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【マルチパス干渉】

  • マルチパス環境

 マルチパス(Multi path)は、日本語では「多重波伝播」とか「多重波伝送路」と呼ばれる現象。テレビ放送やラジオ放送、携帯電話、無線LANなど電波を使ったサービスで発生する厄介な問題。

 たとえば、大きなビルの近くで携帯電話で通話しているとしよう。このとき、基地局(街中にあるアンテナ)から直接届いている電波に加えて、ビルに反射して届く電波がある。両側にビルがあれば、何本もの電波が届いている状態になる。

 これは、基地局と携帯電話機が1対1で直線的につながるわけではなく、基地局から発せられる電波が常に四方八方に向かって飛んでいるためで、避けることができない。

 そして、ビルなどに反射してから電話機に届いた電波は、真っ直ぐ届いた電波よりほんの僅か遅れて届く。また、真っ直ぐ届いた電波より少し弱くなっている。ほかのビルにも当たって何度も反射した電波は、さらに遅れ、弱くなっている。

 これら複数の電波を受信することが、通信品質低下の原因になっている。分かりやすい例では、声が2重に聞こえるといった現象が起きることがある。データ通信の際には、通信速度が遅れたりする。

 テレビの場合は、画面が2重に映るゴースト現象が出たり、少しぼけて見えたりする。

 無線LANの場合は、室内の壁や天井、家具などに電波が当たって同じ現象が発生する。そして、通信速度の低下や、ひどいときは受信したデータを復元できないといった状況になる。

 このように電波の発信源から受信機に対して、少し時間がズレたり、弱まったりした複数の電波が飛んでいる、あるいはそれを受信している状況をマルチパス環境という。

 そして、それぞれの電波が相互に悪影響を及ぼして通信品質を下げることをマルチパス干渉という。

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用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修

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