【後編】AI活用で企業のネットワーク・セキュリティの運用がラクになる! ~開発担当が語る:Webダッシュボードで運用管理をカンタン・便利に!~

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【後編】AI活用で企業のネットワーク・セキュリティの運用がラクになる! ~開発担当が語る:Webダッシュボードで運用管理をカンタン・便利に!~
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企業のネットワークやセキュリティを担当する情報システムなどの部門は、社内システムの安定稼働によって業務効率化や企業成長を支える重要な組織です。
しかし、そうした部署で慢性的な人手不足が続き、トラブル対応やセキュリティ対策の遅れ、業務負荷の増大といった問題を抱えている企業は少なくありません。ネットワークやセキュリティを導入する際には、そうした課題や困り事を解決できる手段やサービスを選択することが大切です。

本記事の前編では、「Interop Tokyo 2025」で社内ITの担当者に聞いた「ネットワークのよくある課題や困り事」「運用・管理に望むこと」をピックアップし、その解決策の一つとして、AIを活用したNTTPCのネットワーク・セキュリティサービス「Prime ConnectONE®」を紹介しています。
本編では、「Prime ConnectONE®」のネットワークの複雑さを解消し、セキュリティを強化しながら、運用効率を向上させるWebダッシュボード機能について、開発担当の思いや意図を含めて詳しく紹介します。

【前編】AI活用で企業のネットワーク・セキュリティの運用がラクになる! ~イベント出展から見えたネットワーク運用効率化への期待~

社内ネットワークの運用管理の課題と解決方法

社内ITインフラの運用管理の過程では、日々さまざまな問題が発生します。よくある課題・困り事は、主に下記のとおりです。

社内ITインフラの運用・管理の現場で起こりやすい問題
  • IT人材の不足や担当者のリテラシー不足
  • トラブルが発生すると通常業務が回らなくなる
  • セキュリティリスクへの適切な対応
  • 複数拠点の管理に追われる

このような状況が続くと、ネットワーク品質の低下やセキュリティリスクの増大、さらには運用コストの増加につながります。こうしたITインフラの運用管理の負荷を軽減する手段として、いま注目されているのが、AIを活用したネットワーク・セキュリティサービスです。

AIは、不正アクセスの検知やトラフィック分析、セキュリティ監視といったネットワーク運用業務を自動化し、異常発生時にはリアルタイムで通知します。
これまで、情シス担当が人手でカバーしていた部分をAIに任せることにより、人員が限られていてもネットワークの安定稼働を維持しやすくなります。

社内のネットワーク情報を一元管理できるWebダッシュボード

AIを活用したネットワーク・セキュリティサービスには、複雑な運用業務を効率化するためのダッシュボード機能が搭載されています。これにより、複数のツールを併用することなく、社内ネットワークの状態やセキュリティ情報を一元的に把握することが可能です。

NTTPCのネットワーク・セキュリティサービス「Prime ConnectONE®」では、ユーザーの負荷削減と必要なタスクを確実に実行できることを目指した「Silent UX」というデザインコンセプトにもとづき設計されたダッシュボードによって、ネットワークとセキュリティを一元管理できます。

「Prime ConnectONE®」のダッシュボードの4つの特長

「Prime ConnectONE®」のダッシュボードには、社内ITインフラの担当者の手間を減らし、属人化を解消することを目指したさまざまな機能が搭載されています。
「Prime ConnectONE®」のダッシュボードの特長は、主に下記の4つです。

特長1 ネットワークとセキュリティを一元管理可能

「Prime ConnectONE®」では、ネットワークとセキュリティを一つのダッシュボード上で、まとめて管理できます。従来のように、複数のツールやポータルを使い分ける必要がなく、情報の把握や操作がスムーズになるでしょう。
管理の煩雑さが大幅に軽減されるため、情シス担当者はより重要度の高い業務に集中できます。

特長2 シーン・プロセスを問わず利用可能

従来のダッシュボードは、同一のサービスであっても、利用するシーンやプロセスごとに別のポータルを開く必要がありました。
「Prime ConnectONE®」は、同じダッシュボード内であらゆる利用シーンに対応可能。ネットワーク監視からセキュリティ対応まで、ワンストップで業務を遂行できます。

特長3 問題点を素早く把握できる情報設計

「Prime ConnectONE®」は、トラブルを検知した場合、メールやチャットツールにプッシュ通知が届きます。そのため、常にダッシュボードを開いて、監視し続ける必要がありません。
また、ダッシュボードのトップ画面を開くと、下記のように異常や問題点が赤色で示されるため、「何をすべきか」を視覚的に把握して、すみやかなアクションにつなげることができます。

「Prime ConnectONE®」のダッシュボードのトップ画面(サンプル)

特長4 AIOpsとの連携で、提案型の機能も実装

「Prime ConnectONE®」では、故障対応の提案や予測、回線帯域のひっ迫検知、アップグレード提案など、AIOps(運用業務を自動化・効率化するAI機能)と連携して運用を支援する提案型機能を搭載。
さらに、担当者が次にとるべき行動を示し、対応漏れを防ぐ「やることリスト」機能の実装も予定しています。

※ AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations):AIを活用してICTインフラのオペレーションを効率化・高度化し、安定的な運用と迅速な障害復旧を支援するもの

情シス担当者の負担を少しでも軽くしたい――「Prime ConnectONE®」のダッシュボード誕生の背景

「Prime ConnectONE®」のWebダッシュボードは、どのような利用者に向けて開発されたのでしょうか。開発を主導した小柳 良介に話を聞きました。

小柳 良介の写真
NTTPCコミュニケーションズ株式会社
ネットワーク事業部 サービスクリエーション部門 セキュアネットワーク部
小柳 良介
2020年入社。2024年7月より「Prime ConnectONE®」の開発を担当

既存のダッシュボードの利便性に疑問を感じ、開発に着手

――多機能ダッシュボードの開発に着手されたきっかけを聞かせてください。

開発のきっかけは、ユーザーである中小企業の担当者の声にありました。
多くの企業では、情報システムの専任者がいなかったり、総務や経理が兼任していたりと、「ひとり情シス」の課題に直面しています。そうした状況で、現場で本当に必要とされる機能や使いやすさを備えたダッシュボードを提供できていないという実感がありました。加えて、既存の共通ポータルでは柔軟な機能追加が難しく、UIも時代に合わない部分があったため、根本から見直す形で新しい多機能ダッシュボードの開発に踏み出しました。

――最初に開発したのは、どのような機能ですか?

一般的なネットワークサービスやセキュリティサービスにもダッシュボード機能は備わっていますが、多種多様な情報が一画面に集約されているため、表示が煩雑になり、重要度の判断や対応の優先順位付けが困難になるという課題がありました。

そこで私たちは、情報の取捨選択を前提に、ユーザーが本当に注目すべき内容を直感的に把握できるインターフェースの設計から着手しました。デザイン面では、視認性と即応性を高めるため、黒を基調としたダークモードを採用し、異常やトラブルは赤で強調表示する設計としています。

ユーザーがダッシュボードにアクセスした瞬間、最優先で対応すべき事項が視界に自然と飛び込んでくるため、情報の取捨や判断に迷うことなく、迅速な対応につなげることが可能です。

「Prime ConnectONE®」のダッシュボードでは、目に優しい黒を基調としたデザインを採用(サンプル)

――起きているトラブルをより詳しく知りたい場合は、どうすればいいのですか?

トラブルの詳細については、ドリルダウン機能を用いて段階的に掘り下げて確認できる設計になっています。トップ画面に赤く表示された箇所のプルダウンを展開すると、異常が発生している拠点の一覧が表示され、そこから関心のある拠点を選択することで、具体的な内容にアクセスできます。

本ダッシュボードでは、ユーザーが「知りたいときに、知りたい情報へ直感的にたどり着ける」ことを重視し、情報の階層構造や表示の導線を徹底的に設計しています。これにより、複雑なトラブル情報も必要に応じて自然に掘り下げられるようになっています。

トップ画面に赤く表示されている箇所を選ぶと、トラブルが起きている拠点の一覧を表示。
拠点を選択すると異常の内容が確認できる(サンプル)

お客さまの声に耳を傾け、機能をブラッシュアップ

――開発にあたり、お客さまの声はどのように反映したのですか?

NTTPCは、1995年の設立以来、長年にわたりネットワークサービスを提供してきた実績があります。これまでに蓄積してきたお客さまのお声をもとに、中小企業で情報システムを担当する方々にも受け入れられるよう、操作性や画面デザイン、機能面を慎重に検討し、モックアップ(試作画面)を作成しました。


展示会などのイベントで来場者にモックアップを見てもらい、フィードバックを収集。これを基に、段階的にブラッシュアップを重ねました。その意味では、NTTPCのお客さまと、お客さまになり得る方々といっしょに作ったダッシュボードといえるかもしれません。

実際に運用されているお客さまからは、「ダッシュボードを長時間見ていると本当に目が疲れるので、ダークモードが使えるのは非常にありがたい」といった声をいただきました。
モックアップをご覧になった方々から「見やすい」「使いやすい」といったご意見をいただけたときは、私たちの設計の意図が伝わったことを実感し、とても嬉しく感じました。

――「Prime ConnectONE®」をエンドユーザーに販売するパートナー向けには、
どのような機能があるのでしょうか?

パートナー企業向けには顧客管理機能を提供しています。
従来、パートナー企業に提供していたダッシュボードは、基本的にエンドユーザー向けの画面と機能が同一であったため、顧客管理はパートナー企業自身で独自に構築いただく必要がありました。しかし、多数のお客様を抱えるパートナー企業にとって、それは大きな負担となっていました。そこで今回のPrimeダッシュボードでは、無料かつ自動で顧客管理が行える機能を提供することで、パートナーの皆様に利便性を提供できないかと考えました。

提供予定である顧客管理機能の一例として、パートナー企業の中で管理されている顧客管理番号を弊社のシステムに設定しダッシュボードで管理できる機能などを用意しています。こうした機能は、通常であれば見落とされがちな細かなニーズかもしれませんが、私たちは実際にパートナーの皆様のお声を拾うことで、こうした要望を反映してきました。

「Prime ConnectONE®」の販売パートナー向けダッシュボード(サンプル)

AIを活用した新機能で、運用レスを実現

――今後、実装予定の機能はありますか?

現在開発中の機能は、多数の拠点を持つお客さま向けの工事管理機能です。工事管理機能は、拠点ごとの工事スケジュールと進捗状況を可視化したもので、ネットワークを開通させるために必要な機器設置工事や、回線工事の進捗をひと目で確認できます。
これにより、従来はExcelなどで管理していた工事情報の一元的な管理が可能です。

「Prime ConnectONE®」のダッシュボードでは、工事進捗の詳細も管理できる(サンプル)

また、発生した異常に対してとるべきアクションをリスト化した「やることリスト」を実装予定です。
「やることリスト」では、リストの項目を順番にクリアしていけばすべての問題が解決できるように設計予定です。ネットワークやセキュリティの知見が乏しい方、ほかの業務と兼任している方などでも、必要なアクションをスムーズに実行に移せるでしょう。

異常に対するアクションをリスト化「やることリスト」(サンプル)

さらに、「Prime ConnectONE®」とAIの連携についても、開発が進んでいます。AIを活用すれば、ネットワークやセキュリティの担当者がダッシュボードを見なくても、必要な情報をメールやチャットなどで受け取ることが可能です。
AIは、今後もさまざまな形で活用し、ゆくゆくはダッシュボードさえ不要な「運用レス」の状態を実現したいですね。

――「Prime ConnectONE®」の今後のスケジュールを聞かせてください。

2025年10月ごろに大幅なバージョンアップを行い、新たな機能をいくつかリリースする予定です。また、2026年には、AIエージェントとの連携を実現したバージョンをリリースしたいと考えています。

中小企業でネットワークやセキュリティの運用担当している方には、「本業に集中できない」「そもそも知識がなく、作業が大変」といった負担を感じている方が少なくありません。私たちは、皆さまのそうした運用管理の負担を少しでも軽くしたいという思いで、「Prime ConnectONE®」を開発しています。

AIを活用した多機能ダッシュボードで、ネットワーク・セキュリティ運用の課題を最適化!

NTTPCの「Prime ConnectONE®」は、ネットワーク(VPN)とセキュリティ機能を統合し、ダッシュボードで一元管理できるサービスです。
多機能ダッシュボードは、各拠点の設定情報からトラフィック状況の可視化、異常や故障原因の自動切り分け、AIOpsによる予兆検知と改善提案が可能となり、運用業務の簡素化と効率化を同時に実現します。

複雑化する社内ITインフラの管理に課題を感じているのであれば、AIを活用したネットワーク・セキュリティサービス「Prime ConnectONE®」の導入で、状況を改善できるでしょう。
AIの力を活用し、ネットワークとセキュリティ運用の最適化を実現しませんか。ぜひ、導入をご検討ください。

Prime ConnectONE®

NTTPCのAIエージェントが、ネットワーク運用の未来を変える。セキュリティもおまかせ!

ダッシュボードからトラフィックやセキュリティの見える化ができ、トラブル原因を特定して迅速な復旧対応を実現。AIで運用業務を自動化し、攻めのDX推進にシフトできる企業向けネットワーク(VPN)&セキュリティサービス

AIで運用自動化、次世代ネットワーク(VPN)&セキュリティサービス「Prime ConnectONE®」

※「Prime ConnectONE®」は、NTTPCコミュニケーションズの登録商標です。
※本記事に記載された情報はリリース時点のものです。
商品・サービスの内容、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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