導入事例

社内ICT 電通アイソバー株式会社|ネットワーク|導入事例 合併 / 再編に伴う、難解なインフラ更改プロジェクトの明暗。
~コスト・短納期要件をクリアしつつ、事業変化に即応~

キーポイントは“変化即応”。
スケーラブルな商用基盤と通信網を確立し、デジタルビジネスを支える。

課題と成果 合併に伴う、複雑・短納期要件のクリアとコストパフォーマンスの最大化

これまでの課題
  • 割高なデータセンター費用と余剰リソースの常時確保による、商用基盤のコスト負担
  • 商用基盤における、顧客案件毎のサービス収益把握が困難
  • 帯域不足や接続断など日常業務に支障をきたすネットワーク品質と、事業 / 環境変化への即応
導入後の成果
  • 商用基盤のクラウド化により、運用管理コストと余剰リソースを大幅に削減
  • コストチャージを明確化する新従量スキームにより、顧客案件毎の収益性を見える化
  • 広帯域・可用性・拡張性の更改要件を満たし、会社・社員双方が満足する通信環境を実現

背景と課題 収益がみえない商用基盤と業務支障のある社内ネットワークの板挟みに・・・

デジタル時代を迎えた今、消費者の思考や行動は大きく変化し、多くの企業でビジネスモデルやコミュニケーション戦略の変革を迫られている。そうした潮流に応えて、電通グループにおけるデジタルマーケティング・ソリューションの中核を担っているのが、デジタル・エージェンシーとして国内最大規模を誇る電通アイソバー株式会社 (※) である。

消費者へ、単に商品やサービスを提供するだけでなく、その“価値”を感じてもらえる体験を創出する「エクスペリエンス・デザイン」を中心に、従来の広告、PR、プロモーション領域を超えたデジタルマーケティングの提供を通じて、企業のビジネスモデルやブランドの変革を支援している。

※株式会社電通iX (旧電通レイザーフィッシュ) と、世界40ヶ国以上に展開するグローバル・デジタル・エージェンシー「isobar」の日本法人、アイソバー・ジャパン株式会社が2016年1月に合併して誕生。

さて、合併前の旧電通iXでは、商用サービス基盤の運用管理や社内ネットワークに関して、それぞれ課題を抱えていた。

  • 電通アイソバー株式会社
    経営管理部
    社内情報システムチーム
    IT Manager
    相澤 里江 氏

課題1:商用サービス基盤のコスト負担と柔軟性、“みえない”案件収益

旧電通iXでは、各種クリエイティブサービスやブランドコンサルティングに加え、デジタルサービスの一環として、ユーザーコミュニケーションの基盤となるWebプラットフォームやユーザー解析プラットフォームなども提供している。その商用サービス基盤は都内のデータセンター上に構築していたが、割高なハウジングコストや機器コストがネックとなり、サービス収益を圧迫していたという。

また、この商用サービス基盤における“顧客案件ごとの収支分析”や“余剰リソース”なども大きな課題だったと、情報システムを担当する経営管理部 相澤里江氏は話す。

「本来であれば、案件毎の商用リソースに応じて、データセンター費、通信費、機器償却費、保守管理の人件費といったコストチャージを明確にし、案件単位での収支を把握、分析する必要があります。しかし、従来の商用基盤は、各システムをデータセンター上に構築して一括運用していたため、案件毎に正確に按分することができませんでした。また、それゆえに、キャンペーン案件など短期間でのサーバーリソース増強に柔軟に対応することができず、常に余剰リソースを確保することで余分な運用コストが発生したことは否めません。」 (相澤氏)

  • 株式会社えむぼま
    クラウドソリューション事業部
    取締役 事業部長
    岡本 洋治 氏

課題2:度重なる接続断で業務に支障。さらに劇的な環境変化のインパクトが・・・

商用サービス基盤の見直しを進める状況下、一方では社内ネットワーク環境においても大きな課題が浮き彫りになりつつあった。

旧電通iXではセキュリティポリシーの観点から、東京本社と関西オフィスを結ぶ社内ネットワークをIP-VPNで構成しており、また膨大なファイルデータやクリエイティブデータを格納する共有ファイルサーバーは東京本社のオンプレミス環境で運用していた。

ところが、従来利用していたVPNサービスは、度重なるネットワーク障害や接続不良、事業者側のメンテナンス作業などによって接続断になることが比較的多く、満足のゆくサービスレベルではなかったという。また、クリエイティブ特有の大容量データに対する帯域不足の問題もあり、ファイル転送に時間がかかるなど、日常業務に大きな支障が出ていた。

加えて、インフラ面で大きなインパクトとなったのが、度重なる事業環境の変化であった。前述した商用サービス基盤の移設プロジェクトを始動した矢先、わずか6ヵ月という短い期間の中で、業務提携解消~社名変更、関西拠点の移転、合併~新会社設立など、劇的な環境変化が立て続けに起こったのである。

「特に、合併に伴う旧アイソバー・ジャパンオフィスとのネットワーク疎通は、新会社発足までのわずかな期間で急ぎ対応する必要がありましたが、既存のVPNで接続することには不安がありました。急速なグローバル展開やデジタル領域における会社再編など、電通グループを取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。通信における高速性や安定性はもちろんですが、拠点の増減や複雑な接続ポリシーなど、事業変化に柔軟かつ速やかに対応できるネットワークサービスの導入が急務だったのです。」 (相澤氏)

解決とその効果 キーポイントは“変化即応”。スケーラブルな商用基盤と通信網を実現

“クラウド化”と“柔軟なネットワーク構成”検討がカギを握ると判断した相澤氏は、同社のIT運用を長年手掛け、業務面にも精通している株式会社えむぼまに解決を依頼。NTTPCコミュニケーションズ (以下、NTTPC) とのタッグにより、柔軟かつセキュアな商用・社内基盤の確立に成功した。

解決策1:商用基盤のクラウド化でコスト圧縮。決め手は、“柔軟な要件対応力”と“信頼性”

従来のデータセンター運用を廃し、商用サービス基盤のクラウド移行プロジェクトに乗り出した同社。移行先にはえむぼまが専用に開発した「em-cloud」を採用し、商用基盤の発注スキーム自体を切り替えていった。

「案件収益の明確化を図るには、適切な従量価格体系を定めたうえで、必要となる商用リソースを担当部署が直接、個々に手配する方法がもっともシンプルと考えました。そこで、そうしたスキームに適合するクラウドサービスを、当社の業務をよく理解しているえむぼまに開発してもらいました。」と相澤氏は狙いを説明する。

その「em-cloud」の構築にあたって、えむぼまと電通アイソバーが選択したデータセンターが、NTTPCが提供する「WebARENA Symphony」だった。

「ミッションクリティカルな商用基盤ですので、万が一の事態も許されません。24時間365日体制での有人監視や、国内でも先駆け的なSLA (サービス品質保証制度) の採用、それに伴う豊富な実績は、選定時に大きなポイントになりました。また、セキュリティ面でクラウド化に懸念を示すお客さまがいたことも事実ですので、従来のファイアウォールに加えてIPS (不正侵入検知システム) などを標準で提供している点も魅力的でしたね。」 (相澤氏) 。

また、えむぼまでクラウド事業を統括し、本プロジェクトの責任者でもある岡本氏は、「本案件では、以前のハウジング環境で運用していたIT資産の一部を、『em-cloud』用のハードウェアとして流用することで、セキュリティポリシーへの適合と、既存資産の有効活用によるコスト削減を図りました。こうした構築要件に、柔軟かつ短納期で対応してくれた点は非常に助かりました。」と振り返る。

こうして、商用基盤をクラウド化したことで、運用コストや人的リソースを大幅に削減。加えて、使用ボリュームに合わせた仮想リソースの迅速な割当てと増減調整により、コストパフォーマンスのさらなる適正化に成功した。

解決策2:広帯域で柔軟。更改要件を満たしたネットワーク品質と営業・SE対応を評価

もうひとつの課題が社内ネットワークの更改である。従来からの課題であった東京築地オフィス~大阪オフィス間のネットワーク品質改善に加え、「合併」に伴って旧アイソバー・ジャパン側とのネットワーク接続が求められるなど、新会社発足までのわずかな期間内に急いで社内インフラを適応させる必要性が生じた。

さらにこの頃、運用コスト削減の観点から社内システムの一部を西日本某所にあるデータセンターへ移設する計画を検討しており、実現のためには通信速度が遅くならないことが必須条件であった。

<主なネットワーク更改要件>
  • 広帯域&高速通信の実現
  • 事業環境の変化に即応できる柔軟なネットワーク設計
  • 可用性と高セキュリティの担保

電通アイソバーはこれらの要件を踏まえ、総合的な判断から、NTTPCの提供する「Master'sONEネットワーク」を選定した。選定に関わったえむぼま岡本氏はこう語る。

「旧アイソバー・ジャパンのオフィスと接続するにあたり、旧電通iXが保有するファイルサーバーには現時点で接続しないなど、いくつか考慮すべき条件がありました。しかし今後、社内統合が進めば事情は変わりますし、今後の事業変化も踏まえてなるべくネットワーク構成には自由度を持たせたいと考えました。IP-VPN (L3) と広域イーサ (L2) の組み合わせが可能な『Master’sONE ネットワーク』はうってつけでしたね。また、東西エリアをまたぐことから、対応窓口が分かれてしまうサービス事業者もあった中で、NTTPCさんはひとつの窓口でスピーディに対応してくれた点も話が早くて助かりました。」

一方の相澤氏は、「2社の合併が決まってから新会社設立まで、ごく短い期間しかなかったため、回線調達を考えると正直難しいのではないかと考えていましたが、当社の事情を察してわずか1ヵ月で開通まで漕ぎ着けてくれたNTTPCさんの営業・SEの柔軟な対応力に大変感謝しています。」と評価する。

ネットワーク更改後は、帯域不足に悩まされることはなく、接続断も一度もないという。また、“まるでオンプレミスと変わらない”通信速度の実現により、社内の評判も上々だ。

図. 電通アイソバーのデータセンター部分およびVPN部分の概略構成図

一連の課題を解決したことで、次のような効果が得られたと相澤氏は述べる。

  1. 商用基盤のクラウド化により、運用コスト20%、かつ人的リソースを1.3人月削減
  2. 商用リソース使用料 (=収益) の明確化により、各担当部門での予算運用が可能に
  3. 通信品質の改善による社内評価向上と、事業変化に即応可能なネットワーク構成の実現

今後の展開 IT基盤の側面からグローバルビジネスの拡大を図る

今後は、現在独立して運用している旧アイソバー・ジャパンのファイルサーバーを統合するなど、「まずは合併2社間でのITシステムの融合を進めていきたい」と相澤氏は述べる。また、電通グループにおけるデジタル分野およびグローバル化の要と位置付けられる存在であることから、グローバルビジネスの拡大を支えるITプラットフォームの企画・整備を進めていきたいという。

「当社はマーケットに合わせて、常に変化・進化していく会社なので、引き続きNTTPCさんには型にはまらない柔軟な対応や提案を期待しています。」と相澤氏は締めくくる。

NTTPCは、変化の激しいデジタル時代に必要不可欠となる柔軟な対応力で、これからもお客さまのニーズに応えていく。

導入サービス Master'sONE ネットワーク、WebARENA Symphony

電通アイソバーは、えむぼまが構築した「em-cloud」を商用サービス基盤として採用し、可用性と信頼性に富んだNTTPCのデータセンターサービス「WebARENA Symphony」に収容。また、広帯域かつ拡張性に優れた「Master'sONEネットワーク」により、L2 / L3の複合構成にてネットワーク更改要件を実現した。

会社概要

旧電通iX (旧電通レイザーフィッシュ) と旧アイソバー・ジャパンが2016年1月に合併して誕生。国内外の顧客企業に対し、クリエイティビティとテクノロジー、そしてアイデアの融合により生まれる新たな価値創造「エクスペリエンス・デザイン」を中心に、付加価値の高いデジタルマーケティング・ソリューションを提供している。

会社名 電通アイソバー株式会社
事業内容 デジタルソリューションサービス
URL http://www.dentsuisobar.com/
本社 【本社】
〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1 築地松竹ビル
資本金 4億円
設立日 2016年1月1日
(前身の株式会社デジタルパレットの設立は2001年4月)

※「Master'sONE」および、「WebARENA」は、NTTPCコミュニケーションズの登録商標です。

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