
コンピュータ・ネットワーク(LAN)に接続して使う簡易パソコンのような機器。特定の機器の名前ではなく、このような機器を総称する言葉。これにあい対する意味で、ファットクライアントという言葉もある。
LANに接続されているコンピュータのうち、一般のユーザーが使うものをクライアントという。一方、共有機能を提供したりや共有データを蓄積しておくものをサーバーという。
現在、ほとんどのLANがクライアントにパソコンを使っている。そして、パソコンの中にはCPU、メモリー、ハードディスク、基本ソフト、ワープロや表計算などのアプリケーションソフト、データなどが入っている。つまり、パソコン単体でも使える状態になっている。
そして、パソコンの性能は上がり続けている。このように機能が豊富(リッチ)なクライアントを、ファットクライアントと呼ぶことがある。ファット(fat)は「太った」という意味。
これに対して、アプリケーションソフトやデータはサーバーに保存して、クライアントはデータの表示や入力といった限られた作業しかできない単純な機器を使おうという考え方がある。必要なソフトやデータは、通信ケーブルなどを通じてサーバーから受け取る。こうすれば、ハードディスクは必要ないしメモリーも少なくてすむ。
そして、このような単純な機器をシンクライアントと呼ぶ。シン(thin)は「やせた」という意味。つまり、機能を削ぎ落としたクライアントだ。どのくらい機能を落とすかは、LANの状態やメーカーの考え方によって差がある。本当に表示と入力の機能しかないものもあれば、ある程度はソフトやデータを保存できるものもある。
具体的なシンクライアントとして、オラクルなどが提唱しているNCやマイクロソフトが提唱しているWindows-based Terminalなどがある。しかし、どちらも広く普及しているとは言えない。
こうしたシンクライアントを使うメリットとして、まず機能が少ないので1台あたりの値段が安くなるとされている。しかし、パソコンの値段も急激に下がったので、実際の価格差は少なくなってしまった。
また、ソフトをバージョンアップするとき、サーバーの中だけ更新すればいいので手間がかからない。クライアントにフロッピーディスク・ドライブやCD-ROMドライブ、ハードディスクなどがなければ、一般のユーザーが勝手にソフトをインストールしたり設定を変えたりできないのでトラブルが減る。その結果、管理費用(TCO)も安くなるとされている。
なお、こうしたシンクライアントを使ったシステムを、SBC方式と呼ぶことがある。
用語解説:下島 朗(株式会社エントラータ)監修