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温湿度をM2Mで遠隔監視
東京大学の蔵書において一時保管を低コストで実現!

東京大学では、東京大学新図書館計画「アカデミック・コモンズ」が進行中だ。 工事に当たって約50万冊の蔵書の一時保管先を確保する必要がある。蔵書保管に適した環境を低コストで作りだすためのしくみが、 NTTPCコミュニケーションズのM2MモバイルネットワークとT&D社の「おんどとり」による遠隔監視体制だ。

これまでの課題
  • 蔵書保管では劣化やカビから、いかに本を守るかが課題
  • 温湿度管理が施されている一般的な倉庫は、蔵書一時保管先としては高コスト
  • 除湿機台数、稼働時間など、適切環境維持に必要な最低条件が不明
導入後の効果
  • モバイルネットワークと温湿度センサーで、保管環境を遠隔監視!
  • 遠隔監視体制の実現により、低コストな郊外施設を活用可能に!
  • モニタリング結果を活かして空調効率を改善可能、次回以降の選定に活用

導入の背景 地上100万冊、地下に300万冊を納める新図書館計画

  • 東京大学 附属図書館
    情報サービス課
    相互利用係長
    金藤 伴成氏

東京大学では総合図書館を改修し、さらに隣接する場所に地下3階の新館を建設する東京大学新図書館計画「アカデミック・コモンズ」が進行中。新館には自動化書庫が設置され、約300万冊の蔵書を管理できるようになる。本館の改修と新館の建設は同時に進められ、工期は約5年間が予定されている。

本館の改修に当たり課題となったのが、工事期間中の蔵書の一時保管先だ。工事はエリアを区切って順次改修を進めるため、蔵書すべてを外に出す訳ではない。それでも現在の蔵書120万冊のうち半数近くに上る、最大で50万冊の一時保管場所が必要となる。東京大学 附属図書館 情報サービス課 相互利用係長 金藤 伴成氏は、蔵書保管の難しさを次のように語る。 「書籍はどこででも長期保管できるというものではありません。高温による劣化や高湿度によるカビの発生などに気を付け、直射日光も当たらない場所を選ばなければなりません」

温湿度管理が施された倉庫自体は珍しくないが、その多くは流通業界で使用され、細やかな温湿度コントロールと運送に適した好立地が多い。書籍の一時保管場所としては、コストが見合わなかった。

「出し入れは少ないので、賃料の安い郊外で構いません。とはいえ、管理が行き届かない遠方では困ります」(金藤氏)

厳しい条件の中で見つかったのが、関東近郊にある、現在は使用されていない施設だった。直射日光を遮れば、室内の気温は低く抑えられる。 除湿機を設置して湿度をコントロールすれば、書籍の保管に問題ない環境を作れると考えられた。問題は、適切な環境を維持・確認する管理体制の構築だった。

「除湿機の設置台数や稼働時間を多くすれば、湿度は低く保てますが、保管コストは増大します。温湿度が適正範囲内となる保管環境を維持・確認できれば、過剰投資を避けられます」(金藤氏)

導入の経緯 T&Dの「おんどとり」とM2Mモバイルネットワークで遠隔監視を実現

東京大学附属図書館が採用したのはT&D社の製品「おんどとり」で、測定を行うセンサー本体と、収集したデータをクラウドに送信するベースステーションからなる。センサーとベースステーションが無線接続されるので設置場所の自由度が高いことや、モバイルベースステーションを使って3Gでデータ収集を行えるのが特長だ。

「収集されたデータはクラウド上に蓄積され、離れた場所からでもほぼリアルタイムにモニタリングできます。今回のような用途にはぴったりの製品でした」(金藤氏)

組み合わせる3G通信は、NTTPCコミュニケーションズのM2Mモバイルネットワークが選ばれた。格安なモバイルサービスは数多くあるが、信頼に値する実績を持つNTTグループが提供しており、法人向けに柔軟な対応を取れることが選定の決め手だったという。

「格安なモバイルサービスは、個人名で契約してクレジットカードで決済するものがほとんです。 これでは学内での経費精算手続きが煩雑になるし、異動の際の引き継ぎも簡単ではありません。その点、NTTPCコミュニケーションズさんは低コストかつ、法人での契約、請求書による決済が可能でした」(金藤氏)

偶然にも建築(設備)アドバイザーと、金藤氏の選択が一致!T&D社「おんどとり」

蔵書の一時保管として適切な保管環境をつくるため、金藤氏は東大内の建築(設備)アドバイザーと共に、除湿機の数や温湿度センサーの設置場所などを検討し決定した。その経緯の中で、アドバイザーが別案件で選定していた温湿度センサーと、金藤氏が製品機能や品質などから選んだのが・・・・なんと、T&D社「おんどとり」と偶然一致。即時、該当センサーが決まり、おのずとモバイルネットワークについてもNTTPC社が選定項目にあがったという。

導入の効果 モニタリングの結果を活かして今後はさらに効率的な保管場所確保へ

2014年春、施設への書籍搬入が始まった。同年6月までには18台の除湿機設置と温湿度センサー等の遠隔監視体制も整え、書籍保管に厳しい梅雨や夏を遠隔監視のもとで迎えることができた。

「集中豪雨や夏の台風など、大きな環境変化を引き起こす要因の多くは悪天候です。現地訪問が難しい天候でも、手元で気温や湿度をモニタ リングできるので、離れていても安心感がありますね」(金藤氏)

モニタリングにより初めて分かったこともある。梅雨や猛暑の時期においても気温や湿度はそれほど高くならず、除湿機台数を減らしても適切な環境を保てるため、保管コストを低減できる可能性があるという。さらに、本導入により遠隔監視体制が確立できたため、今後はより遠方でも保管場所を探せるようになるだろう、と金藤氏は言う。

「今回の施設に保管できるのはおよそ20万冊。今後も新たな保管場所を探して同様の温湿度コントロールを行わなければなりません。2か所目以降の保管場所では、今回の測定データを使ってより効率的な環境づくりができると期待しています」(金藤氏)

リアルタイムなモニタリングはもちろんだが、T&D社の「おんどとり」とNTTPCのM2Mモバイルネットワークで収集された書籍の保管環境データが、今後のノウハウとしても役立つことになりそうだ。

東京大学

所在地:東京都文京区本郷7−3−1
規 模:教職員7,847人、学部学生14,097人、
    大学院学生13,768人 *平成26年5月現在

1877年に創設された、日本で最も長い歴史をもつ大学。日本を代表する大学として、近代日本国家の発展に貢献してきた。現在においても時代に応じた改革を積極的に進め、日本国内はもちろん、世界でも高い評価を受けている。

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