開催概要
NTTPCコミュニケーションズ(以下NTTPC)は2026年2月26日に、パートナー共創プログラム「Innovation LAB」のビジネス交流イベント「Innovation LAB Meetup#4」を開催しました。
4回目の開催となる今回は、Innovation LABパートナー企業のほか、AI開発や導入を通じて新規事業・ビジネスの創出を目指す企業・団体など、合わせて130社、286名の方にご参加いただき、過去最高の規模となりました。
\当日の様子をダイジェストでご覧いただけます/
最初に、代表取締役社長の工藤潤一から、「現在のビジネス環境は一社だけで画期的なソリューションを生み出すことは難しくなっています。異なる課題や異なる技術を持つ企業同士がMeetupイベントで出会い、化学反応を起こしていただければ幸いです」と挨拶を申し上げました。

第1部基調講演
人とアバターが共生する未来社会の実現とビジネス実装
石黒 浩 氏
大阪大学基礎工学研究科教授 ATR石黒浩特別研究所客員所長
工藤 潤一
NTTPCコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長
次に基調講演として、大阪大学基礎工学研究科教授 兼 ATR石黒浩特別研究所客員所長の石黒 浩さまをお招きし、「人とアバターが共生する未来社会の実現とビジネス実装」をテーマに、弊社社長の工藤潤一との対談形式で自律型ロボットやアバターがもたらす未来社会についてお話しいただきました。石黒先生はロボット工学がご専門で、近年はアバターを中心とした研究を手掛けられています。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)では、シグネチャーパビリオン「いのちの未来」のプロデュースも務められました。

- 工藤
- 2025年に開催された、大阪・関西万博を訪問した折に、シグネチャーパビリオン「いのちの未来」を拝見する機会がありました。さまざまなアンドロイドを用いて描いた過去から近未来の姿や、幻想的な音楽の中でアンドロイドが踊る1000年後の未来の姿はとても強い印象として記憶に残っています。そこに込めた想いをお聞かせください。
- 石黒
- 人と関わるロボットの研究を25年以上続けてきて、とくにこの5年ほどはアバターの研究と社会実装に力を入れています。その大きな動機が日本の人口減少問題です。数十年後も現在と同じ豊かな生活を維持するには、何らかの手段を導入せざるを得ません。移民に頼る方法もひとつですが、幸い日本にはロボットやアバターを受け入れる文化的土壌があります。また、人らしいロボットを研究することは人間を理解する鏡にもなり、これも研究の大きな動機のひとつです。
肌の色や障害の有無などによって差別が生じることがありますが、アバターを使えば影響を受けにくくなりますから、ダイバーシティやインクルージョンのある社会の実現にも寄与できます。実際に「いのちの未来」では、障害のある方や自閉症の方、高齢の方々にもアバターを操作していただいています。実際に人間が裏方として存在することを前提としたサービスはたくさんあって、そうした方々もアバターを通じて働くことができます。また、アバターが普及すれば通勤が不要になり、社会全体の生産性向上も期待できます。教育や医療の在り方も変わっていくでしょう。
これまで私自身の分身となるアンドロイドを何世代かにわたって開発してきました。生成AIを組み込んだ現在の世代のアンドロイドには、私が執筆した書籍やメディアでのインタビューをすべて学習させています。そのため、私の知識を基に、大規模言語モデル(LLM)の情報を活用しながら、ハルシネーション(誤情報)を抑制しながら人間と対話させることが可能です。しかも私と違って多言語に対応していますし、人間と対話した履歴も記憶しています。私の存在を引き継ぎながらも、私とは独立した経験を蓄積しているのです。

人間とアバターが共存し人口減少問題にも対応できる未来社会を、皆さんとともに実現していきたいと考えています。
- 工藤
- 将来を担う若者に向けてメッセージをお願いします。
- 石黒
- 大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」で伝えたかったのは、未来を創るのはわれわれの責任ということです。われわれ一人一人がどのような未来を創りたいかを考え、技術を活用しながら、責任ある進化を成し遂げていただきたいと思っています。
- 工藤
- 石黒先生のお話の実現にはさまざまな分野のパートナーの力が欠かせないと考えます。NTTPCはInnovation LABを通して、さまざまなパートナーとの共創を実現したいと考えています。

第1部ショートピッチ
続く「ショートピッチ」では、Innovation LABのパートナー企業から9社が登壇し、それぞれの取り組みを紹介しました。ファシリテーターはNTTPCの庄司洋一郎(AIソリューション事業部 ビジネスデザイン部門 HPCコンサルティング部)が務めました。

バーチャルヒューマンや仮想身体性エージェントなど、人とAIの新しい関係を探る研究から、触覚や力覚を学習したフィジカルAIによるロボットの自律作業、感性や質感を定量化する技術まで、AIの応用領域は多岐にわたります。さらに、小売業向けデータ連携基盤、エッジAIデバイスの遠隔管理、AIによる自動音声吹き替え、AIワークロードに適したGPU高速化支援、衛星データとAIを組み合わせた環境・災害分析など、実社会の課題解決に向けた具体的なサービスも紹介され、AI活用の広がりと可能性を示す内容となりました。
各社5分という短い時間でしたが、今後の展望や注力分野、パートナーとの共創を考えているポイントなどを提案いただきました。

第2部ビジネス交流会
第2部では、さまざまな立場・課題感を持つ来場者間でのマッチングを行う「ビジネス交流会」を開催しました。冒頭でNTTPC常務取締役 友近剛史から、「皆さまが描く未来像を、誰と、どう実現していくかが重要です。NTTPCは皆さまがビジネスで新たな挑戦に取り組むときのパートナーでありたいと考えていて、本イベントを通じて積極的な交流が進むことを期待しています」と挨拶を申し上げました。
講演会場外のエリアでは、約80社のパートナー企業にご協力いただき、各社の強みや技術アセット、提供ソリューションを紹介するパネル展示を実施しました。
多様な領域・テーマの取り組みを一覧できる構成とし、来場者が関心に応じて情報収集や対話を行える場となりました。

あわせて、一部パートナーによる展示・デモも行われ、AVITAさまの接客アバター「AVACOM」や、Awwさまの対話型バーチャルヒューマン、Spiral AIさまのキャラクターAIアプリ「安倍晴明AI」などが紹介されました。
また、メーカー各社による最新GPUを搭載したハードウェアの展示も行われ、具体的なユースケースを起点とした対話や、今後の連携につながる交流が生まれました。
第2部では、ご来場者様同士がスムーズに交流するための「ビジネスマッチング」も実施しました。来場された方が、展示パネルや第1部のショートピッチを通じて興味を持った企業を指名すると、事務局での調整ののち個別に交流ができるという企画です。
会場は熱気にあふれ、名刺交換やディスカッションが活発に行われるなど大変盛況でした。これをきっかけにAIを基軸とした新たな共創へと発展していくことが期待されます。

イベントの最後に、立教大学大学院 人工知能科学研究科教授の内山泰伸様より閉会のご挨拶をいただきました。スポーツにおけるTEAM JAPANの例を引き合いに、Innovation LABを通じて企業同士が連携し、日本発のイノベーションを推進していくことへの期待を述べられました。
NTTPCは現在「AIファースト」を掲げ、AIを活用したサービスの提供や、お客さまのAI基盤の構築に強く取り組んでいます。今後もInnovation LABをハブとして、パートナー企業の皆さまと協力し、AIを活用したビジネス共創を支援していきます。
本イベントが、ご参加いただいた皆さまにとって新たな共創のきっかけとなることを期待しています。






























