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和歌山県和歌山市さま|IoT|導入事例

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罠の監視と通報をM2Mで実現、獣害の減少と生態把握に貢献!

海と山、両方の雄大な自然に囲まれた和歌山県和歌山市。ここ数年住民を悩ませていたのは、豊かな自然を持つがゆえの鳥獣被害だった。そこで和歌山市は、画期的な方法で対策を強化。NTTPCコミュニケーションズのM2M (Machine to Machine)技術とネットワーク、クラウドを活用した罠監視通報装置「みまわり楽太郎」を使い、少人数ながら高い成果を上げている。

これまでの課題
  • 見回りに多大な労力がかかり、危険も大きく、狩猟できる猟師も少ない
  • 実証データが少なく、イノシシの行動について正確な予測が困難
  • 山間部では電源がなく、罠設置には莫大な初期費が必要
導入後の効果
  • M2Mを使った罠監視通報装置により、少人数で安全かつ効率的な監視を実現
  • M2M化でイノシシの生態把握や出没予測が進み、害獣対策が前進
  • 電源は乾電池2本!しかも効率的な仕掛けで長期間、電池交換の必要なし

「機能、信頼性、価格のすべての面で要望を満たす製品でした。罠の作動をメールで知らせてくれるという機能に特化している点がいいですね。PCでも携帯電話でも好きな端末で受信できる汎用性の高さも気に入りました」(寺尾氏)

機能面では、単一乾電池2本のみで動作する点や、複雑な機構が排除されている点が評価された。住宅地と山間部のはざまで利用されることが多く、電源やネットワークを別途用意する必要がないのは大きなメリットだったという。

「契約手続きを簡素化してもらえたのも助かりました。本体価格に2年間の通信費がセットになっているので、毎月の支払事務もありません。少人数で対処しているので、ちょっとした事務も負担になりますから」(寺尾氏)

導入の背景 被害は年間700万
住民の生活も脅かすイノシシ

  • 和歌山市 まちづくり局
    産業部 農林水産課
    農林・鳥獣害対策班
    主査(獣医師)
    寺尾 文孝氏

和歌山県和歌山市では、イノシシによる獣害に長年悩まされてきた。収穫前の畑が荒らされるなど、2012年には市内で700万円近い被害が発生した。目撃や被害が報告されている付近には住宅地もあり、住民からも不安の声が上がっていたと、和歌山市 まちづくり局 産業部 農林水産課 農林・鳥獣害対策班 主査で獣医師でもある寺尾 文孝氏は語る。

「被害を食い止めるために、捕獲と防護の両面から対策を行ってきました。田畑や民家のあるエリアにイノシシが入り込まないよう柵で仕切り、その一方で猟友会の協力を得て捕獲を進めました。しかし、平野部に現れるイノシシを捕獲するのは容易ではありません」(寺尾氏)

イノシシ捕獲に使われる大型の罠は、それ自体が高価なもの。猟師はできるだけ効率的に獲物を捕らえられる場所を選び、山間部に仕掛けるのが一般的だ。そこで、目撃された個体を狙って捕獲するための罠は、市の事業として出没付近の平野部に設置することになった。

「目撃情報に応じて10ほどの罠を市内に設置していますが、それぞれの場所が離れているので効率よく見回るのが大変でした。中には片道30分ほどかかる場所もあり、誘い入れるための餌の補給と罠の確認だけで日が暮れてしまいます」(寺尾氏)

導入の経緯 M2Mで罠の作動をリモート監視可能な「みまわり楽太郎」を導入

タイムリーに、離れた場所に設置した罠の状況を知る方法がない訳ではない。警報機や通報装置の類はいくつも市販されており、寺尾氏の元にもいくつもの製品パンフレットが送られていた。しかし目的や予算感に見合う製品はなかなか見つからない。

「イノシシが罠にかかったことが、すぐにわかればいい。それだけでいいのですが、いずれも高価だったり大掛かりで設置が難しかったりと、決め手に欠いていました」(寺尾氏)

そんな中、獣害対策の展示会で寺尾氏が見つけたのが、NTTPCコミュニケーションズのM2Mクラウドプラットフォームを利用した罠監視通報装置「みまわり楽太郎」だった。実物を見て説明を聞くうちに、これまでの類似製品に感じていた課題を解決できると確信したという。

設置は簡単!電線・電源も不要!

「みまわり楽太郎」は電池式なので電源不要、通信も無線なので電線も不要、設置は難しい工事は必要ありません。
また、電源スイッチが無いことで、電源の入れ忘れや、近所の住民の方によるいたずらで電源を切られる心配もありません。

導入の効果 効果は絶大、迅速な対処でリスクも最小限に

2013年3月に2台の「みまわり楽太郎」を導入し、4月から本格的に利用を開始した。設置自体は非常に簡単で、杭を立てて「みまわり楽太郎」本体を取り付け、罠の扉とセンサーを紐で結ぶだけだ。罠が作動すれば自動的に電源が入り、あらかじめ設定されている5つまでのメールアドレスにメールが発信される。

「罠にかかったイノシシは逃げようとして暴れるため、罠が壊されたり、付近の住民の生活が脅かされる恐れがあります。「みまわり楽太郎」を使い始めてからは罠の作動がメールでわかるので、時間を置かずに対処でき、そうしたリスクは最小限になりました」(寺尾氏) 効果は絶大で、「みまわり楽太郎」の設置から数日後に5頭のイノシシが一気に捕獲されたのを皮切りに、次々にイノシシが捕獲され、いずれも罠の作動をいち早く知ることができた効果を実感した和歌山市では、2013年12月には2台のみまわり楽太郎を追加導入、罠の監視体制を強化している。

「10台ほどの罠を2人体制で見回っていますが、罠にかかる確率の高い場所を選んで「みまわり楽太郎」を設置することで、日々の作業負担がかなり軽くなりました。その分、獣害対策のもう一方の柱である防護にも時間を取れるようになり、対策はぐっと前進しました」(寺尾氏)

今後の展開 獣害対策の成功例として同じ悩みを持つ自治体に光

和歌山市の磯ノ浦地区は特に被害が大きかった地域だが、大型の罠とみまわり楽太郎、さらに市の補助金による防護柵の設置などが効果を上げ、地域住民からも感謝の声が聞かれるほどだという。

「同様の被害に悩む周辺市町村とも成果を共有していますが、市町村のレベルで使いこなせて仕組みも簡単なので、みまわり楽太郎はお勧めしやすい製品ですね。設置場所を選ばないので、災害対策など他のことにも応用できる製品だと思います」(寺尾氏)

また、イノシシが罠に入った時間を知るなど、実証データを得やすくなったことで、これまで仮説に過ぎなかった害獣の生態把握が進み、より高精度な出没予測にも役立っているという。農林・鳥獣害対策班が和歌山市の平穏な生活を支えていく陰で、今後も「みまわり楽太郎」が活躍することだろう。

和歌山市役所

住所:和歌山市七番丁23番地
市役所員数:2983人 (正職員のみ)

海と紀の川の水、そして三方を囲む緑豊かな山々からさまざまな恵みを享受する和歌山市の行政事務を行う。人口364,794人、世帯数155,995世帯(共に2014年6月現在)。

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