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【分散コンピューティング】

  • グリッド・コンピューティング

 基本的には、ネットワークにつながった複数のコンピュータに仕事を振り分けて、全体で大きなコンピュータのように使うこと。あるいは、そのための技術。

 たとえば、今ここに、1台のコンピュータで処理すると長時間かかる膨大な仕事があるとしよう。そのために高性能なコンピュータを用意して、その仕事専用に使うと莫大な費用がかかる。

 そこで、インターネットを通じて各地のコンピュータに仕事を送り、終わったら戻してもらう。こうすれば、ひとつの仕事のために高性能なコンピュータを用意したり、そのコンピュータが占有されたりしない。割り振ったコンピュータの中に忙しいものがあっても、できた分だけ戻してもらって残った仕事は別の余裕のあるコンピュータに助けてもらえばいい。

 で、これを実現するには、効率的に仕事を割り振ったり、戻ってきた結果をまとめたり、そういった技術が必要だ。こうした技術や手法を、グリッド・コンピューティングとか分散型コンピューティングと呼んでいる。グリッド(grid)は、「格子」や「網」といった意味。

 さて現在、実際に運用されているグリッド・コンピューティングの中には、家庭のパソコンで参加できるものも多い。

 たとえば、宇宙人を捜す有名なプロジェクトがある。「SETI@home」といって、宇宙から地球に届く電波を分析して、その中に意味のあるものがないか調べている。もし、自然には発生しない電波があれば、それは宇宙人が発したものと考えられる。

 しかし、その分析には膨大なコンピュータ能力が必要になる。特定の研究期間や大学などが負担するのは大変だ。そこで、分析作業を小分けして家庭などのパソコンに送ってボランティアで分析してもらう。といっても、あまりパソコンが使われていないときに自動的に作業するのでユーザー側には支障がない。しかも、自分のパソコンから宇宙人が発した電波が見つかるかもしれないという夢がある。

 同じ手法で、暗号の解読や、新薬開発の研究なども行われている。個人だけでなく、大学や学校のパソコンで参加している例もある。

 今のパソコンは、かつての大型コンピュータ並の性能があるといわれる。にもかかわらず、使われていない時間も長い。グリッド・コンピューティングは、こうした宝の持ち腐れ的状況を有効利用するものだ。そして狭義では、このように主に個人のパソコンを使って共同研究することをグリッド・コンピューティングと呼ぶことがある。

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用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修

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