
企業ネットワークは、主にオフィスや施設内で使用されるLAN(ローカルエリアネットワーク)と地理的に離れた拠点間を接続するためのWAN(広域ネットワーク)、クラウドネットワークがあります。WANネットワークは、VPN(Virtual Private Network)や専用線を利用してセキュリティを確保します。VPNには、主にインターネット回線を用いる「インターネットVPN」と通信事業者の閉域網を用いる「IP-VPN(閉域VPN)」があります。
これらを組み合わせることで、企業は内部業務の効率化や情報の安全な共有を実現できます。また、セキュリティ対策としてファイアウォールやUTM(Unified Threat Management)、暗号化技術を導入することが一般的です。
本記事では、ネットワーク運用の課題を解決する、NTTPCの企業向けネットワーク(VPN)&セキュリティの統合型サービス「Prime ConnectONE®」について、前編・後編の2部構成で特集します。
前編では、ネットワーク運用のよくある困り事や押さえておきたいポイントについて、「Interop Tokyo 2025」展示会に来場された、お客さまの声とともに紹介します。
ネットワークの構築・導入で押さえておきたいポイント
企業ネットワークは、主にオフィスや施設内で使用されるLAN(ローカルエリアネットワーク)と地理的に離れた拠点間を接続するためのWAN(広域ネットワーク)、クラウドネットワークがあります。WANネットワークは、VPN(Virtual Private Network)や専用線を利用してセキュリティを確保します。VPNには、主にインターネット回線を用いる「インターネットVPN」と通信事業者の閉域網を用いる「IP-VPN(閉域VPN)」があります。
これらを組み合わせることで、企業は内部業務の効率化や情報の安全な共有を実現できます。また、セキュリティ対策としてファイアウォールやUTM(Unified Threat Management)、暗号化技術を導入することが一般的です。
ここでは、ネットワークを構築・導入する際に押さえておきたい主なポイントを紹介します。
■ネットワークを構築・導入する際の重要なポイント
適切なネットワーク構成、機器や規格を決める | 支社などの拠点の有無や利用するパソコンの台数などに応じた構成、利用するスイッチやルーター機器、有線/無線LAN、WAN、VPN等の規格を決める。 |
---|---|
拠点数を把握する | ネットワークの構築および導入する際の費用に関わる拠点数を把握し、今後の事業展開を整理する。 |
将来の拡張性も視野に入れて検討する | 現状の課題のほか、現在利用しているアプリケーションの課題、今後の利用方法や社員数の増減なども視野に入れて検討する。 |
セキュリティ対策を合わせて検討する | マルウェアやランサムウェア感染対策、サイバー攻撃、アクセス制限、監視体制などの方針も、構築・導入を検討する過程で一緒に定める。 |
外部委託も視野に入れて検討する | ネットワークの導入を外部ベンダーや事業者に依頼すると、導入後の運用がスムーズになる。依頼する際は、自社と同じ業種の企業への導入実績があるかを確認する。 |
無理のないコストで構築・導入する | 構築・導入時の初期費用だけでなく、その後の運用・管理にかかるコストも考慮する。 |
上記のポイントを押さえることで、構築・導入するネットワークが自社の規模や方針に合ったものになります。これにより、Windowsやアプリケーションソフトウェアのアップデート、ZoomやTeamsのWeb会議、各種クラウドサービスへのアクセスなどが社内で同時に行われることによる急激なトラフィックの増加、通信速度の低下のほか、社内システムへの不正アクセス、マルウェアやランサムウェアへの感染などのセキュリティリスクの増大、ネットワーク構成の複雑化といった問題を、未然に防ぎやすくなるでしょう。
なお、ネットワークの構築・導入後、安定的に運用していくには、担当者に一定のネットワークに関するリテラシーが必要です。ネットワーク機器や構成の基礎知識はもちろん、クラウド技術やセキュリティ対策についても理解を深めることで、ネットワークを適切に運用でき、トラブルにも対応しやすくなります。
ネットワーク運用のよくある課題・困り事
ネットワーク運用の過程では、現場において日々さまざまな問題が発生します。ネットワーク運用のよくある課題・困り事は、主に下記のとおりです。
IT人材の不足や担当者のリテラシー不足
デジタル化の進展やクラウドサービスの普及に伴い、企業のネットワーク運用の複雑さが増しています。しかし、専門的なスキルを持つIT人材が不足しており、採用が難しい状況です。特に、地方や中小企業では、人材をなかなか確保できなくなっています。
また、ネットワークの技術は進化していますが、既存の業務や障害対応等で新たなスキルを習得する時間が無かったり、コストの面で難しかったりと、担当者のリテラシー不足が課題となっています。
トラブルが発生すると通常業務が回らなくなる
トラブルが発生すると通常業務が回らなくなることも、ネットワーク運用のよくある課題・困り事です。
トラブルは発生を事前に予想できないだけでなく、発生すると緊急で対応する必要があります。そのたびに、通常業務を止めて対応する悪循環が起きやすくなるでしょう。
ネットワーク運用では、ネットワーク機器の設定・管理や保守、セキュリティ運用など多様な業務があり、業務量は担当者が抱えきれないほど多くなるケースもあります。
特に、ネットワーク運用に携わる情報システム担当者が1人の、いわゆる「ひとり情シス」の体制では、負担が集中するため注意が必要です。
セキュリティリスクへの適切な対応
ネットワークの安全を守るには、ウイルス感染、不正アクセス、情報漏洩などの対策が欠かせません。
一方で、そうしたセキュリティ上のリスクは変化し、巧妙化しています。ネットワークの安全を保ち続けるには、そうした巧妙化し続けるセキュリティリスクに適切に対応し続けることが大切です。
複数拠点の管理に追われる
複数拠点の管理に追われることも、ネットワーク運用のよくある課題・困り事です。
全国に拠点を設けて事業展開している企業や、海外展開をしている企業では、拠点間の通信状態やトラフィックの管理が複雑になります。また、拠点ごとに運用管理の方法が異なると管理がさらに難しくなり、トラブルなどの対応が遅れかねません。
ネットワーク運用の課題・困り事を解決するには?
前述したネットワーク運用のよくある課題・困り事を解決するには、下記の対策がおすすめです。ネットワークの構築・導入後の対応の参考にしてください。
IT人材の不足や 担当者のリテラシー不足 ![]() |
アウトソーシングやAIを活用したクラウドサービスの 導入を検討し、社内教育を通じてリテラシー向上を推進する |
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トラブルが発生すると 通常業務が回らなくなる ![]() |
リモート監視・トラブル対応の代行サービスの活用、 AIを活用したクラウドサービスの導入を検討する |
セキュリティリスクに 適切に対応する ![]() |
国内の各拠点の通信を仮想的に一元管理できる SD-WANを導入する |
Interop Tokyo 2025で見えたお客さまの課題・困り事
2025年6月11~13日にかけて、インターネットテクノロジーの最新技術やソリューションを紹介する展示会「Interop Tokyo 2025」が、幕張メッセで開催されました。
今年のInteropは、「社会に浸透するAIとインターネット」というテーマで、ネットワークからAI、クラウド、セキュリティまで、ITインフラに関するトレンドが幅広く紹介され、昨年を上回る13万人以上の方が来場。最新のコミュニケーション基盤を活用した双方向ライブビューイングのデモ、次世代ファイアウォールの展示といった多彩なブースが見られたほか、デジタルサイネージやアプリ開発、画像認識AIにフォーカスした展示会も併催され、進化するITインフラがビジネスの成長や革新にどのように結び付くかを、強く印象付ける展示会となりました。
ネットワーク運用をAIで自動化するNTTPCのサービス「Prime ConnectONE®」のブースも、過去最高の来場者数を記録し、大盛況で終えることができました!
ここでは、NTTPCのブースにお越しいただいた方にお聞きした、ネットワーク運用に関するリアルな声を紹介いたします。
<来場者の声>
- (T社/IT・情報通信業)非常に課題を感じている。運用管理が複雑で関係者が多いことが一番の課題。データが散らばっている、そもそもデータがないといったことも多い。
- (M社/金融業)人がすべてを管理していて、非効率。
- (C社/情報・通信業)ネットワーク監視が末端の端末まで行き届かないことに課題を感じている。
- (K社/IT・情報通信業)24時間体制で監視・保守するには、マンパワー、スキル、リソースが足りない。
現状のネットワークに対する課題感を問う「現在のネットワーク環境に課題を感じていますか?」という質問には、運用管理の煩雑さや監視の難しさを嘆く声、非効率な管理体制への不満などが多く聞かれました。
<来場者の声>
- (N社/IT・情報通信業)クラウド化そのものを嫌がる社員もいるが、利用を拡大していく必要がある。利用が拡大すれば、ネットワークも見直すべき。
- (C社/情報・通信業)ネットワーク監視が末端の端末まで行き届かないことに課題を感じている。
- (N社/商社)セキュリティを含め、高い問題意識があり必要性を感じている。もっと安全に使いたい。
クラウド時代におけるネットワーク変革ニーズを問う「クラウドサービスの利用拡大に伴い、ネットワークの変更が必要だと感じていますか?」という質問では、ネットワークを見直すべきという意見のほか、クラウドサービスの利用拡大に伴うセキュリティ面への懸念といった課題がありました。
ネットワーク変更と、それに伴うセキュリティの拡充に高いニーズがあることがうかがえます。
<来場者の声>
- (M社/金融業)自社の旧態依然とした体質を変えたいと思っており、その一環として必ずやるべき。
- (N社/商社)スピーディーに使用し、エラーも減らしたい。
- (G社/フードサービス業)バックオフィスなど自分が直接見ていないところの管理を、AIを使って自動化したい。
ネットワーク運用管理の効率化に対するニーズを問う「ネットワークの自動化にどの程度関心がありますか?」という質問では、旧態依然とした体制の改革、エラーの低減、バックオフィス業務の効率化など、さまざまな観点からのニーズが見られました。
また、NTTPCのブースにお越しいただいた方には下記のアンケートを実施し、自社にネットワークに対する関心度をさまざまな角度からお聞きしました。
Q クラウドサービスの利用拡大に伴うネットワーク変更の必要性をどの程度感じていますか?
「クラウドサービスの利用拡大に伴うネットワーク変更の必要性をどの程度感じていますか?」という質問では、「強く感じる」「感じる」との回答が80%以上を占め、クラウドサービスの利用拡大によるネットワークの変更について、各企業とも自社ネットワークの変化の兆しを感じているように見受けられます。
Q ネットワーク運用管理の簡素化にどの程度関心がありますか?
「ネットワーク運用管理の簡素化にどの程度関心がありますか?」という質問においても、「非常に関心がある」「関心がある」の回答が80%に達しており、ネットワーク運用管理の煩雑さを解消し、簡素化していきたいという意向が多くあることがうかがえました。
Q ハイブリッドワーク環境に対応したネットワーク構築にどの程度関心がありますか?
また、「ハイブリッドワーク環境に対応したネットワーク構築にどの程度関心がありますか?」という質問では、「非常に関心がある」「関心がある」との回答が全体の4分の3近くを占めており、ハイブリッドワークが普及する中、これに適したネットワーク環境の構築がまだ十分でないと感じている企業が多いことがわかります。
クラウドサービスの利用、ハイブリッドワークの普及といったビジネス環境の変化に対し、多くの企業がネットワークの構築や簡素化などに取り組もうとしているといえるでしょう。
NTTPCの「Prime ConnectONE®」で、ネットワーク運用・管理の課題を改善
前述のとおり、ネットワーク運用の現場には、IT人材の不足による業務過多、連続するトラブル、最新のセキュリティ対策の実施、複数拠点の管理といった、さまざまな課題・困り事があります。また、現場の担当者は、実際にどのような課題を感じているのかを、Interop Tokyo 2025の来場者への取材でうかがいました。
これらの課題・困り事は、AIでネットワークとセキュリティの運用を自動化するNTTPCのサービス「Prime ConnectONE®」で解決できます。
ここでは、情報システム部門の担当者など、ネットワーク・セキュリティ管理者の負担を軽減し、より安全で効率的な運用を可能にする「Prime ConnectONE®」の特長を3つ紹介いたします。
故障時のダウンタイムを極小化
「Prime ConnectONE®」の特長の1つは、故障時のダウンタイムを極小化できることです。
AIによる分析で故障箇所を自動で特定し、通信異常を管理者に通知。結果として、原因特定から復旧までの時間が大幅に短縮され、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
ネットワーク障害が長期化すると、ビジネスに甚大な影響を及ぼす可能性があります。ダウンタイムの軽減は、BCP(事業継続計画)の視点からも効果的です。
安全・快適な通信環境を実現
安全・快適な通信環境を実現できることも、「Prime ConnectONE®」の大きな特徴です。「Prime ConnectONE®」は、各拠点から直接インターネットにアクセスできるインターネットブレイクアウトとセキュリティ機能があります。クラウドサービスへの快適なアクセスを実現しつつ、AIによる自動制御でトラフィックの最適化や不正アクセスを検知・遮断します。
これにより、複数拠点を持つ場合でも、センター拠点の負荷を分散し、全体の通信品質を維持することが可能です。
必要な情報を一括管理・見える化
「Prime ConnectONE®」は、ネットワーク全体の状況をダッシュボード機能で可視化できるため、必要な情報の一括管理が可能です。
WANやLANの利用状況からセキュリティイベント、拠点ルーターの設定情報まで統合的に把握できます。そのため、ネットワークやセキュリティのITインフラ運用管理担当の業務負担を、大きく軽減できるでしょう。
NTTPCのAIエージェントが、ネットワーク運用の未来を変える。セキュリティもおまかせ!
ダッシュボードからトラフィックやセキュリティの見える化ができ、トラブル原因を特定して迅速な復旧対応を実現。AIで運用業務を自動化し、攻めのDX推進にシフトできる企業向けネットワーク(VPN)&セキュリティサービス
ネットワーク・セキュリティ運用の課題は、AIを活用したサービスで解決しよう
企業において、ネットワークは企業の成長を支える重要なインフラですが、その運用にはセキュリティなど、さまざまな課題があります。
AIを活用したネットワーク・セキュリティサービスを導入すれば、ネットワークやセキュリティの状態を一元管理して運用を自動化し、現場の負担を軽減しながら、高品質で安全な通信環境を維持することが可能です。
NTTPCの「Prime ConnectONE®」は、AIを活用したネットワーク・セキュリティサービスの有効な選択肢の1つです。ネットワーク運用でお困りの方は、ぜひ導入をご検討ください。お気軽にご相談ください。
AI機能(AIOps)の特長 ―AIに運用をおまかせ―
カバー範囲が広い |
AIが ネットワークとセキュリティ を統合管理
ネットワークとセキュリティ を AI で運用することにより、お問い合わせ窓口が1つとなり、インシデント発生時には統合的な分析を実施し、早期解決に繋げることが可能。 ![]() |
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的確なサポート |
NTTPCの運用ノウハウを生かした AIエージェント
NTTPCコミュニケーションズの豊富な 運用実績・ノウハウをAIに学習させる ことで、お困りごとを 24時間365日いつでも即座に状況を把握 し、お客さまの日々の運用をサポートするAIエージェントを実現。 ![]() |
使いやすい |
普段利用しているツールで簡単に使える
普段利用しているツール(メール、チャットツール等)から連絡方法をご自由に選択可能。コントロールパネルを操作する必要なく、AIからの「通知」や「お問い合わせ」は選択いただいた連絡ツールで完結。 ![]() |
AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations):AIを活用してICTインフラのオペレーションを効率化・高度化し、安定的な運用と迅速な障害復旧を支援するもの
後編では、ネットワークやセキュリティに関わる方向けに、「Prime ConnectONE®」のダッシュボード機能や開発の背景などについて、さらに深掘りしてお届けします。
「Prime ConnectONE®」は、NTTPCコミュニケーションズの登録商標です。
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