AI時代の大学教育——なぜ今、コミュニケーション能力が問われるのか。北海道情報大学が挑む「情報イノベーター」の育成
生成AIの普及によって、「AIをどう使うか」という議論は、すでに当たり前のものになりつつある。では、AIが身近な存在になった今、大学教育においては、どのように人材を育てるべきなのだろうか。
北海道情報大学では、2027年4月に総合情報学部 情報理工学科を開設し、AIやデータを活用して社会課題の解決に挑む「情報イノベーター」の育成を進めようとしている。また、通信教育部では2025年度から、国内初(同大学調べ)の通信教育向けAI講師システム「HIUブレイン」の本格運用が始まった。
これらの取り組みの根底には共通した思想がある。それは、「AIを使う力」だけではなく、自ら課題を見つけ、問いを立て、対話を通じて解決へ導く力を育てるという考え方だ。
本インタビューでは、北海道情報大学 学長の渡部重十教授と、通信教育部長の越野一博教授への取材を通じて、AI時代の教育に本当に求められるものは何か、そしてその思想が「HIUブレイン」にどのように実装されているのかを伺った。
【北海道情報大学が進めるAI時代の大学教育】
- 北海道情報大学は「情報化社会の新しい大学と学問の創造」を建学の理念に、2027年4月に総合情報学部 情報理工学科(設置届出済/入学定員80名)を新設。DXを共通基盤にGX(環境)・HX(健康)を融合し、AIやデータで社会課題を解決する「情報イノベーター」の育成を進めている。
- 通信教育部では、2025年10月から同大学調べ国内初の通信教育向けAI講師「HIUブレイン」を本格運用開始。教員が作成したシラバスや授業資料をRAGに登録し、教員役AIやバーチャル・クラスメイト、AIアシスタントが対話形式で学習を支援している。
- 本記事のテーマは「問いを立てる力」である。渡部学長は「AIに使われる側から、AIを使う側に」、越野教授は「AI時代に必要なのはコミュニケーション能力」と語る。AIが答えを出せる時代だからこそ重要なのは、自ら課題を見つけ、問いを立て、人・AI・社会との対話を通じて解決へ導く力である。
「情報」を軸に、社会課題を解く総合大学として
北海道情報大学は1989年、江別市西野幌に開学した情報系の総合大学だ。建学の理念は「情報化社会の新しい大学と学問の創造」。この理念は、単に情報技術を教える大学であることを意味しない。渡部学長は、大学名にも冠された「情報」の意味を、次のように整理する。
「本学は、大学名に『情報』を掲げる大学として、情報技術そのものを学ぶだけでなく、情報を基盤として社会のさまざまな課題を解決できる人材の育成を目指しています。」
情報技術は、社会課題を解く「道具」である——このスタンスが、開学から30年以上経った今も変わることなく、大学の教育・研究の根本を貫いている。
そして同大学は、この理念を具体化するために、3つの「広がり」を持った学びを設計してきた。1つ目は、経営情報、システム情報、情報メディア、そして2027年4月に新設される情報理工学科という4学科体制で、「情報×経営」「情報×システム」「情報×メディア」「情報×社会課題」と多様な領域を組み合わせる横の広がり。2つ目は、学部から大学院、そして構想中の博士課程へと、深く探究できる縦の広がり。3つ目は、通学課程だけでなく通信教育部と、日本全国10の姉妹専門学校(電子開発学園:eDCグループ)を持ち、学ぶ場所・時間・レベルに縛られない学びの多様性である。
同大学は、文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム(MDASH)認定において、通学課程・通信教育部ともに「リテラシーレベル」と「応用基礎レベル」の両方を取得している。この通学・通信の両課程で両方の認定を持つのは、全国的にも希少な存在だ。
2027年4月開設「情報理工学科」——DXを共通基盤に、GX・HXで社会課題を解く
情報理工学科は、この「情報を軸に社会課題を解く」という理念を、最も先鋭的に体現する新学科だ。学科の設立背景として、渡部学長は現代の課題認識を次のように語る。
「地球温暖化などの環境問題(※1GX分野)、メンタルヘルスなどの生命問題(※2HX分野)は、いずれも単一の専門学問だけでは解決が困難な時代を迎えています。『情報科学』『工学』『経済学』の知見と※3DXを基盤に、GX、HXを融合し推進する『情報イノベーター(革新者)』を育成し、これらの領域で社会課題を解決できる人材を育てたいと考えています。」
情報理工学科は、DXを共通基盤としながら、GXとHXを融合した多面的な学びを展開する。入学定員は80名(2027年4月開設予定、設置届出済)。
カリキュラムの特徴は3点にまとめられる。
第一に、1年前期から情報教育と教養教育を並行して進める構造。従来型の「まず教養、次に専門」という順序ではなく、入学直後から情報の基礎を集中的に学びながら、その延長線上で英語や数学を理解する。この設計により、1年前期でコンピュータサイエンスの基礎を学び、基本情報技術者試験の合格レベルを目指す。
第二に、専門科目の半分以上が実践的なプロジェクト型で構成される点。企業や自治体の実データを収集・分析し、グループで課題解決に取り組む演習が中心となる。
第三に、研究室制の採用。1つの研究室に複数の教員が担当し、3年生から配属される。ジオインフォマティクス、環境情報・シミュレーション、画像AI、バイオエンジニアリング、デジタルヘルスといった5つの研究室が、GX・HXの現場に踏み込む学びの舞台となる。
新学科の設計にあたり、渡部学長が繰り返し強調したのは「実データ」の重要性だった。江別市周辺での都市型農業(ブロッコリー国内生産量トップクラス、独自品種の小麦「ハルユタカ」など)や、eDCグループ内の宇宙技術開発株式会社(SED)が持つ衛星データを活用したスマート農業研究など、産学官連携で得られた実データを、そのまま学生の学びに接続する仕組みがすでに動いている。教室での理論学習と、現場での実践学習が地続きになっていること——これが、情報理工学科の設計思想である。
次の注釈は北海道情報大学情報理工学科詳細サイト(2027年4月誕生 総合情報学部 情報理工学科|北海道情報大学)より引用
※1:GX(グリーン・トランスフォーメーション)とは、DXを基盤に、地球環境との調和を図りながら経済や産業の仕組みを持続可能な形へ変革していく取り組みのこと。
※2:HX(ヘルスケア・トランスフォーメーション)とは、DXを基盤に、医療・診療・治療の高度化や病気予防、生活の質向上などを通じて、健康増進を実現すること。
※3:DX (デジタル・トランスフォーメーション)とは、AIやIoT、データサイエンスなどの様々なデジタル技術を活用し、企業活動や社会の仕組み、私たちの生活そのものを根本的に変え、より便利で豊かな未来を築いていくこと。
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渡部学長が語る、「AIを使う側」に立つということ

情報理工学科のカリキュラムを貫くのが、AIとの向き合い方に対する明確なスタンスだ。渡部学長は、それを一言で表現する。
「AIに使われる側から、AIを使う側に立ちましょう。」
この一文には、深い含意がある。AIを恐れて避けるのでもなく、AIを開発する専門技術者だけを目指すのでもなく、AIを道具として使いこなし、GX・HX・DXという現実の社会課題の解決に応用できる人材を育てる——このスタンスは、情報理工学科の全体設計に浸透している。
同大学のシステム情報学科では、卒業研究の半分弱がAI関連のテーマとなっている。ここで重要なのは、その多くが「AIを作る」のではなく、「AIを使って社会課題を解決する」というスタイルであることだ。学生が自ら「生成AIを使ってこの課題を解けないか」と提案し、教員がそれを受け止める。深層学習の精度競争が過熱していた時代を経て、いまや生成AIは道具として使いこなす時代へと入った。渡部学長の言葉を借りれば「ロジックから道具として使うようになった」時代である。
同大学では、こうしたスタンスに基づき、学生の生成AI利用を積極的に推奨している。ただし、これは決して「なんでもAIに任せてよい」という意味ではない。
「AIで出した成果でも、なぜその結果になったのかを、教員から質問された時に説明できるようにしておくこと。」
この一貫した姿勢が、AIを"使う側"に立つ思想の核心である。単にAIが出したものをコピー&ペーストするのではなく、その裏側にあるロジックを理解し、結果を吟味できる力を持ってこそ、AIは社会課題を解く力になる。生成AIを使うにせよ、AIエージェントに任せるにせよ、最終的に判断し、責任を持つのは人間——このスタンスを、大学は明確に学生に伝えている。
情報理工学科の設計は、この思想の具体的な実装だ。実データで課題を発見し、AIに解かせる要件を設計し、AIが出した結果を吟味する。そしてもう一度、AIに問い直す。この一連のサイクルを、4年間を通じて身体化させることで、「AIを使う側」に立つ情報イノベーターが生まれる。
「情報イノベーター」——問いを立て、社会を動かす人
「情報イノベーター」——これは渡部学長が新学科設立にあたり、設置の理念に「わざと入れた」言葉だという。教科書には載っていない、大学発のキーワードだ。
「情報イノベーターとは、社会でさまざまな課題を、指示待ちではなく、自ら進んで課題を見つけていき、自分で解決できて、世の中をさらに豊かに発展させていくことができる人。」
この定義には、AI時代の教育に対する明確な思想が込められている。AIは既知の問題を、驚くほど早く解いてくれる。だが、「何を解くべきか」「なぜそれを解くべきか」という問いは、AIには生まれない。それは、社会と対話し、現場に立ち、自らの感覚と論理で「これを解きたい」と決められる人間にしか生まれない。
つまり、「AIを使う側」に立つとは、単に指示書き(プロンプト)を上手に書くことではない。AIに何を解かせるかを設計する能力——問いを立てる能力を持つことである。要件定義、仮説設定、課題の切り出し、優先順位付け。これらすべてが、「問う力」の内実だ。
そしてこの「問う力」は、情報イノベーターに求められる能力の起点になる。問いがなければ、データを集めても意味を成さない。問いがなければ、AIの精度がいくら上がっても、社会課題は解けない。問いを持つ人こそが、AIとデータの力を最大限に引き出せる——これが、情報イノベーターという人材像の本質だ。
通信教育の学びを、さらに対話的に——HIUブレインの誕生

「問う力」を育てるという理念は、抽象論として大学の中に留まっているわけではない。すでにその思想を具体的な教育基盤として実装している場所がある——通信教育部で運用されている「HIUブレイン」だ。
北海道情報大学の通信教育部は、1994年度の開設以来、ICTを活用した教育に取り組み、全国の学生に学びの機会を提供してきた。学習管理システム「POLITE」を活用したオンライン学習環境の整備など、通信教育のデジタル化にも早くから取り組んできた実績を持つ。
そうした中で同大学が目指したのは、「いつでも学べる」環境をさらに発展させ、「いつでも対話できる」学習環境を実現することだった。
その挑戦として誕生したのが、生成AIを活用した通信教育向けAI講師システム「HIUブレイン」である。同大学調べによる国内初の通信教育向けAI講師として開発され、2025年10月から通信教育部で本格運用が始まった。
同システムを推進する通信教育部長の越野一博教授は、HIUブレインの開発意図について次のように語る。
「AIが教員に代わるのではなく、教員の教育設計を24時間使える形に広げ、学生が自分のペースで学びを深められる環境をつくる——これが目指しているところです。」
越野教授が強調するのは、「教員の代替」としてのAIではない。教員が長年培ってきた教育ノウハウや教材を、時間や場所の制約を超えて学生へ届けるための新しい教育基盤としてAIを活用するという考え方である。
学習を進められる。教員役のAIだけでなく、バーチャル・クラスメイトやAIアシスタントも用意されており、学習内容への理解を深めながら、自ら考え、質問し、学びを進めていくことができる。
「通信教育部の学生は、時間や場所にかかわらず学べる一方、教員にその場で質問する機会が限られています。疑問を抱えたまま学習を進めてしまい、理解が不十分なまま先に進んでしまうことがありました。」
だからこそHIUブレインは、「教えるAI」を目指したのではなく、「学びを支えるAI」として設計された。
この思想は、後に越野教授が語る「問う力」や「コミュニケーション能力」の育成にもつながっていく。
ガードレール型AI講師の設計思想
HIUブレインの技術的な特徴は、「ガードレール型」の設計にある。越野教授は、その意図を次のように説明する。
「テーマが漠然としてしまうと、学生も何を学んでいるかわからなくなります。ガードレールとしての1本道を準備することが大切です。授業資料とシラバスをもとに、AIに回答させています。」
具体的には、教員が用意したシラバスと授業資料(文章・図表・数式・プログラムコードを含む)をRAG(Retrieval-Augmented Generation)に登録し、それを情報源としてAIが対話形式で学習を支援する。単に汎用の生成AIに丸投げするのではなく、教員が設計した学習範囲の中で、AIが学生を導く仕組みだ。
さらに特徴的なのは、AIの多役割設計である。教員役のAIが科目解説を行うだけでなく、クラスメイト役のAI(2人、口調や性格が異なる)が「こういうことを聞いてみたら」と質問例を示す。プログラミング科目では、AIアシスタントがコード生成やデバッグを支援する。学生の理解度に応じて、初心者・中級者・上級者の3段階のレベルで応対を切り替え、確認問題もレベル別に出題する。
品質面では、ハルシネーション対策も丁寧に組み込まれている。15回分の授業を教員がすべてチェックし、運用中もログをすべて取得。AIが回答した内容の適切性を、性能の高い別のAIで振り分け、教員が優先的に確認する仕組みだ。加えて、学生からの誤り指摘窓口も用意されている。
利用実績も着実に伸びており、2026年7月時点で累計426名が利用、2025年6月の試用実験では「使いやすさ」95%、「学習に役立ちそうか」94%、「自然に会話できる」98%と、学生からの評価も高い。現在は8科目にて運用中で、半期ごとに4科目ずつ追加する計画だ。
だが、HIUブレインの本質は、こうした技術的な工夫の先にある。
越野教授が語る、AI時代のコミュニケーション能力

HIUブレインは単に「AIが授業を代替する仕組み」ではない。むしろ、それは学生の「質問する力」を育てるための教育基盤である——これがHIUブレインの設計思想だ。
「今後、HIUブレインで最も注力していきたいのは、学生の質問力を鍛えることです。」
越野教授はそう語った。通信教育部の学生に限らず、通学課程の学生でも、多くの若者が「何を聞いていいのかわからない」という状態に陥っている。教員が「わからないところがあれば手を挙げて」と言っても、手は挙がらない。「自分がここまでは分かっている、ここから先が分からない」という線引きが、そもそも本人の中でできていないのだ。
そこでHIUブレインは、AI講師が学生に対して能動的に問いを投げかける設計を取り入れている。教員役のAIが「ここまでで、わからないことはありますか」と促す。クラスメイト役のAIが「こういう質問をしてみたら」と例を示す。学生は、AIとの対話を通じて、少しずつ「何を、どう質問すればよいか」を学んでいく。
「学生に気づきを与えるような問いをAIが投げかけてくれる——それが、私たちが目指すAIの姿です。」
越野教授は、この設計の狙いを、AI時代の実社会と結びつけて説明する。
「AIを活用する時代だからこそ、必要なのはコミュニケーション能力です。プロンプトの精度は、書く人によって驚くほど違います。自分の意図を明確に言語化できるか、相手が持つ前提知識を踏まえてどこまで伝えるべきかを判断できるか——こうした基本的なコミュニケーション能力が、AIとのやり取りにも如実に表れます。」
これは、AI時代のコミュニケーション能力そのものだ。AIに正確に指示を出せる人は、実社会でも円滑にコミュニケーションが取れる。AIとの対話が上手な人は、人との対話も上手だ——越野教授の観察は、HIUブレインを通じて見た学生の姿と、実社会で求められる能力を、鮮やかに結びつけている。
「AI時代も質問の仕方、コミュニケーションの取り方は普遍なのです。」
AIとの対話が、人と社会との対話を育てる
越野教授は、AI時代の教育のあり方について、さらに深い洞察を語ってくれた。
「AIは非常に賢く、学生が言葉足らずな質問をしても、意図を推測して答えを返してくれます。しかし、それだけでは、質問そのものを組み立てる力は身につきません。だから、これは何を言いたいのか、この質問の仕方そのものを勉強できるような仕掛けを入れたいと考えています。」
具体的には、学生の質問が曖昧なとき、AIが「あなたが言いたかったことは、次のうちどれですか」と選ばせる。賢すぎるAIがすべてを汲み取ってしまうと、学生は自分で考えて言語化する力を失ってしまう。だから、あえて学生に「言い直す」機会を提供する。この設計は、実は渡部学長の助言によって生まれたものだという。
「学長からは『AIが何でも汲み取って答える設計は避けたい』という助言がありました。学生自身が問いを組み立てられるように育てる——それこそが、大学教育の役割なのだと感じています。」
そしてもう一つ、越野教授が語ったのは、通信教育部の学生には研究室配属がなく、卒業論文があるとはいえ科目の中から選んで勉強していく形になるため、通学課程のような教員との深い対話の機会が少ない、という構造課題だ。
「通信教育部では、学生の顔が見えづらく、1人ひとりの個性を把握するのが難しい面がありました。しかし、HIUブレインを介することで、AIが学生の個性やつまずきのポイントをとらえ、教員側と共有できるようになります。むしろ、学生との距離を近づけられるのではないかと考えています。」
AIは、学生と教員をつなぐ「コミュニケーションのハブ」になる。AIとの対話を通じて、学生は自分の理解度と学び方を把握できる。教員は、AIが可視化したデータを通じて、学生1人ひとりの学びを丁寧に見つめられる。従来の通信教育では実現できなかった「個別最適な学び」が、AIによって現実的になりつつある。
結び|"問い"を立てられる人が、社会を動かす
渡部学長が語る「AIを使う側」に立つとは、単にAIを操作するスキルではない。AIに何を解かせるかを設計し、その結果を吟味し、社会課題の解決へと橋渡しする——その際に重要なのが「問いを立てる力」である。越野教授がHIUブレインで育てようとしている「質問力」「言語化力」「コミュニケーション能力」は、まさにその「問いを立てる力」の教育実装である。
情報イノベーターとは、AIとの対話、人との対話、社会との対話を通じて磨かれた"問いを立てる力"を持ち、その力でAIとデータを動かし、社会課題を解いていく人——北海道情報大学が2027年4月に踏み出す新学科の姿は、AI時代の大学教育のあり方を、鋭く問い直している。
そして、ここで育まれた「問う力」を持った人材と、AIとデータの力が、実際の社会課題を解いていく現場がある。北海道情報大学の健康情報科学研究センターでは、江別市民1,200名を対象にした認知機能コホート研究「江別いきいき未来スタディ」など、食×健康×情報を軸にした大規模な社会実装が進んでいる。そして今、NVIDIAの小型AIワークステーション「NVIDIA DGX Spark™」を活用したローカルLLMによる対話型データ解析の取り組みが、始まったばかりだ。
▶ NVIDIAの小型AIワークステーション「NVIDIA DGX Spark™」の詳細については、次のページをご覧ください。:NVIDIA DGX Spark|GPUならNTTPC|NVIDIAエリートパートナー

北海道情報大学の教育から学ぶ、企業のAI活用のためのヒント
北海道情報大学へのインタビューを通じて、NTTPCがお客さまのAI活用支援の現場で日々直面している課題と、驚くほど共通するテーマが浮かび上がってきた。それは、「AIをどう使うか」ではなく「AIで何を解くか」という視点、そしてAI時代にこそ求められる「対話する力」の重要性だ。以下、企業のAI・DX推進に取り組む方々に向けて、3つの視点にまとめて紹介したい。
視点1|「AIを使う」から「AIで解く」へ——問いを設計する力
渡部学長が繰り返し語った「AIを使う側に立つ」という言葉は、私たちが企業のお客さまと対話する中でも、繰り返し感じるテーマである。エクシオ・デジタルソリューションズ株式会社(以下、EDS)さまも、当社のインタビューで「AIに仕事を奪われる側になるのではなく、AIを使いこなして生き残る」と語られた。
▶ 関連記事:「AIに使われる」から「AIを使いこなす」へ──エクシオ・デジタルソリューションズが描く生成AI活用と組織づくり|AIとDXの新しいミカタ。【公式】NTTPCコミュニケーションズ
単に生成AIを導入するだけでは、成果にはつながらない。AIエージェント時代に本当に問われるのは、「AIに何を解かせるべきか」を設計する力——つまり、渡部学長が語る「問いを立てる力」である。EDSさまの事例でも、「リテラシー向上」を進めた後、「業務への組み込み」へと段階を進めており、その中核にあるのは、事業責任者の目線から「どの業務プロセスにAIを使うべきか」を明確に設計する視点だ。
企業においても、業務課題を丁寧に分解し、AIに対して的確な要件を提示できる人材こそが、AIを使った業務の生産性向上、ビジネスの拡大に寄与する。ツールを配ることと、成果を生むことは別物である。大学が「問う力」を育てているのと同じように、企業でも「問いを設計できる社員」を育てる仕組みが求められている。
視点2|AI時代のコミュニケーション能力——「言語化力」が競争力になる
越野教授が語った「AIを活用する時代だからこそ、必要なのはコミュニケーション能力」という指摘は、NTTPC自身の全社DX推進の実感とも重なる。
▶ 関連記事:生成AI導入で変わる現場の働き方 ~NTTPCが実践する全社DX推進のリアル~|AIとDXの新しいミカタ。【公式】NTTPCコミュニケーションズ
NTTPCでは全社員の83%が生成AIを日常業務で活用しているが、AIから期待通りのアウトプットを得られるかどうかを分けるのは、「自分が何をしたいのか」「どこまで分かっていて、どこから分からないのか」を明確に言語化する力である。これは、AI活用の現場でNTTPCが実感してきたポイントだ。また、これはまさに、HIUブレインが学生に育てようとしている力そのものだ。
企業がリスキリング・人材育成を検討する際、単なる「AIツールの操作研修」で終わらせては、効果は限定的である。「言語化力」「質問力」といった基本的なコミュニケーション能力を軸に据えた設計こそが、AI時代の競争力の源泉になる。越野教授の言葉を借りれば、「AI時代も、質問の仕方、コミュニケーションの取り方は普遍」だからこそ、その普遍的な力を組織的に育てる仕組みが必要になっている。
視点3|AIを「組織文化」に育てる——ハブとしてのAI活用
越野教授は、HIUブレインを「学生と教員をつなぐコミュニケーションのハブ」と位置付けた。この発想は、企業のAI活用にも応用できる。
NTTPCでは、生成AI推進体制として全社の各部署に「ナレッジハブ」を設置し、部署横断で情報を集約・共有する仕組みを整えることで、AI活用の裾野を広げてきた。EDSさまも各組織にアンバサダー(推進役)を配置し、生成AI推進センタ(AI CoE:Center of Excellence)がEDSを含むエクシオグループ全体のAI推進を支える体制を構築されている。
大学と企業では現場は異なっても、AIを「一部の詳しい人が使うツール」ではなく「組織全体をつなぐハブ」として活用するアプローチは共通している。企業のAI導入において、ツール選定と同じくらい重要なのは、「組織文化」としてAI活用を根付かせる仕組みの設計である。
NTTPCがご支援できること
NTTPCは、AI(GPU)基盤における豊富な実績に加え、NVIDIA Partner Networkの国内最高位アワード「Best NPN of the Year」を2年連続で受賞しています。また、AI基盤の導入だけではなく、AI活用の伴走支援を通じて、企業のAI活用を「導入」から「業務変革」へと引き上げるご支援をしています。お気軽にお問い合わせください。
具体的なソリューションはこちら:NTTPCのAIソリューション
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GPU製品・サービス
AI/IoT、デジタルツイン用途に適したGPUサーバーを設計・構築。さらにデータセンター・ネットワークなど、GPU運用に必要なシステムをワンストップで提供可能。
※NVIDIA、NVIDIA DGX Spark™は、米国およびその他の国におけるNVIDIA Corporationの商標または登録商標です。