断するサービスではありません。熱中症や頻脈などの症状を診断することはできませんのでご注意ください。
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