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【第1回】Supermicro社とNTTPCの出会い

はじめまして!本記事に興味をお持ちくださり、誠にありがとうございます。私は、NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)の菊池隆寛と申します。 このコラムでは、そもそもSupermicroとは? から、活用方法、少し技術的なことまで、Supermicro製品に関連する内容を不定期でお届けします。

今回は第1回ということもありますので、NTTPCがSupermicro製品を取り扱い始めたきっかけをお話しします。

技術的な内容は、こちらをお読み願いますが、NTTPCでは2006年頃から『Open Source Software(以下、OSS)を利用した分散ファイルシステム』を研究し、ホスティングサービスやサービス基盤用への採用を目指してきました。

VPN連携のストレージサービスや、法人向けメールホスティングサービスのアーカイブストレージなど自社を中心に採用を行い、ある程度ノウハウを蓄積してきた時期の2009年秋頃でした。あるホスティング事業者さまより、

「数十ペタバイトを超える大容量で、データ保全性の高い、かつ世界一安価なストレージサービスを、OSSを利用して提供したい」

という相談を受けました。
当時、大容量といっても数十テラバイトが一般的でしたので、3桁も違う数十ペタバイト級のストレージを、しかもOSSベースで構築するというのには少し気が引けた記憶があります。

NTTPCの研究部門では、分散ファイルシステムに「GlusterFS」だけではなく、「Gfarm File System」や「zfs」なども扱っていたのですが、99.9999999999%のデータ保全性を保つのはどのOSSかという観点で検討した結果、この案件に適正なOSSとして「GlusterFS」を選定しました。その後、このまま「GlusterFS」がNTTPCの主力OSSになっていますので、いま思うと、この案件がNTTPCのOSSストレージ・ビジネスのターニングポイントだったと思っています。

「GlusterFS」とは

最もコストパフォーマンスに優れた分散ファイルシステムの一つで、ネットワーク上でひとつの集合として管理されているコンピュータ群の各記憶装置に対し、1つのデータを複数に分散(分割又は複製)して格納するネットワークストレージ技術。Linuxマシンのローカルディスクのようにマウントできる上に、数ペタバイトにスケール可能であり、レプリケーション機能、レプリカの自己修復機能などを備えている。

すこし話が分散ファイル寄りになってしまいましたが、ここでSupermicroが登場します。

分散ファイルシステムのOSSを「GlusterFS」に決めたまでは良かったのですが、ハードウェアはまったく決めていませんでした。
当初、よく知られているメジャーメーカー製の「ハードディスクを少し多めに搭載できるサーバー」を検討していたのですが、当時の「GlusterFS」は、有償サポートライセンスという考えがあり(OSS=すべて無料ではないのです)、サーバー1台あたりいくらとなっていましたので、ハードディスクを10本や15本搭載できるサーバーでは、【世界一安価な】という部分を実現できない可能性があったのです。

そこで、メジャーメーカーの開発部門に大容量ハードディスクを搭載可能なサーバーの提供予定を確認したのですが、残念ながら各社とも当時のロードマップにはなく、ホワイトボックス系を扱っている商社や海外のサーバーメーカーなどに、とにかく大量にハードディスクを搭載でき、Intelの「Xeon®」系CPUが搭載できる「Intel Architectureサーバー(以下、IAサーバー)」がないか確認していきました。

24本のハードディスクが搭載できるけれどもRAIDが組めないものや、40本近くハードディスクを搭載できるものの奥行きが日本の一般的なラックには搭載できないもの、CPUが搭載できないもの、日本での利用許可が取れていないものなど、なかなか要求に合うものは見つかりませんでした。 そんな中、4Uサイズで、奥行きも一般的なロングサーバーとほぼ同じ、両面を利用して36本もハードディスクを搭載できる高集積のIAサーバーがあり、その提供元こそがSupermicro社だったのです。

NTTPCが一番最初に取り扱いを開始したSupermicro社製ストレージサーバー

当時のSupermicro社は国内法人もなく、むろん日本国内での保守サービスも提供していませんでしたが、NTTPCではCiscoSystems社製品や、ASTARO社(現ソフォス社)製品の独自保守サービスを展開していましたので、「製造元として信頼できさえすれば、事業者用としても利用できる」との判断で、Supermicro社製品の取り扱いを開始したのでした。

次回は、このSupermicroサーバーを初めて採用した際の、大失敗談を公開したいと思います。

執筆者プロフィール

株式会社NTTPCコミュニケーションズ
データセンタ事業部 エンタープライズサービス部 システムインテグレーション担当
菊池 隆寛

2007年、NTTPCコミュニケーションズ入社。マネージドセキュリティサービスの企画担当を経て、2009年よりシステムインテグレーション営業と新サービス開発を兼任。金融、流通、教育関連など、多数のサービス開発プロジェクトに参画し、最先端のシステム基盤を提供している。得意分野は、クラウド・ゲーミングや、広域分散ストレージなど、正攻法では実現困難なソリューションの設計/開発とその運用支援。モットーは、「世の中のITサービスをより便利に、より魅力的に」。

※Intel、インテル、Intel ロゴ、Xeon は、アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。
※Cisco、Cisco Systems および Cisco Systems のロゴマークは、米国およびその他の地域で、Cisco Systems Inc.の登録商標です。
※ソフォスの社名、ロゴ、製品名は Sophos Ltd.の登録商標です。

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