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【ダムパイプ】
- 土管化
ダムパイプ(Dumb pipe)のダム(dumb)は、あまりいい意味の言葉ではない。ここでは、ダムパイプを「ただのパイプ(管)」くらいに思ってもらえばいいだろう。日本語では、「土管化」ということが多い。
今ほどインターネットの技術が発達していなかったころ、インターネットで動画や音声、メッセージサービスなどを提供するのはハードルが高かった。通信回線が遅かったし、課金方法が限られていた。
そのため、こうしたサービスを提供できるのは ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)や携帯電話会社(キャリア)など、実際に通信回線を持っていて、月々の利用料を徴収している事業者が中心になると考えられていた。こうした事業者なら、コンテンツ利用料を通信料金に乗せて請求できる。
しかし、通信回線の速度が上がり、容量の多いサービスを手軽に利用できるようになり、クレジットカード決済やネット上で使える電子マネーなどの普及が進んだことで、ISP や携帯電話会社でなくても容易に動画や音声通信、SNS などのサービスを提供できるようになった。こうしたサービスや事業者を総称して、OTT(オーバーザトップ)という。
OTT が台頭してきたことで、以前は容量の多いコンテンツの提供や課金型サービスの主役だった ISP や携帯電話会社の立場が相対的に低くなり、データを送るだけの役割になってきた。つまり「通信サービスに付加価値がなく、単にデータを通す管を提供するだけ」といった意味でダムパイプ=土管化といわれるようになった。
もちろん、携帯電話会社なども手をこまねいているだけでなく、新しいコンテンツサービスなどを開発して土管化を防ぐ努力をしている。
用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修