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【1周年特集】AI基盤を自社の敷地に、導入から運用までワンパッケージで ~水冷GPU×コンテナ型データセンターパッケージの仕組みと、開発の舞台裏~

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NTTPCコミュニケーションズ株式会社(以下、NTTPC)が2025年8月下旬に開設したオウンドメディア「AIとDXの新しいミカタ」が、1周年を迎えた。この1年間で最もアクセスを集めたのは、コンテナ型データセンター(以下、コンテナDC)を解説した記事である。生成AIの普及に伴ってAI基盤の整備が進むなか、短期間かつ柔軟に導入できるコンテナDCへの関心の高さがうかがえる。こうしたニーズを背景に、NTTPCは2026年9月8日、株式会社ゲットワークス、株式会社フィックスターズとの3社共同で「水冷GPUコンテナDC-PKG」の提供を開始した。コンテナDC、水冷GPUサーバー、統合モニタリング・運用支援を組み合わせ、GPU基盤の導入から運用までをワンパッケージで提供するサービスである。

本記事では、「AIとDXの新しいミカタ」1周年の連動企画として、記事がここまで読まれた背景にあるコンテナDCの基礎と、AI基盤に水冷が必要になった背景を整理する。そのうえで、パッケージの立ち上げを主導した営業担当の松本とサービス主管の近藤に、開発の背景と現場から見えているAI基盤の今後を聞き、最後に水冷GPUサーバーとコンテナDCを一つにまとめた水冷GPUコンテナDC-PKGの中身を紹介する。

本記事は次のようなお悩みをお持ちの読者におすすめ

  • 研究データや製造データなど、機密データを外に出したくない
  • 最新のGPUサーバーを置けるマシンルームがない
  • データセンターに空きがなかったり、GPUサーバーの消費電力増加に伴いコストが気になる
  • 工場や大学のキャンパスに空いている敷地があり活用したい

⇒いま、こうしたお悩みを持つ企業や大学・研究機関などから、コンテナ型データセンターへの関心が高まっている。

▶水冷GPUコンテナDC-PKGのプレスリリース(2026年9月8日):機密データを自社環境で活用できるAI基盤「水冷GPUコンテナDC-PKG」を提供開始

NTTPCコミュニケーションズ株式会社 AIソリューション事業部 ビジネスデザイン部門HPCコンサルティング部 松本 和也
NTTPCコミュニケーションズ株式会社
AIソリューション事業部 ビジネスデザイン部門 HPCコンサルティング部
松本 和也
NTTPCコミュニケーションズ株式会社 AIソリューション事業部 ソリューションデザイン部門 ソリューションデザイン部 近藤 直人
NTTPCコミュニケーションズ株式会社
AIソリューション事業部 ソリューションデザイン部門 ソリューションデザイン部
近藤 直人

【取り組みの背景】

  • NTTPCのオウンドメディア「AIとDXの新しいミカタ」の開設から1年、最もアクセスを集めたのは、コンテナ型データセンター(コンテナDC)の解説記事だった。AI基盤の整備が進むなか、短期間かつ柔軟に導入できるコンテナDCへの関心の高さがうかがえた
  • その背景の一つに、生成AIやAI推論の本格活用によるGPUサーバーの高性能化・高密度化がある。GPUサーバーの消費電力と発熱は4年で2倍以上に増加し、従来の空冷だけでは冷却が難しいケースが増え、水冷を前提としたAI基盤も登場している
  • こうした水冷GPU基盤では、サーバーだけでなく、冷却設備・電源・空調まで含めた一体的な設計が必要になる。そうした中で短期間・小規模から設置できるコンテナDCは、水冷GPU基盤を構築する有力な選択肢として注目されている
  • さらに、機密データの保護、大容量データをクラウドへ転送する際の通信コスト、遠隔地にある設備との連携などを背景に、AI基盤を自社敷地内やデータの発生場所に近い場所へ設置したいというニーズも高まっている
  • 一方で、コンテナDC、水冷GPUサーバー、監視・運用サービスはそれぞれ異なる事業者から提供されることが多く、AI基盤全体を設計し、構築から運用まで一気通貫で支援するには課題があった

【取り組みのポイント】

  • NTTPCは、ゲットワークス、フィックスターズとの3社共同で、水冷GPU基盤をコンテナ型データセンターとして提供する「水冷GPUコンテナDC-PKG」を2026年9月に提供開始した
  • 本パッケージは、「コンテナDC」「水冷GPUサーバー」「統合モニタリング・運用支援」の3つを組み合わせ、GPU基盤の導入から運用までを一体で提供する
  • コンテナDC:40フィート(約12m)のコンテナ内に、冷却装置、空調、監視カメラなど、水冷GPU基盤の稼働に必要な設備をあらかじめ組み込む
  • 水冷GPUサーバーのNVIDIA HGX B300を搭載したHPE製サーバーを1〜8台収容可能。セキュリティ機器やネットワークスイッチも含めて提供する
  • 統合モニタリング・運用支援:コンテナ設備とGPUサーバーの状態を一つの画面で統合監視する。障害発生時には監視センターが窓口となり、状況確認から各メーカーへの連絡まで対応する
  • 3社はそれぞれの専門領域を分担し、NTTPCがGPU基盤の構築、ゲットワークスがコンテナDCの製造・納入、フィックスターズがAIソフトウェアの知見を踏まえた統合モニタリングシステムの構築を担う
  • 参考料金は、GPUサーバー1台のスモール構成で初期費用3億円〜、月額75万円〜。納期は最短8ヶ月を想定している(税別、2026年8月31日時点の概算)

AIとDXの新しいミカタ立ち上げ1年で、最も読まれた記事はコンテナDCだった

本サイト「AIとDXの新しいミカタ」を2025年8月下旬に開設し、おかげさまで1周年を迎えました。本サイトは、お客さまの購買行動の変化に着目し、AI検索時代にいち早く対応することをコンセプトに掲げています。そのうえで、お客さまのニーズやインサイト、気づきに焦点を当て、お客さまの課題解決に向けた「新しい見方」を提供できるようにサイトづくりを進めてまいりました。
日頃より、多くの読者のみなさまにご愛読いただき、心より御礼申し上げます。

さて、1周年の振り返りとして、この1年でどんな記事がよく読まれているか見てみましょう。

順位 記事タイトル
コンテナ型データセンター入門ガイド|仕組み・コストから法規制まで、導入前に知っておくべき基礎知識
ISDNサービス終了を前に、止められない現場の通信をどう守る?SIMによるモバイル通信への移行のコツとは
SIM対応遠隔カメラ導入ガイド|SIMカメラ方式とSIMルーター方式の選び方から導入の流れまでを徹底解説
4位 NVIDIA DGX Sparkの性能評価とOEM比較|導入前に確認すべきポイント
5位 RTX PRO 6000 Blackwell Max-Q導入ガイド:他エディションとの違いとマルチGPU構成の選定基準

(編集部:守口)GPUやISDNのようなネットワーク関連の記事が上位に来るのは想像できたけど、まさか上位にそれも1位にコンテナ型データセンターの記事が読まれるとは、記事制作時には思いもしませんでしたね。

(編集部:大谷)はい、私も驚きでした。ただ、記事経由でのコンテナ型データセンターのお問い合わせやGPUに関するお問い合わせが目に見えて増えており、近年のAI需要の拡大をあらためて実感しています。

(守口)そうですね、お客さまからのお問い合わせや、検索のボリュームも増えており、AI基盤の新たな置き場として、コンテナ型データセンターが注目されていることがうかがえますね。

(守口・大谷)我々もまだ知らないことが多いコンテナ型データセンターですが、本記事ではNTTPCの営業担当の松本とサービス主管の近藤へのインタビューを交えながら、いま注目されているコンテナ型データセンターと水冷GPUに関して、分かりやすくお伝えします。

コンテナ型データセンターとは──「箱型のフル機能データセンター」

今回のパッケージの特徴を理解するために、まず前提から整理していきましょう。コンテナDCとはどのようなものなのか。そして、その中に収容する水冷GPUサーバーは、従来の空冷方式と何が違うのか。本章と次章で順に見ていきます。

一般にデータセンターといえば、多数のサーバーを収容するための専用施設を指します。サーバーだけでなく、冷却装置、電源設備、消火設備、セキュリティ設備など、安定して稼働させるためのさまざまな設備が備えられています。コンテナDCは、こうしたデータセンターに必要な機能を、建物ではなくコンテナの中に集約したものです。サーバーに加えて、冷却・電源・消火・セキュリティなどの設備を一体化することで、一つのコンテナが小型のデータセンターとして機能します。

コンテナ型データセンター(ゲットワークス社データセンターにて撮影)

コンテナ型データセンター(ゲットワークス社データセンターにて撮影)

建物型のデータセンターでは、建物の建設から設備の設置、各種工事までを現地で進める必要があり、稼働までに長い期間を要します。一方、コンテナDCは規格化された筐体を用いるため、建物そのものを建てる必要がありません。現地では基礎工事や電源・通信回線などの接続を中心に進めることができ、建物型と比べて短期間で導入しやすい点が特徴です。建物を新築する場合と比べて初期投資も抑えやすく、将来さらに処理能力が必要になった場合には、コンテナを追加することで段階的に拡張することもできます。

GPUの高性能化・高密度化が進むなか、最新のGPUサーバーは発熱量も増大しています。コンテナDCにGPUサーバーを収容するだけではなく、その熱をどう効率よく処理するかも重要な課題です。そこで次章では、なぜ現在のAI基盤で「水冷」が求められるようになっているのか、その技術的な背景を見ていきます。

コンテナ型データセンターの基礎知識については、次のページをご覧ください。
▶ コンテナ型データセンター入門ガイド|仕組み・コストから法規制まで、導入前に知っておくべき基礎知識|AIとDXの新しいミカタ。【公式】NTTPCコミュニケーションズ

AI基盤に水冷が必要になった理由──GPUの消費電力・発熱増大と、コンテナDCとの親和性

前章では、コンテナDCがデータセンターに必要な設備をコンパクトに集約し、短期間かつ柔軟に導入できる仕組みであることを紹介しました。では、なぜその中に収容するGPUサーバーには「水冷」が必要なのでしょうか。本章では、AI基盤の構造とGPUサーバーの消費電力・発熱の変化から、その理由を整理します。

AI基盤は「3層」で捉える

AIを動かすための基盤は、役割ごとに大きく3つの層に分けて考えると理解しやすくなります。

それぞれの役割は以下のとおりです。

  • 設備の層(ファシリティ・ネットワーク・セキュリティ層):データセンターの建物、電源、冷却、ネットワーク回線
  • 機器の層(インターコネクト・ハードウェア層):GPUサーバーと、それらをつなぐネットワーク機器
  • ソフトウェアの層(ミドルウェア・エンジニアリング層):AIフレームワークやジョブスケジューラなど、機器の上で動くソフトウェア

AIインフラの構成要素と3層構造

AIインフラの構成要素と3層構造

(出典:『Software Design』2026年7月号 第2特集「AIデータセンター基礎講座」第1章「AIインフラの全体像」/大野泰弘・石渡巧・近藤直人 執筆)

水冷を考えるうえで特に重要になるのが、「設備の層」と「機器の層」のつながりです。機器の層にあるGPUサーバーが発する熱を、設備の層にある冷却設備で処理するため、両者を切り離して考えることはできません。冷却能力が不足すると、GPUは本来の性能を十分に発揮できなくなる可能性があります。そのため、どのGPUサーバーを採用するかによって必要な冷却方式が変わり、その冷却方式によって、電源や空調をはじめとする設備側に求められる要件も変わります。

つまり、高性能なGPUサーバーを導入する際には、サーバーだけを選ぶのではなく、そこで発生する熱をどのように処理するかまで含めて、設備と機器を一体で設計することが重要になります。

GPUサーバーの高密度化と、空冷の物理限界

GPUサーバーの消費電力が増えるほど、処理しなければならない熱も増えていきます。NVIDIAのGPUサーバー「NVIDIA DGX™」シリーズ(GPU 8基搭載)を見ると、システムの最大消費電力は4年間で2倍以上に増加しています。

例えば、以下の通りです。
2020年 NVIDIA DGX™ A100:最大6,500W
2022年 NVIDIA DGX™ H100:最大10,200W
2024年 NVIDIA DGX™ B200:最大14,300W

NVIDIA DGX B200の14,300Wは、1,200Wの家庭用ドライヤー約12台を同時に使用するのと同程度の電力です。それだけの電力を消費する機器を高密度に配置する場合、その熱を効率よく外へ運び出す仕組みが欠かせません。

水冷(DLC)への移行と、コンテナDCとの相性

こうしたGPUの高密度化に対応する冷却方式として、採用が進んでいるのが水冷です。液体は空気よりも効率よく熱を運ぶことができるため、高密度なGPUサーバーから発生する大量の熱を処理するのに適しています。

その代表的な方式が、直接液冷(DLC:Direct Liquid Cooling)です。GPUやCPUなどの発熱部品に「コールドプレート」と呼ばれる冷却板を取り付け、その内部に冷却液を流して熱を直接回収します。熱を受け取った冷却液は、CDU(Coolant Distribution Unit)と呼ばれる装置を介して設備側へ熱を逃がし、再びサーバー側へ循環させます。こうした仕組みによって、高密度なAI基盤でも効率よく熱を処理できるようになります。

コンテナDC内の空冷と水冷(DLC)の実装比較

コンテナDC内の空冷と水冷(DLC)の実装比較

水冷を導入するには、GPUサーバーだけでなく、CDUやチラー、配管などの冷却設備も必要です。コンテナDCでは、こうした設備をGPUサーバーや電源、ネットワークとあわせて一体的に構成できます。そのため、今回のように限られたスペースへ高密度にGPUサーバーを収容する水冷GPU基盤では、コンテナDCは相性のよい選択肢の一つといえます。

一方で、コンテナDCと水冷GPUサーバーをそれぞれ調達し、設計から監視・運用まで自社で組み上げるのは容易ではありません。そこでNTTPCが提供を開始したのが「水冷GPUコンテナDC-PKG」です。次章では、この立ち上げを主導した営業担当の松本とサービス主管の近藤に、開発の背景や、お客さまとの対話から見えてきたAI基盤のニーズを伺いました。

パッケージを立ち上げた営業担当とサービス主管──松本・近藤が語る、水冷GPUコンテナDC-PKGの舞台裏

「水冷GPUコンテナDC-PKG」は、コンテナDC、水冷GPUサーバー、統合モニタリング、監視・運用支援を一つにまとめて提供するパッケージです(構成・料金などの詳細は記事下部で紹介します)。本章では、その立ち上げを主導したNTTPCの松本と近藤へのインタビューをご紹介します。

インタビューの様子

「知らない」から「詳しく知りたい」へ──1年でのお客さまの変化

──1周年企画で最も読まれた記事がコンテナDCの解説記事だった、という結果をお二人はどう受け止めていますか。

近藤「記事が多く読まれたのは、お客さまの関心がそこにあったからだと受け止めています。お客さまとの会話の中身も変わりました。昨年はコンテナ型データセンターをご存じない方が多かったのですが、今年に入ってからは『知ってはいるので詳しく教えてほしい』という会話に変わってきています。」

松本「ニーズが確かにあることを確認できた、というのが率直な実感です。ニーズが見えている以上、次はお客さまが導入に踏み切るために何が必要かを見極めていく段階だと考えています。」

なぜ水冷か──1つのコンテナにより多くのGPUを収めるために

──コンテナの中に収めるGPUサーバーを、水冷にした理由を教えてください。

近藤「水冷にした理由は、密度を高くできるからです。コンテナには物理的な大きさの制限があるので、水冷にして集約性を上げることで、限られた面積により多くのGPUサーバーを収容でき、お客さまの土地も効率よく使っていただけます。」

松本「今回のようにGPUサーバーを6〜8台収容する規模になると、水冷にすることで収容効率を高められます。空冷のまま同等の構成を実現しようとすると、必要なコンテナ数が増える可能性がありますね。」

また、今回のパッケージでは水冷方式を採用していますが、コンテナDCには空冷方式のGPUサーバーを収容することも可能です。今回のように限られたスペースへ複数台のGPUサーバーを収容する構成では、水冷によって収容効率を高められることがメリットの一つになると、2人は説明します。

パッケージ化の理由──設備から運用まで一括で任せられる形に

──コンテナDC・水冷GPUサーバー・運用保守を、一つのパッケージにまとめた理由を教えてください。

近藤「コンテナDC、水冷GPUサーバー、冷却設備、運用にはそれぞれ検討すべき点があり、個別ではなく一体で考える必要があります。特に水冷は、お客さまにとってまだ知見の少ない領域であることも多く、サーバーだけでなく、CDUやチラー、空調など設備側まで含めた設計が必要になります。そこで、こうした設備の設計から導入後の運用までを一括してお任せいただける形にしたことが、パッケージ化の大きな理由です。」

近藤は、各要素を個別に調達することも可能としたうえで、一括にすることでお客さま側の検討の手間と社内リソースを減らせる点を強調します。

松本は、パッケージ化のもう一つの効果を挙げました。

松本「お客さまから最も多かったのは、費用についてのご質問でした。個別にお見積もりを作る場合、必要な要素をひとつずつ検討して組み合わせるため、早くても2ヶ月、通常は3〜4ヶ月かかります。パッケージ化したことで、必要な費用の目安を最初にお伝えできるようになりました。」

概算が早く出せるため、申請期限のある補助金を活用しやすくなる点も、2人はパッケージ化の効果として挙げています。

統合モニタリング──設備とサーバーを一つの画面で見る

一括で任せられる形を支えているのが、統合モニタリングシステムです。

近藤「統合モニタリングは、このパッケージの中核だと考えています。データセンターの設備とGPUサーバーの両方をまとめて見られることが、大きな強みです。」

データセンターでは一般に、施設側の設備(空調・電源・漏水センサー・温湿度・セキュリティ)はDC事業者が、その中のサーバーはお客さまが、それぞれ別々に監視する必要がありました。障害が起きたときに「どこで何が起きているのか」を切り分けるのは容易ではありません。それをひとつのシステムで一元把握できるのが、本パッケージの特徴です。

統合モニタリングシステムの画面。コンテナ内の冷却水の流れと温度、空調の状態、GPUの利用率・電力・温度を一つの画面で確認できる

統合モニタリングシステムの画面。コンテナ内の冷却水の流れと温度、空調の状態、GPUの利用率・電力・温度を一つの画面で確認できる

松本「PoC(概念実証)を進めていたときも、コンテナ内の空調・温度・消費電力を遠隔で確認しながら、現地の運用担当者と連絡を取り合って調整する、といった対応ができました。統合モニタリングがあるからこそできる運用です。」

このPoCは、3社が2025年10月から11月にかけて新潟・越後湯沢のコンテナDCで実施した水冷GPUサーバーの検証プロジェクトです。統合モニタリングシステムもこの検証の中で実際に活用されました。

検証の内容と結果は、次の記事で紹介しています。
▶︎ 水冷GPUサーバーで拓く日本のAI基盤 ~ゲットワークス×フィックスターズ×NTTPCの3社連携による水冷環境の普及促進に向けた検証プロジェクトの取り組み~|AIとDXの新しいミカタ。【公式】NTTPCコミュニケーションズ

お客さまの敷地にAI基盤を置く──設置の条件と、想定ユースケース

──お客さまの敷地に設置することはできますか。

近藤「基本的にお客さまの敷地に設置できます。実際にご提案しているケースでは、駐車場への設置をご希望されるケースもあります。必要な敷地は約20m×6m、120平米です。コンテナ本体の長さは約12〜13mで、作業のための動線とチラーなどの冷却設備の設置スペースを含めるとこの広さになります。建設工事はパッケージの範囲外のため、設置場所の条件は事前の現地調査で確認し、必要な工事は専門の施工業者にご相談いただく形になります。」

──想定しているユースケースを教えてください。

松本「セキュリティの観点から、データを外部に出さず、自社の手元に置いておきたいというニーズがあります。研究機関や医療分野などでは、こうした理由から自社環境にAI基盤を持ちたいというケースがあります。また、製造業では、ロボットや設備をAIが動かすフィジカルAIのように現場で発生するデータをその場で処理したいというニーズもありますね。」

では、実際の現場ではどのような課題があり、コンテナDCはそこにどう応えられるのでしょうか。松本に、大学・研究機関と製造業のケースを例に聞きました。

松本「大学や研究機関では、既存のマシンルームでは最新のGPUサーバーの冷却に対応しきれない、というご相談をいただくことがあります。一方で、研究データは学内に置いておきたいというご要望も多くあります。コンテナDCであれば、キャンパスの敷地や既存の電力設備を活用しながら、建物を新設せずに学内へGPU基盤を構築できます。」

製造業でも、既存のインフラを活用できることがコンテナDCのメリットになると松本は続けます。

松本「工場には広い敷地があり、生産設備を動かすための電力や水などのユーティリティもすでに整っています。そうした環境を活かしてコンテナDCを設置することで、新たに大規模な施設を建設することなく、工場内にAI基盤を持つことができます。」

近藤も、製造業を今後の有望な分野の一つと見ています。

近藤「製造業は今後、有望な分野の一つだと考えています。生産現場でロボットやセンサーを活用するフィジカルAIは、まだ多くの企業が費用対効果を見極めている段階にあります。今後、効果が見えてくれば、導入も進んでいくのではないかと見ています。」

その先の展開──共同利用と、地域との関わり

今後の展開について、2人は2つの方向を挙げました。

近藤「AI基盤は今後、電気や通信と同じように、産業を支えるインフラになっていくと考えています。ただ、すべてを大規模なデータセンターに集めるだけでは、データを外に出せない、ロボットや設備を動かすフィジカルAIのように現場で遅延なく処理したい、といったニーズに応えきれません。そこで構想している方向性の一つが、工業集積地などにコンテナを置き、地域の企業が共同で使えるAI基盤にする形です。さらに将来的には、コンテナ同士をIOWN®(NTTが主導する光技術ベースの次世代ネットワーク構想)でつなぎ、必要な場所で必要な計算資源を使える、分散型のAIインフラにしていきたいと考えています。いずれも将来に向けた方向性ですが、コンテナなら建物に比べて小さな単位から始められるので、実現に向けた道筋を描きやすいと考えています。」

松本「もう一つは、地域との関わりです。コンテナを地方に置く場合、自治体に前向きに受け止めていただく必要があり、運用のために現地の人手も必要になります。その意味で、コンテナを設置される企業さまは地方創生に関わることができ、CSR(企業の社会的責任)の観点での貢献も検討できると考えています。」

今回のインタビューから見えてきたのは、水冷GPU基盤の設備設計から導入後の運用までを一括して支援することで、お客さまが導入しやすい環境を整えたいという2人の思いです。その先の展開として、複数企業による共同利用や地域との連携といった可能性についても話が広がりました。松本と近藤は、お客さまとの対話を重ねながら、現場で求められるAI基盤のあり方を引き続き検討していきます。

最後に、「水冷GPUコンテナDC-PKG」の構成や提供内容を詳しく見ていきます。

水冷GPUコンテナDC-PKG──AI基盤導入をワンストップで支えるパッケージ

「水冷GPUコンテナDC-PKG」の詳細を、構成、料金、監視・運用支援の順に整理します。

パッケージの構成

本パッケージは、40フィートのコンテナDC、その中に収容する水冷GPUサーバー、統合モニタリング・運用支援で構成されます。NTTPCがGPU基盤の構築を担い、ゲットワークスがコンテナDCの製造・納入、フィックスターズが統合モニタリングシステムの構築を担当します。コンテナDCには、水冷GPUサーバーの冷却に必要なCDUやチラーをはじめ、空調や監視設備などを組み込みます。

主な構成は以下のとおりです。

  • コンテナDC:40フィートコンテナ、CDU・チラー、天吊り空調、InRow空調、監視カメラ、各種ファシリティ設備
  • ハードウェア/ミドルウェア:NVIDIA HGX B300を搭載したHPE ProLiant Compute XD685、FW/UTM、ネットワークスイッチなど
  • 統合モニタリング・運用支援:パフォーマンスの可視化、コンテナ設備とGPU基盤の統合監視、運用支援

水冷GPUコンテナDC-PKGの構成イメージ。40フィートコンテナにGPUサーバー・ラックと空調・電源・冷却設備を収め、統合モニタリングシステムと監視・運用支援を組み合わせる(水冷GPUソリューションページより)

GPUサーバーの台数は、スモール構成(1台)からベーシック構成(8台)まで段階的に選べます。必要な敷地は8台構成で約20m×6mです。なお、キュービクル(高圧受電設備)や配線の手配、建築・電源工事はパッケージの範囲外となります。

料金・納期

料金と納期は次のとおりです。

項目 内容
参考料金(スモール構成・GPUサーバー1台) 初期3億円〜、月額75万円〜(税別、2026年8月31日時点の概算)
参考納期 スモール構成で最短8ヶ月(敷地条件や機器の調達状況により変動)

構成や設置環境によって金額は変わるため、詳細は個別のお見積もりとなります。

統合モニタリングと運用支援

統合モニタリングシステムでは、サーバーだけでなく、冷却設備・電源・設置環境・物理セキュリティといったコンテナ側の設備まで、一つの画面で一元的に把握できます。障害が発生した際は監視センターが一元窓口となり、障害内容の確認と一次切り分けから、各メーカーへの連絡・現地対応の手配までを担います。より詳細なサポートをご希望の場合は、お気軽にご相談ください。

詳しくは、次のサービスページをご覧ください。
▶︎ 水冷GPUコンテナDC-PKGの構成・料金・導入条件を見る

水冷GPUコンテナDC-PKGの導入・活用をご検討の方へ

生成AIの活用やフィジカルAIの本番運用が現実のものとなるなか、自社でGPU基盤を持つという選択肢を検討する企業が増えています。一方で、最新のGPUサーバーには水冷をはじめとする設備面の対応が必要となり、設置場所の確保から冷却・電源の設計、導入後の監視・運用まで、検討すべき事項は多岐にわたります。

水冷GPUコンテナDC-PKGは、こうした検討をワンパッケージで支えるために、NTTPC・ゲットワークス・フィックスターズの3社が共同で提供するものです。機密データを敷地の外に出さずにAIを活用したい、製造現場でフィジカルAIを本番運用したい、研究用のGPU環境を学内に整備したいなど、自社敷地内でのAI基盤整備をお考えの際は、お気軽にご相談ください。

※NVIDIA、NVIDIA DGX™ A100、NVIDIA DGX™ H100、NVIDIA DGX™ B200、NVIDIA HGX™ B300は、米国およびその他の国におけるNVIDIA Corporationの商標または登録商標です。
※HPE、HPE ProLiantは、米国およびその他の国におけるHewlett Packard Enterpriseの商標または登録商標です。
※「IOWN®」は、NTT株式会社の商標または登録商標です。
※本記事は2026年9月時点の情報に基づいています。提供期間や価格を含む製品・サービスに関わる情報等は予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。メーカーが公表している最新の情報が優先されます。