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【空間分割多重化】

  • SDM

 1本の通信線や 1種類の電波で、同時に複数の通信を行うための技術を多重化という。SDM も、この多重化技術のひとつ。ただし、他の方法と違って必ずしも 1本の通信線や 1種類の電波とは限らない。

 SDM は Space Division Multiplexing(スペース・ディビジョン・マルチプレクシング)の略で、日本語では「空間分割多重化」と呼ばれる。最後の単語を Multiplex(マルチプレックス)にして、「空間分割多重」ということもある。

 SDM は、有線の場合と無線の場合でイメージが異なる。

 有線の場合は、単純に通信線が複数あると思えばいい。たとえば、パソコンやオーディオ用のケーブルは 1本に見えても中に複数の導線が入っているものが多い。そして、それぞれの導線に別の信号が流れる。物理的に信号が流れる場所が異なるので空間分割という。

 無線の場合、さらに複数の技術に分かれる。分かりやすいのは、初期の衛星通信などで使われた方法で、通信相手がいる方向に指向性の強い電波を出して通信する。

 例えていうと、こんな感じ。いわゆる裸電球は、あらゆる方向に光を出す。通常、電波の発信機も同じようにすべての方向に電波を出す。しかし、スポットライトを使うと一方向に光を送ることができる。同様に、通信したい相手に向かって飛ぶ電波を複数の方向に向けて発信することで、同時通信を可能にしたのが電波の SDM の一例。

 もうひとつ、最近は無線LAN(WiFi)ルーターの MIMO という機能でも SDM が使われている。MIMO は基本的に、複数のアンテナを使って同時に複数の電波を送受信する。

 本来は同時にたくさんの情報を送って通信を高速化する技術だけど、それぞれのアンテナから別の信号を発信して、それを受信側で演算処理して分離するといった技術が実用化してきた。これも、複数のアンテナで同時に違う情報を送るので SDM のひとつとされている。

 なお、この技術を使って同時に複数の機器を接続することを SDMA(空間分割多元接続)という。SDM(空間分割多重化)のほかに、代表的な多重化の方法として TDM(時分割多重化)や FDM(周波数分割多重化)、CDM(符号分割多重化)といった技術がある。

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用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修

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