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JFEシステムズ株式会社さま|ネットワーク|導入事例

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突然発生する地震に対し防災・被害軽減を目的とした緊急地震速報をMaster'sONEで緊急配信

地震大国日本。日本の国土面積は地球上の陸地の約400分の1にすぎないにも関わらず、 日本列島周辺から噴出される地震・火災噴火のエネルギーは、地球全体の約10分の1にも達しています。日本は地震・火山活動の活発な国であり、震災は決して他人事ではありません。

地震発生!緊急地震速報のその第一報は地震波を捉えた数秒後 (発信条件を超えた場合)には、気象庁から発信されます。初期微動が捉えられてから、主要動 (本格的な揺れ)がやってくるまでのわずか数秒の行動が、生死や深刻な設備被害の分かれ目になることもありえます。緊急地震速報とは、気象庁が開発した全国各地に敷設した専用地震計を利用し、地震発生時に震源に近い観測点で得られた地震波を使い、震度・地震の規模および各地の震度を秒単位という短時間で推定し、情報を発表するものです。この情報の活用は、主要動が到達する前に、身の安全を確保したり、制御機器を制御することによって地震被害を減災したりといった、有効な対処行動を可能にします。

これまでの課題
  • 緊急地震速報システムをお客さまに提供するための回線手配補助作業が重荷に。
  • ADSLによる接続ではサービス提供エリアが限られ、またお客さま事務所構内で品質劣化するケースが頻発。
  • 運用中のネットワーク機器トラブルのオンサイト対応が不可。
導入後の効果
  • お客さまの回線手配をNTTPCコミュニケーションズに一括委託できるため、作業コストが削減。
  • ISDNまたはBフレッツ利用によりサービス提供エリアと品質劣化の問題が解決。
  • ネットワーク機器のオンサイト設定作業、ネットワーク機器異常発生時のオンサイト・サポートがNTTPCコミュニケーションズ側のサービスとして提供され作業コストが削減。初期トラブルやクレーム発生が現在までのところ皆無。

背景と課題 緊急地震速報には、セキュリティが確保された、確実に受信できる安定したネットワークが不可欠

JFEシステムズさまは旧川崎製鉄株式会社さま (現JFEスチール株式会社さま)の情報システム部門を前身とし、精密自動制御やミッションクリティカルな生産管理システム構築で長年の経験を積んだ、大規模で複雑なシステム構築を得意とするシステム・インテグレータであり、食品業界向けの品質情報管理システム「Mercurius (メルクリウス)」や電子帳票システム「FiBridge Ⅱ (ファイブリッジツー)」などで幅広い分野の企業システムに貢献するソリューション・ベンダでもあります。

同社が地震速報に注目したきっかけは、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災でした。当時神戸地区にあった同社事業所は震災による大打撃を受け、グループ内ネットワークも甚大な被害を受けました。このとき、同社の多くの従業員はかろうじて倒壊被害を免れた施設に泊まり込みながら、全社一丸となって懸命の復旧作業にあたりました。その結果、他社よりも早期の復旧が実現しましたが、この震災の辛い経験は関係者に1つの事実を強烈に印象づけることになりました。それは「1秒でも早い地震情報があれば、被害軽減に繋がり防災に役立てることができる」という想いでした。

震災の経験を生かし、被害を最小限に食い止めるための緊急地震速報への事業参画

  • SIソリューション事業部
    基盤ソリューション部
    第2ソリューショングループ
    主任部員
    阪口恭行さま

  • SIソリューション事業部
    第2営業部
    EC/EDI営業グループ
    岡部省三さま

そこでJFEシステムズさまが積極的に取り組んだのが、緊急地震速報サービスです。このサービスは、気象庁が全国約200箇所および財団法人防災科学研究所が全国800箇所の測定地点で計測している震度データにより、一定規模以上の揺れが予想される場合にその情報を配信するサービスです。同社は緊急地震速報を活用した事業への進出にあたり、地震情報の解析技術の高い三菱スペース・ソフトウェア株式会社 (地震動の予報業務許可事業者)と共に財団法人鉄道総合研究所のグループ会社である株式会社ANETに出資したうえで、ANET社のシステム構築などに参画し、技術を習得しました。そして、2006年7月、民間企業などでの緊急地震速報の更なる活用促進を目指し、「MJ@lert (エム・ジェイ・アラート)」を開発し事業化を図りました。

なお、MJ@lertは、三菱スペース・ソフトウェア株式会社の登録商標であり、同社は国内総一次販売代理店としてサービス提供を実施しています。

今日までにサービスユーザ数は300社以上に拡大、組織の防災訓練実施による従業員への防災意識の向上、企業におけるBCP (事業継続計画)の一助、CSR活動 (企業の社会的責任)の一環として利用されていますとSIソリューション事業部の岡部省三さま (以下、岡部さま)は語ります。

そのシステム構成は図に見るとおり、気象庁が発信する緊急地震速報を専用受信サーバーで受信と同時にその情報解析を同社データセンター内で行い、利用拠点 (事業所、工場、学校、公共施設など)に主要動が到達する予想時間 (=到達余裕時間)と推定震度を計算、必要な結果情報だけを各拠点の専用端末にピンポイントで配信する仕組みです。

気象庁では、震源に近い一つの観測点で地震波をとらえた直後から、震源やマグネチュード、震度の予測を開始します。その予測がある閾値を超えた瞬間、緊急地震速報の第一報が発表されます。時間とともにより精度を上げながら第二報、第三報と原則複数回、気象庁より配信されます。

この情報をそのままの形で再配信するサービスもありますが、MJ@lertでは自社データセンターでお客さま向けに最適な情報に加工し、より利用しやすい状態にしたうえでお客さま固有にピンポイント配信を行います。

同社データセンターからの情報は、NTTPCコミュニケーションズのトータルソリューションサービスMaster'sONEを利用して送信され、ISDNまたはBフレッツによるアクセス回線を経由して、専用端末に届きます。専用端末は地上観測から宇宙観測まで総合観測システムメーカーである明星電気社製品 (放送連動機能・複数台接続機能搭載、MTBF:メーカー公表値:約8.5年 (目安))または、世界的な総合表示機器メーカーであるパトライト社製品 (MTBF (平均故障間隔)メーカー公表値:約5万時間 (目安))の2機種にて受信可能であり、高信頼性の製品が使用されています。受信端末には推定される震度や主要動到達までの予想時間の表示を行います。主要動到達まで時間に余裕がある場合は、避難をはじめ安全確保のための行動がとれます。 (震源地との距離が近い場合や、推定精度には限界があり、緊急地震速報が間に合わないなど、技術的制約もあります)

また、専用端末では表示ばかりでなく、音声や非常灯による警報や、お客さまが保有される制御機器類との自動連携を行うための信号を発信します。

これにより、各種制御機器の自動制御が可能になります。例えば構内放送システムとの連携による館内放送での警報・避難呼びかけ、エレベータシステムとの連携により、最寄り階での停止および乗客の避難誘導によるエレベータ内での閉じ込め防止、ガス遮断弁の起動などによる火災防止、入退室制御システムとの連携による避難経路の確保などです。地震後の行動計画は、事前に十分に検討してマニュアルを作成しておき、効果的な避難行動や被害拡大を防ぐための措置を従業員がとれるように整備されるお客さまが多数だということで、防災に対する認識が高まっていることがうかがえます。これら対策の実現についても、JFEシステムズさまではお客さまニーズの発掘や自動連携機器を含めたインテグレーション・サービスを提供しています。

緊急地震速報を即座に確実に伝達可能な高信頼ネットワークが必要

気象庁が発信する緊急地震速報には「一般向け緊急地震速報」と「高度利用者向け緊急地震速報」の2種類があり、MJ@lertが担当するのは後者です。テレビやラジオで放送される一般向けは2点以上の地震観測点で地震波が観測され、最大震度が5弱以上と予測された場合に発信されるのに対し、高度利用者向けはいずれかの観測点でP波またはS波の振幅が100ガル以上の場合、または解析の結果、各地の予測震度が求められ、そのマグニチュードが3.5以上または最大予測震度が3以上の場合に発信されます。JFEシステムズさまで導入された顧客の実際の事例として、2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震のケースでは、宮城県内の複数の利用事業所において、主要動の到達の19秒前 (震源から115km地点)から7秒前 (同・44km地点)に速報が配信されています。

「MJ@lertが送信する緊急地震速報のデータは、1回の配信で100バイト以下の小さなものです」と、MJ@lertの普及を推進する同社の技術者、阪口恭行さま (以下、阪口さま)は語ります。「緊急地震速報はそう度々配信されるものではありません。しかし、配信された場合、速報データが確実かつ即座に、お客さまのもとへ確実に届かなければ意味がありません。地震は24時間365日、いつなんどき発生するかわかりません。いざ発生した場合に、速報データが確実に届かないようでは、せっかくのシステムも意味をなしません。そこで、データ回線の品質が重要なのです」と阪口さま。

以前同社では、サービス開始当初、別キャリアによるインターネット接続を行っておりました。しかし、そのキャリアの提供回線はADSLのみのため、数々の問題に直面することになりました。「お客さまの拠点所在地は電話局舎と離れている場合があり、そこでは通信品質が劣化してサービスが保証できないケースがありました。また、通信回線の一部に光回線が利用されているため、メタル回線が前提のADSLが使えず、再工事が必要な場合もありました。さらに、お客さま拠点が広大な敷地内に点在し、敷地内にさまざまな製造機械などが稼動しているケースでは、構内配線の段階で通信品質が劣化してしまうことがありました。また当初は十分な品質でも、お客さま側の環境変化により、品質が落ちてしまうこともありました」 (阪口さま)。

「しかし、問題は通信品質の部分だけではありません」と阪口さま。当時利用していたネットワーク事業者は、ISP契約をお客さま側と直接交わす前提になっており、回線状況の確認や端末との接続はお客さま側の負担になっていました。しかしJFEシステムズさま側ではすべてをお客さままかせにはできず、回線手配の補助を行っていました。「補助作業の工数が予想をはるかに超え、しかも納期が常に不明確になっていました。ISP契約や回線の問題ばかりでなく、お客さまによるADSLモデムと受信接続時のトラブルやミス、モデム自体のトラブルなども頻発し、ネットワークサービスそのものの見直しが必要とされました」 (阪口さま)。

解決とその効果 安定した品質とオンサイト・サポートにより 業務負荷とトラブルが激減

ネットワークサービスの見直しで同社が重視したのは次のようなポイントです。

  • 全国一律の品質を伴った対応が可能なこと。
  • お客さま拠点でのネットワーク機器設定やオンサイトでの保守運用サポートが可能なこと。
  • NGNやIPv6などへの取り組みに積極的であり、先進的な会社であること。
  • 技術力や組織力に優れ、質問や要望に対し迅速な対応がとれること。

複数のネットワーク事業者を検討した結果、これらのポイントで高評価を得たのがNTTPCコミュニケーションズのMaster'sONEでした。

「NTTPCコミュニケーションズが新技術に積極的に取り組んでいることは知っていました。採用の決め手になったのは、緊急地震速報システムに必要な、24時間365日安定した常時接続回線、日々度々配信されるシステムではないため低価格なコストの回線、セキュリティを確保した高品質ルーターといった要件を十分に満たすサービスの提案を得たことです。新しい社会インフラとして期待されている緊急地震速報というアプリケーションの特性を十分理解していただき、最適なものを提案していただいたと思っています」 (阪口さま)。

Master'sONEへの切り替えにより、最も劇的に変わったのは同社の回線手配補助業務の負荷です。回線手配はNTTPCコミュニケーションズが担当し、同社は NTTPCコミュニケーションズからのルーター設置日時の情報提供に基づいて配信サーバー側の設定や受信端末の手配を行えば済むようになりました。また提案されたISDN回線は当然ながら全国提供が可能で、安定した品質は折り紙付きです。さらに、NTTPCコミュニケーションズが提供するオンサイト・サポートにより、初期導入時のトラブルはなくなり、導入後も万一ルーターにトラブルが生じた場合でも、同社は一切関与することなく、オンサイトでの対応が行える体制ができました。実際には、導入後1年半以上を経過した現在までに、ルーター故障などのトラブルは1件も発生していません。

こうした手厚いサポートが付加されたネットワークサービスを利用することにより、同社の業務負荷はおよそ10分の1以下に大幅軽減されました。「緊急地震速報システムを担当するお客さま部署の多くは総務部門や品質管理部門です。情報システム部門では当たり前の会話でも、部門が違えば会話がなりたたないほど、スキルや知識、用語が異なっており、接続作業のサポートだけでもたいへん骨の折れる作業になりました。そこをNTTPCコミュニケーションズでは専門スタッフを現場に派遣して接続確認を行ってくれるため、当社の負荷はほとんどなくなり、かつサービスの確実な提供が保証されることにもなりました。加えて、万一今後サービスに異常が発生した場合でも、トラブルの切り分けが簡単にできる体制ができました」 (阪口さま)。

高信頼でお客さまに運用管理負荷を求めないサービスを新しい社会インフラに

緊急地震速報サービスを提供する地震動の予報業務許可事業者は現在50社以上 (平成21年4月1日現在)ありますが、気象庁からの情報をお客さまに再配信する方法は各社がそれぞれの手法をとっています。MJ@lertでは他事業者の多くが採用しているUDPを利用したマルチキャスト通信ではなく、パケット到達保証があるTCPによるユニキャスト通信を利用しています。通信データは暗号化されており、万一偽装した情報配信が行われた場合でも影響を受けません。また専用端末は個々にリモート管理されており、pingによる死活監視だけでなくアプリケーションレベルでのヘルスチェックも15秒に1回の間隔で常時行われているため、異常発生時への備えは万全です。

「当社のお客さまの中には、導入初期時に、実際に専用端末の電源を意図的に切断され、どのように異常通知が届くのかテストされる方もいらっしゃいます。もちろんサポートいたしますが、お客さまより『本当に監視されているのですね』とお言葉をかけられるケースもあります。」 (阪口さま)

また、ノウハウが必要な制御機器類との自動制御などの仕組みも経験を生かして作り込まれています。

「当社が販売提供する緊急地震速報サービスは、独自のノウハウを生かし配信サーバー~回線~専用受信端末をワンストップサービスで提供するものです。それを生かすも殺すもネットワーク次第。Master'sONEは、コスト最適に安心して利用できる速報サービス基盤として、今後も多くのお客さまにご利用いただきたいと考えています」 (岡部さま)。

業務システムとは別種のミッションクリティカルな防災ソリューションの背後にも、手厚いサポートと一体化したNTTPCコミュニケーションズのワンストップ・ネットワークサービスが役立てられています。

JFEシステムズ株式会社

本社:〒130-0012 東京都墨田区太平4丁目1番3号 (オリナスタワー17F)
設立:1983年9月1日

鉄鋼業で培った巨大・高度なシステム開発・運用技術と経験を幅広い領域の企業情報システムに展開。システム稼働効率とビジネスプロセス両面の最適化、企業間連携インフラ構築、データ分析技術を応用した日本型CRM構築など、数多くのソリューションを提供している。

緊急地震速報システム「MJ@lert(エム・ジェイ・アラート)」は2010年4月1日よりKITシステムズ株式会社に事業移管されました。

KITシステムズ株式会社

本社:〒111-0051 東京都台東区蔵前2-17-4 JFE蔵前ビル
設立:1986年10月24日

JFEグループの一員として、JFEグループで培ったソフト開発・販売会社とハード販売会社を合流させることにより、ソフトとハードを一体化したトータルサービス、販売・保守・リユース・リサイクルといったライフサイクルサービスを提供しております。

URL: http://www.kit-systems.co.jp/

緊急地震速報システム「MJ@lert(エム・ジェイ・アラート)」の問合せ先

URL: http://www.kit-systems.co.jp/product/mjalert/index.htm

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