- NTTPCコミュニケーションズ ホーム
- 用語解説辞典
- ほの一覧
- ボットウイルス
【ボットウイルス】
- ボットネット
ボットウイルスは、広い意味でのコンピュータウイルスの一種。「ボット」という名称は、ロボットに由来している。
一般のウイルスは、感染したパソコンの挙動をおかしくしたり、ファイルを削除したり、そのパソコン自体に被害を与えることを主な目的としている。一方、ボットウイルスは、感染したパソコンを悪用することを目的にしている。
ボットウイルスに感染しても、そのパソコンに目に見えて変化はない。そのため、感染しても気がつきにくい。ボットウイルスに感染したパソコンのことを、ゾンビパソコンという。
ゾンビパソコンは、ウイルス作成者から命令が来るのをじっと待っている。そして命令が来ると、活動を始める。具体的には、DoS攻撃、スパム(迷惑)メールの発信といった活動を行なう。ほかにも、プログラムを実行させたり、ファイルの送受信といったことができる。命令しだいで、どんな操作も可能だといわれている。
ゾンビパソコンが、数千台、数万台あれば、それらのパソコンが遠隔操作によって一斉に活動を始めるわけだ。この、ゾンビパソコンのネットワークを、ボットネットという。
ボットネットを使って、大量のパソコンを悪事の踏み台にすることがボットウイルス制作者の目的だ。自分のパソコンがボットウイルスに感染していると、知らぬ間に加害者の一員になってしまう。
ボットネット(ゾンビパソコン)に命令を出すとき、インターネットでチャットをするための IRC(Internet Relay Chat)という機能を使うケースが多い。そのため、ボットウイルスのことを IRCボットと呼ぶこともある。
ボットウイルスには、亜種が多いのも特徴のひとつ。ボットウイルス自体のプログラムがインターネットで公開されているものもあって、それを比較的簡単に改変できる。あまりにも亜種が多いのと、すぐに目に見える活動を行なわないため、ウイルス対策ソフトでも対応が間に合わないケースもあって、かなり深刻な問題になっている。
用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修