【若手社員による技業挑戦LOG】
NVIDIA Jetson Nanoで
郵便受け監視システムをつくってみた

【技業LOG】技術者が紹介するNTTPCのテクノロジー

2024.04.30
その他
宮崎 真琴

インフラエンジニア
宮崎 真琴

取得資格:ITパスポート、LPIC level1、.com Master ADVANCE☆☆、ITIL Foundation

技業LOG

若手社員による技業挑戦LOG
- 技術トレーニング実施レポート -

本記事は、NTTPCの若手社員育成施策である「トレーナー施策」の参加者が、実施した技術トレーニングの内容を紹介しています。
参加者にはトレーナーがアサインされ、課題設定からシステム構築、発表という一連の流れを経験しました。
この取り組みによって、部署をまたいだつながりの形成やコミュニケーションの活性化、技術力の向上などが促されることを目指しています。

はじめに

今回「技術トレーニング」の場で与えられた課題は、「第三者に価値を提供できるサービスを考え、開発しよう」というものです。
まだ経験が浅い私からすれば「何から始めてよいかわからない、そもそも開発とは...?」など最初は戸惑いましたが、自由度は高いけれど方向性は決めやすい課題だと捉え直すと取り組みやすく感じました。

私の考えたアイデア
『郵便受け監視システム』

検討したサービス概要

私が考えたサービスは、次のようなものです。

*****************************************

  • サービス名:「お便り通知くん」
  • 概要:郵便受けに投函された時に、重要なもののみ通知してくれるサービス
  • 使用機材:NVIDIA Jetson Nano 2GB + Raspberry Pi Camera Module + 手持ちのスマートフォン + 手持ちのモニター
  • 構成:下図参照
  • このサービスが第三者に提供する価値:
  • EメールやSNSなどデジタルな連絡手段に慣れ、郵便の存在を忘れがちな人へ、投函を通知することで、重要な郵便物を見逃さなくなる。
  • 画像解析を用いて、【重要】・【親展】などの文字を認識し、チラシなどの投函や風などの開閉は通知せず、対応が必要な投函のみ通知する。

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サービス立案の背景

私がこのサービスを考えたきっかけは、実家から引っ越したことでした。それまで、家族の誰かが自宅の郵便受けを確認してくれていたため、自分で郵便受けを見る習慣がなく、重要な書類が投函されていたのを放置し、対応期限が過ぎてしまったこともありました。その時には事後対応が本当に面倒で、(己の怠惰が招いた結果ではありますが)郵便受けが投函を通知してくれたらいいのに・・・と思い、このサービスを開発してみようと思い立ちました。

サービス開発の課題でこだわったこと

今回の開発課題でこだわったことは、サービスを通じていかに「第三者に価値を提供できるか」どうかです。
ちょうど別の研修で新規事業開発コースをとっていたこともあり、「この郵便受けを監視し通知してくれるサービスは、本当に第三者に価値を提供できるのか」という疑問が生じました。私だけで開発していても、第三者の意見や価値観を想像するのには限界があります。そこで私は周囲の方にアンケートをお願いして、このサービスの有用性を確認することにしました。

本システムの対象は、普段リモートワークをしていて、スマートフォンの通知などに親しみのある20-30代です。NTTPCはリモートワーク推奨の会社ということもあり、担当業務で関係する社員30人の方に協力してもらいました。

そこから得られたアンケートの結果としては、約60%の方から「郵便受けの利用について困ったことがある」と回答がありました。また、「投函を通知するようなサービスがあれば利用する(と思う)」と回答した方は約65%でした。この調査を経ることで、私の考えたサービスが第三者に価値を提供できるのかどうかという課題に対し、一定の有用性を確認することができたと思います。
また、今回初めて社内の方にアンケートを取りましたが、みなさん快く協力してくれました。改めて周りの方々に支えられていると感じました。一方で、アンケートは数を集めるということよりも、確認したい設問を事前にきちんと設定することの方が難しいということも学びました。

サービス開発で実際に苦労したこと

私がこの課題に取り組む中で苦労したことは、物理機器の扱いです。これまでの担当業務では、仮想マシンを触ることが多く、物理マシンを触る機会があまりありませんでした。そのため、CPUの発熱によって簡単に処理落ちを起こすなど、初歩的なことでも慌てて四苦八苦してしまいました。

参考にした書籍などには「必要に応じて冷却装置を買おう」と書かれていたり、「自作パソコンは冷却装置が必須!」という話を先輩社員から聞いていたりしたのですが、実際に物理機器がどれくらいの処理をどれくらいの時間やったら処理落ちするほど熱くなるのかなど、具体的な要領が全く想像できていませんでした。そのせいで、メモリ不足というエラー文をそのまま読み、直接的な解決法を実施してOSを壊すという...(実際にはOSが壊れたわけではなさそうですが、元に戻せない時点であきらめました...)

そんな初歩的な段階で躓いてしまったので、実際に開発できたのは、定期的に郵便受け内を撮影しLINEへ写真送信するところまでとなり、想定していた、投函物の画像解析や投函をトリガーに動かす仕組みには着手できませんでした......。

サービス開発の過程で得た学び

開発に関して得た学びは、次の2点です。

  • エラーが出た時は周囲の警告文も合わせて読み、原因の切り分けを行う
  • どの作業に問題があったか後でわかるよう、作業メモやログをとっておく

どちらもIT系企業に勤める社員には必須の事項かもしれませんね......良い経験になりました。

一方で、自分で自分を評価したいと思うことは、アンケート調査を行って、自分のアイデアが第三者に価値を提供できるのかを確認したことです。課題の講評においても褒められた点だったので、自分の取り組む姿勢を少しでも示せた気がしてよかったです。
自分のこだわりや強みに気づき、活かすことができた取り組みになったと思います。

まとめ

今回の課題を通じて、サービスを企画すること・開発することの楽しさ・難しさを学ぶことができました。普段の業務とは扱うサービスや取り組む内容に違いはありますが、施策全体を通して築いた人間関係も大事にしながら、得た学びを活かして成長につなげていきたいと思います。

また、実際に構築したシステムは、まだまだ価値提供するには粗さの目立つサービスになってしまいました。考えていた開発のレベルに達せずに終わってしまいましたので、今後も勉強を重ねて、サービス自体の改善も行いつつ、今回のアイデアを完成させてみたいと思っております!!

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