ランサムウェアなどのサイバー攻撃のニュースを見て、「インターネットに接続されている自社のVPN装置(VPNルーター)は大丈夫だろうか」と不安になったことはないでしょうか。VPN装置を長く使い続け、ファームウェアの更新や脆弱性への対応ができていない場合、攻撃への備えが十分なのか判断できません。
しかし、更新すればよいと分かっていても、「今の設定が分からない」「更新後に通信できなくなるのが怖い」「障害が起きたときの相談先がない」といった理由で、更新に踏み切れない情シス担当者は少なくありません。本記事では、インターネットに接続されているVPN装置を安全に運用するために越えるべき3つのハードルと、いますぐ確認したい項目を整理します。
この記事でわかること
- インターネットに接続されているVPN装置を使い続けるうえで、何を確認すべきかの考え方
- 「更新したくてもできない」情シス担当者に共通する3つの事情
- まず何から確認すればよいか、負担の少ない順序
1. サイバー攻撃のニュースを、自社の問題として考える
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向け脅威の1位に「ランサム攻撃による被害」、4位に「システムの脆弱性を悪用した攻撃」、8位に「リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃」が挙げられています。インターネットに接続されているVPN装置のような外部ネットワークと接続する機器についても、設定や脆弱性への対応状況を継続的に確認することが、こうした脅威への備えとして重要と考えられます。
少人数で複数拠点を支える情シス担当者からは、「自社のVPN装置は何年も動いているが、ファームウェアが最新の状態か分からない」「脆弱性の情報を見ても、自社の機器が対象かすぐに判断できない」といった声が聞かれます。漠然とした不安の背景には、装置そのものだけでなく、設定・更新・障害対応を継続できる体制の問題があります。
出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」組織編
2. 問題は「VPN」そのものではなく、設定と運用の状態
VPNは、導入すればそのまま安全に使い続けられる仕組みではありません。サイバー攻撃を想定し、現在の設定を把握すること、脆弱性情報を確認すること、必要な更新を安全に行うこと、障害時に復旧できるよう備えることが必要です。
とはいえ、実際には「更新していない」こと自体が問題なのではありません。更新後の影響を予測できず、更新したくても踏み切れない事情があります。その背景は、次の超えるべき3つのハードルに整理できます。
- 現在の設定を把握できていない
どの拠点と接続しているか、どの通信や業務がインターネットに接続されているVPN装置を経由しているか、誰がどのような方針で設定したかを確認できない状態です。設定変更を行った担当者が異動・退職していたり、構成図や設定情報が更新されていなかったりすると、変更の影響範囲を判断できません。 - 更新後の影響を確認できない
ファームウェアを最新化したくても、検証環境がなく、更新後に既存の通信や業務システムが正常に動くかを事前に確かめられないことがあります。切り戻し方法も確認できていなければ、「更新による停止」と「更新しないリスク」の間で判断が止まってしまいます。 - 困ったときの相談先が決まっていない
保守契約が終了している、導入時の販売元や設定事業者が分からない、障害発生時の社内外の連絡先が整理されていない、といった状態です。担当者一人だけで抱え込むほど、更新判断も障害対応も難しくなります。
ポイント
- 「VPNをやめるべきか」ではなく、「設定・更新・支援体制を確認できているか」で見直すと、着手点がはっきりします。
- 更新できていない担当者を責める話ではありません。更新に踏み切れない理由を、ひとつずつ確認することが出発点です。
3. まずは、次の順序で現状を確認する
3つのハードルが見えたら、あとは超えるための確認の順序です。いきなりすべてを変更するのではなく、まず現状を把握することから始めます。
| STEP | 確認すること | 確認の目的 |
| 1 | 機器の棚卸し | 機種、導入時期、保守期限、ファームウェアの状況を把握する |
| 2 | 設定と接続先の確認 | どの拠点・通信・業務がVPN装置を経由しているかを確認する |
| 3 | 更新手順の確認 | 事前確認、作業時間、切り戻し方法、更新後の確認項目を決める |
| 4 | 障害時の体制確認 | 対応手順、担当者、販売元・保守先などの連絡先を文書化する |
自社調べ
この順序であれば、自社だけで整理できる範囲から着手できます。1、2で現状を見える化し、3、4で更新や障害時の判断材料をそろえることで、「更新したくてもできない」状態から一歩前に進めます。自社だけで設定の確認や更新後の影響判断が難しい場合は、VPN装置の設定・更新・障害対応を継続的に支援できる事業者へ相談する方法もあります。
まとめ:漠然とした不安を、確認すべき項目に変える
VPNそのものが危険なわけではありません。見直すべきは、インターネットに接続されているVPN装置の設定を把握し、脆弱性情報を確認し、必要な更新を安全に行い、障害時に対応できる状態になっているかです。
「設定が分からない」「更新後が怖い」「相談先がない」という3つのハードルを確認すれば、漠然とした不安は次にやるべきことに変わります。まずは「VPN見直し前チェックリスト」で、自社の状況を確認してみてください。
▶まずは自己診断から(無料チェックリストダウンロード)
本記事の内容を10項目にまとめた「VPN見直し前チェックリスト」を無料で配布しています。拠点ごとの棚卸しや、社内での現状共有にご活用ください。
▶確認の進め方を相談したい方へ(オンライン30分・無料)
「何から確認すべきか」を一緒に整理する無料相談を承っています。具体的な製品選定の前段として、現状整理だけでもお気軽にどうぞ。
※本記事は、実際の無料相談で複数のお客さまから共通して寄せられた声をもとに構成しています。特定の企業・個人を示すものではありません。