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大量のIoT向けSIMをどう管理する? 3つの利用シーンから分かる管理コンソールの活用メリットとは

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監視カメラやセンサーなどモバイル通信を利用するIoT機器を複数拠点で運用すると、IoT機器の増加に伴って管理するSIMも増えていきます。管理するSIMの枚数が増えるほど、どのSIMをどの機器・拠点で使用しているのか、通信量や通信状態に問題がないかを個別に確認することが難しくなります。
こうした管理を効率化するのが、法人向けSIMサービスで提供されている「管理コンソール」です。管理コンソールはSIMの識別情報や通信量、通信状態をまとめて確認し、回線の停止・再開、追加発注、通信プラン変更などを行うことで、大量のSIMを利用するIoT用途などにおいて管理者の運用負担を軽減できます。ただし、利用できる機能や操作範囲は提供サービスごとに異なるため、自社の運用に必要な機能を見極めることが重要です。
本記事では、IoT向けのSIM管理において管理コンソールの主な機能やメリットを整理し、運用ルールの作り方と管理コンソールの選定ポイントを解説します。①複数拠点の遠隔監視、②エンドユーザーへのIoT端末提供、③期間限定利用に伴い、機器の設置・撤去が頻繁に発生するケース、という3つの利用シーンにあわせて具体的な利用方法やメリットを紹介します。

1. IoT向けSIMの管理とは?SIM枚数が増えるとSIM管理が難しくなる理由

IoT向けSIMの管理は、識別情報や通信プランに加え、SIMを搭載した機器、拠点、設置場所、利用目的、通信量、通信状態などを継続的に把握しなければなりません。SIM導入時の設定から、運用中の利用状況の確認、機器の交換・撤去に伴う回線の変更、停止、廃止まで、導入から廃止まで継続的な管理が必要です。
管理するSIMの枚数が少なければ、SIMの識別情報、通信プラン、設置先などを表計算ソフトで管理する方法もあります。しかし、機器の台数が増え、さらに機器の移設や交換、撤去が繰り返されると、台帳と実態にずれが生じやすくなります。現在利用しているSIMの情報が更新されていなければ、通信障害が発生した際に対象機器や設置先をすぐに特定できません。
なお、SIM管理とIoT機器管理は異なります。SIM管理が扱うのはモバイル回線の情報や状態であり、IoT機器管理が扱う端末設定やファームウェア、計測値、稼働ログなどとは、管理対象が異なります。SIMが通信可能でも機器が正常に動作しているとは限らないため、必要に応じて両方の情報を確認する運用が重要です。

2. 法人向けSIMサービスの管理コンソールでできること

法人向けSIMサービスで提供されている管理コンソールは、複数のSIMに関する情報をWeb上でまとめて確認・操作するための管理画面です。SIMの識別情報、通信プランの変更、SIMの発注など、SIMの管理に伴う負担を減らし、日常的な確認や運用をかんたんにできます。
法人向けSIMサービスの管理コンソールで確認・操作できる主な項目は、次の4つです。

管理項目 確認・操作する内容 活用する場面
SIM情報の管理 SIMの識別情報、通信プラン、SIM名、グループ名など 対象となるSIMを特定し、通信プランや搭載端末、設置場所などを確認するとき
通信量・通信状態の確認 SIMごとの通信量、利用状態、セッション情報など 通信プランの変更を検討したり、トラブル発生時に通信状態を確認するとき
回線の停止・再開 指定したSIMの通信を停止または再開 紛失、撤去、交換などに対応するとき
SIMの追加・通信プラン変更 SIMの発注、通信プランの変更など 機器の増設や利用状況の変化へ対応するとき

2-1. SIMと機器・拠点の対応関係を管理する

まず必要なのは、どのSIMをどの機器や拠点などで利用しているかを確認できる状態にすることです。識別情報や電話番号だけでは用途を判断しにくいため、管理コンソール内でSIM名やグループ名を付与し、SIMを搭載した機器名、設置場所などを照合できるようにします。
SIM名の設定、SIM名の検索、SIMのグループ分けの機能があれば、拠点別やエンドユーザー別にSIMを整理しやすくなります。検索や分析に活用できるよう、名称や分類方法、登録する情報の形式を社内で統一しておくことも必要です。

2-2. 通信量と通信状態を確認する

SIMごとの通信量は、通常より通信が多いSIMや、利用実態と通信プランが合っていない回線を見つける手掛かりになります。例えば、少量のセンサーデータを送る機器で通信量が急増した場合、設定変更、データの再送、ソフトウェア更新などが考えられます。管理コンソールだけで原因を断定することはできませんが、想定外の通信が発生した要因を絞り込めます。
また、複数のSIMを利用している拠点では、SIMごとの通信量を確認することで、長期間通信が発生していない回線などを把握できます。実際の設置状況や利用目的を確認したうえで、適切な通信プランへの変更や休止、廃止の要否を検討することで、通信コストの見直しにもつなげられます。

2-3. 回線の停止・再開や各種手続きを行う

機器の紛失、盗難、撤去、交換、想定外の通信などが発生した際は、対象SIMの通信停止を検討します。停止・再開操作に対応した管理コンソールであれば、回線管理の担当者が管理コンソール画面から対象SIMを選んで操作できます。一括操作の可否、停止・再開が反映されるまでの時間、停止中の料金も確認が必要です。
機器の増設に伴うSIMの追加発注や、通信量に合わせた通信プラン変更についても、管理コンソールから手続きできるサービスであれば、担当者が発注内容や変更対象を指定して申し込みを進められます。誤操作や意図しない契約変更を防ぐため、操作する担当者や承認方法も決めておきます。
ここからは、3つの利用シーンに沿って管理コンソールの活用方法を紹介します。

3. 利用シーン1|複数拠点の遠隔監視機器を管理する

複数拠点の遠隔監視機器を管理する

1つ目は、店舗、工場、無人施設、屋外設備など、複数の拠点に監視カメラやセンサーを設置するケースです。遠隔監視では、機器からクラウドや監視センターへデータを送るためにSIMが利用されます。対象拠点が増えるほど、SIMと設置場所の対応関係を正確に保つことが重要になります。
同じ型番の機器を複数拠点で使う場合も、SIM名やグループ名に拠点名、設置場所、機器管理番号、用途などを設定しておけば、調査対象の機器を特定しやすくなります。担当者が異動しても、円滑に引き継ぎ、現在の利用状況を確認・管理できます。
機器からデータが届かないときは、まず管理コンソールでSIMの利用状態や通信状態を確認します。管理コンソール上で通信が確認できない場合は、現地の電波環境や通信機器・端末の設定など、管理コンソール外の要因を順に確認します。通信が継続している場合には、カメラやセンサー、アプリケーション、クラウド側の確認が必要です。管理コンソールは原因を直接特定するものではありませんが、SIM通信の状態を確認できるため、一次切り分けに役立ちます。

4. 利用シーン2|IoT事業者がエンドユーザーに提供する端末のSIMを管理する

2つ目は、太陽光発電事業者、決済端末事業者などのIoT事業者がSIMを搭載した端末をエンドユーザーへ提供するケースです。通信機能を持つ監視機器、計測端末、決済端末などを提供する場合、エンドユーザーや端末の増加に合わせてSIMの発注、設定、出荷、利用開始などの作業が発生します。サービス提供後も、端末交換、通信プラン変更、利用停止、廃止などに対応しなければなりません。
エンドユーザーから通信トラブルの問い合わせを受けたときに対象のSIMを特定できるよう、SIMをエンドユーザー情報、端末の管理番号、設置先、通信プランなどと結び付けます。管理コンソールの識別情報と自社の顧客管理システムを、一意の管理番号などによって照合できる状態にしておくことが重要です。
SIM回線の誤停止はエンドユーザーのサービス停止につながります。操作する担当者を限定し、依頼内容、対象SIM、実施する操作を確認する手順を設けます。

5. 利用シーン3|期間限定利用に伴い頻繁に機器の設置・撤去が発生する

3つ目は、工事現場やイベント会場など、期間限定利用に伴い、機器の設置・撤去が頻繁に発生するため、SIM利用数が変動するケースです。期間限定で利用する拠点が増えるにしたがって、利用中、撤去済み、停止中、再利用予定のSIMが混在します。現場の撤去情報が回線管理担当者へ伝わらなければ、管理情報と実態が一致しなくなります。
設置している拠点ごとに利用中、停止中、撤去済みなどの状態を管理します。利用終了時は、機器の撤去、SIMの回収、管理情報の更新、再利用・廃止の判断を一連の手順にします。再利用時には設置先などの情報を更新し、必要に応じて通信再開や通信プラン変更を行います。
通信停止と、契約や料金の休止・終了は同じではありません。停止中も料金が発生するか、再開に何が必要かは契約条件によって異なります。停止すれば必ず費用を削減できると考えず、停止・休止・廃止それぞれの料金、手続きを確認します。

本記事の関連資料

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SIM導入後の運用で見落としがちなポイントを解説
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6. 大量のIoT向けSIMを管理するために決めておきたい運用ルール

管理コンソールを導入しても、登録情報や更新時期、担当者、異常時の対応が曖昧なままでは、古い情報が残ったり対応が遅れたりします。管理機能とあわせて、次の運用ルールを整えることが必要です。

6-1. SIM・機器・拠点の命名方法を統一する

管理画面へ任意の名称やグループを登録できても、担当者ごとに付け方が異なれば検索や集計に利用できません。「拠点名―機器種別―管理番号」のように、名称から設置先や用途を判断できるルールを決めます。顧客へ端末を提供する場合は顧客番号、期間限定の案件で使用する場合は案件番号など、既存の社内管理番号と対応させる方法もあります。

6-2. 情報を更新する担当者とタイミングを決める

SIMの追加、機器交換、移設、撤去、廃止などの際に、誰が情報を更新するかを明確にします。現場での作業結果を回線管理担当者へ伝え、SIM名・グループ名などの対応情報を更新します。情報更新を作業の完了条件に含め、変更時に反映する仕組みをつくります。

6-3. 異常を判断する基準と対応手順を決める

通信量や通信状態を確認できても、どの状態になったら対応するのかが決まっていなければ、担当者によって判断が変わります。通常時の通信量、通信が発生する頻度、許容できる停止時間などを機器や用途ごとに整理し、確認が必要となる条件を決めます。
異常が疑われる場合は、まず管理コンソールで確認できるSIMの利用状態や直近の通信量を確認し、その後、現地の電波環境、通信機器、端末、クラウドの順に確認するなど、一次切り分けの手順を用意します。回線停止が必要なケース、現地確認を依頼するケース、SIMサービス提供事業者へ問い合わせるケースを分けておけば、担当者が迷いにくくなります。

6-4. アカウントと操作権限を適切に管理する

管理コンソールでは、通信量の閲覧だけでなく、SIMの発注、通信プラン変更、通信停止など、サービスや機器の稼働に影響する操作を行う場合があります。複数の担当者で利用する場合は、サービス側のアカウント仕様を確認したうえで、管理者や利用ルールを定めます。担当者の異動や退職時に、認証情報やアカウント設定を見直す手順も決めておくことが重要です。
ログイン時の認証方式や、利用できるセキュリティ機能もサービスごとに異なります。提供される機能を確認し、自社の運用に合わせて認証情報を適切に管理します。

7. 法人向けSIMの管理コンソールを選ぶ際の確認ポイント

選定時は、現在と将来のSIM枚数、拠点、設置場所、機器の追加・交換頻度、管理担当者、障害対応を整理します。そのうえで、必要な機能を必須項目と、あれば効率化できる項目に分け、自社の業務を無理なく処理できるかを確認します。

確認項目 主な確認内容
一覧・検索 SIMの識別情報、名称、グループなどから必要なSIMを探し、機器・拠点・顧客・案件の情報と照合できるか
通信情報確認 通信量、通信状態、セッション情報をどの単位・頻度で確認できるか
回線操作 停止・再開に対応しているか、個別・一括のどちらで操作できるか
契約手続き SIMの追加、通信プラン変更、廃止などをオンラインで行えるか
API 自社システムとの連携が必要な場合、取得・操作できる情報と利用条件、設定条件などを確認
アカウント管理 ログイン方法、管理者アカウントの発行・変更・削除などの運用が自社に合っているか
サポート マニュアルやFAQ、障害時の問い合わせ窓口など、必要な情報・窓口を確認できるか

管理コンソールの機能が充実していても、インターネット接続やVPN接続といった通信方式や通信プランが利用用途に合っていなければなりません。SIMを利用する際に、インターネット接続と閉域接続のどちらが必要か、固定IPが必要か、上り・下りのどちらの通信が多いか、利用する場所で通信できるかなど、モバイル回線として必要な要件を確認します。その要件を満たしたSIMサービスのなかで、導入後にどのようにSIM管理ができるかを比較します。
NTTPCのIoT・M2M向けモバイルでは、Web上のカスタマーコンソールを提供しており、SIMの発注や通信量確認などの管理に利用できます。利用できる機能や表示内容はサービス・プランによって異なるため、導入検討時には最新のサービス仕様をご確認ください。
また、スタンダードタイプでは、自社システムとの連携に利用できるSIM管理APIも提供しています。利用できるAPI機能や条件は、最新の仕様をご確認ください。
https://www.nttpc.co.jp/sim/service/api.html

8. まとめ|IoT向けSIMは導入後の管理まで考えて選ぶ

IoT向けSIMが増えるほど、機器、拠点情報などとの照合、通信状態の確認、通信プラン変更などの管理業務も増えます。
3つの利用シーンで紹介した、
1)複数拠点の遠隔監視、2)エンドユーザーへのIoT端末提供、3)期間限定利用に伴い、機器の設置・撤去が頻繁に発生するケースでは、管理コンソールを活用して情報や手続きを集約することが有効です。
管理コンソールに必要な機能はSIMの台数や用途、確認頻度によって異なります。通信プランの料金や通信品質に加え、導入後に誰が何を確認・操作するかなど、管理コンソールを活用した運用ルールも含めて、運用体制を設計することが大切です。管理コンソールと運用ルールを組み合わせ、大量のSIMの追加、変更、停止、再利用が発生しても、無理なく効率的に管理を続けられる仕組みを整えましょう。